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第10話「闇に堕ちた独眼竜」

「政宗!早く立ってよ!」

薄れた意識の中、遠くでジャンヌの声が聞こえた

かなりの激痛で神経は麻痺し痛みも次第に分からなくなっていた

「政宗、ディーヴァが連れて行かれる、いいの!?」

いい訳ないだろ、約束したんだ、ディーヴァを守るって

でも、体が動かねぇ


さぁ早く使え、俺の力をよ


じゃあ寄越せ、力を!


倒れこんだ政宗を黒い霧が包む

そして、すっと立ち上がった


それに気が付いた鎧の武士が言う

「普通の人間なら闇に呑まれ死ぬのだがな、闇に手を染め、闇に堕ちたか、独眼竜よ、これは面白いな」


「おい、人間」

なんだ?頭の中で声が聞こえるぞ?

「力が欲しいのだろ?人間」

「お主は誰だ?」

「俺か?俺は闇さ」

「闇?」

気付けば俺はただ真っ白な空間に立っていた

「ここはどこだ?」

「人間、お前の意識の中さ」

現状を全く理解出来ずにいると

カチャ、カチャ、カチャ

聞き覚えのある音がまたしたのであった

それに闇と名乗る男の声もどこかで聞いたことがある

しかしその疑問もその音がする方向を見ると直ぐに解決するのであった


「まさか、俺か?」

そこにはもう一人の政宗が立っていた

唯一違っていたのは全体的に黒い気を纏っていて目が赤く光っていた

「俺はお前であり、お前ではない」

「どういうことだ?」

「そのままの意味さ、お前は俺の力を欲している、俺はお前を欲してある、ただそれだけの関係だ」

それを聞いて一瞬政宗は考えた

そして言った

「お主の力があれば勝てるのか?」

「あぁ勝てるさ、全て俺に委ねるがいいさ、身も心も」

「そうはさせないさ、俺の体は俺の物、お主にはやれん」

「まぁ今のところはそれでいいさ、いずれそうせざるおえなくなるからな」

「どういう意味だ?」

「お前はきっと俺を今みたいに必要とするってことだ」

「それがどうしてお前の物になるということになるのだ?」

「このまま話を続けてもいいがお前には時間が無いのではないのか、このままではあの人間は連れていかれるぞ」

「ディーヴァが?早く助けなければ今すぐ力をよこせ!!」

「いいだろう、力をくれてやろう、俺に任せな」

その瞬間、パリンと白い空間が割れた

そしてその空間は黒く染まる

「久しぶりに殺し合いができるのかぁ、楽しみだなぁ、おっと、腕が一本もがれてるじゃないか、仕方ない俺の腕をくれてやるか」


「どうした動かないのか?じゃあ行くぞ」

鎧の武士が立ち去ろうとすると

「待て」

立ち上がった政宗は言った

「やはりやる気か」

「戦いはこれからなんだから楽しもうぜ」

「政宗様」

ディーヴァが心配そうな目で見ていた

「雰囲気が変わったな、独眼竜では無いな」

「誰でもいいじゃねぇか、殺し合うぞ」

政宗も刀を抜いた、その体からは禍々しい黒い霧を纏っている

すると黒い霧が喪った右腕に集まり散った

そこには人成らざる魔の腕が現れた

「さぁこれで力が入る!」

政宗は眼を開くと赤く光を帯びていた

そして刀をブンと一振りすると見えない風の塊、かまいたちの様なものが飛んだ

「面白いことをする」

それを鎧の武士は斬った

「まだまだぁ!!」

政宗は一瞬で離れていた距離をつめた

「速いな」

「それだけじゃねぇよ!おらおらおらおら!」

ブンブンと刀を振った

鎧の武士もそれを防ぐ

政宗の攻撃は今までとは比べものにならないぐらい速く、激しく、強かった

「その程度ではわしを殺せないぞ?」

「余裕だな、これはどうかな」

すると政宗は右手に持っていた刀を攻撃の最中左手に持ち変えた

「どういうつもりだ?」

それを不思議そうに鎧の武士は見ていた


「来い、暗黒刀」

そう言って右手を出すと漆黒の刀が現れた

「これは!?」

一瞬の隙をつき、暗黒刀で鎧の武士に遂に一撃を加えた

「ぐっ、やるな」

その一撃は鎧を一筋切り裂いていた

そこから血が溢れ、それを抑えていた

「まさかこれほどまでやるとはな、侮った」

「面白いのはこれからさ」

そう言って政宗は怪しく笑っていた

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