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魔王城でぐうたら

遂に辿り着いた。

魔王城、その最上階に・・・!

闇に染まった空と腐敗した大地。3人の最強メンバーと共に長い年月をかけて魔界を探索し続けた。

そして見つけた。

やっと。

レベル100の勇者、レベル99の大賢者、レベル100のバーサーカー、レベル100の僧侶。

誰が欠けてもここには到達できなかっただろう。

そして今日、この恨み晴らさせてもらう!

「みんな、よくここまで俺についてきてくれた・・・! お前らには、感謝してもしきれない。ありがとう・・・!! だが、ここが終わりじゃない。俺たちは帰るぞ、みんなで!!」

勇者が言う。

「ワシらは運命共同体じゃ。無事に帰り、みなで祝杯を挙げよう」

大賢者が言う。

「オレたち、まけない。おれたち、つよい。おれたち、かつ」

バーサーカーが言う。

「生きましょう。必ず」

僧侶が力強く言う。

「行くぞお前ら!!!!!!!」

勇者が叫ぶ。

「おう!!!!!!!!!!!!!!」

大賢者とバーサーカーと僧侶がうなずく。

勇者はどでかく豪奢な扉を開く。

さあ、始めよう。最終決戦を。俺の、俺たちの、全てを賭けて!!!!!!!!!!



扉の向こうには大広間が広がり、奥の階段の先に魔王はいた。

デカい椅子に座している。

魔王の姿はでかく、黒々とし、闇に染まっていた。呪われた杖を手に持っていた。

「よくぞここまで来た。褒めてやろう」

魔王は褒める。

「だがお前らはここで死ぬのだ。こいつのようにな」

魔王が指さす方向には先ほど殺されたのだろう、人間が横たわっていた。

勇者一行は殺された人間を苦しそうに見つめる。自分と同じ高みを目指し、そして散っていった者。勇者達はそれを察し、悲しんだのだ。

「返事がない、ただの屍のようだ」

俺はうつぶせのまま言った。

「くそっ! よくも!!! あそこにいる者の分まで、俺は背負いそして戦う! お前なんかに決して屈しはしない!!!」

勇者は声を絞り出す。

「ここで散れ! 魔王!」

勇者は叫びながら魔王に飛びかかる。それと同時に大賢者が大魔法を、バーサーカーが『暴走』を始める。

僧侶は仲間の援護魔法を、魔王に状態異常魔法をかける。

勇者とバーサーカーが魔王に激突する。

「なんのこれしき」

魔王は全体魔法と召喚魔法でそれを回避するも、召喚されたドラゴンは大賢者に動きを封じられる。

勇者とバーサーカーの剣戟が止まらない。

勇者パーティーの好戦一方。

「これが俺たちの、仲間の力だ!!!!!」

「おれたち、つよい。おれたち、さいきょう」

このままでは魔王が死んでしまう。

僧侶の援護魔法がやっかいだと踏んだ俺は、だがぐうたらをやめられない。

お、魔王の椅子が空いてるぞ。

俺は魔王の椅子でぐうたらするために移動魔法を使い、椅子までの座標を正確に計算した。

瞬間。

俺は魔王の椅子への転移を成功させる。

魔王の椅子から眺める勇者達と魔王の戦いは迫力満点だった。

その日俺は、勇者達と魔王の戦いの行方を見届けた。

ときたま魔王の大魔法や勇者の剣戟、僧侶の状態異常魔法などが飛んできたが、全部無効化した。




その日の結末は、5万年経た今なお、俺しか知らない。











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