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エピローグ

「それで、次期キャプテンは部員達に選ばせることにしたんですか。」

「ええ、自分達のリーダーは、誰かに勝手に決められるより、自分達で選んだほうがより信頼しやすいんじゃないかと思って。」

 体育教官室で、黒澤は佐藤と話していた。

 部員達は今、更衣室の中で次期キャプテンを誰にするか話し合っている最中だ。練習が始まる時間までに決めて、キャプテンはこの教官室に報告に来るよう言ってある。

「でも誰になるのか、ちょっと想像つきませんね。大賀君とかが有力なんでしょうか?」

「いやあ…どうでしょう。大賀はちょっと下級生にはとっつきにくいところがありますし。かといって小倉はもっと個人主義だし、柳がちゃらんぽらんなところがあるし、中野は少し頼りない…。」


「まあ、彼らの選択に委ねます。」


 何にせよ、これで西商は再スタートとなる。

 次の大会はウィンターカップ予選。県大会でベスト4以上に残れば、中国大会への切符を手に入れられる。そのためには、岡山の“四強”を打ち破る必要が出てくるだろう。

 無理ではない。そう黒澤は考える。幸いにも三年生は三谷一人で、戦力ダウンは大きくない。(最も、ウィンターカップには三年生も出場できるので、他校の中には全く戦力が落ちていない高校もあるだろうが。)

 このチームは、大きな伸び代がある。そのチームの監督として、選手達を指導していけることはとても幸せなことだ。

 この部が廃部にならなくて一番喜んだのは、ひょっとすると私自身かもしれない、と黒澤は思った。

 

 それにしても…いや実際、誰がキャプテンになるのだろう。

 部活動におけるキャプテンという存在は、時として監督よりも大きい。チームの未来を担っていると言っても過言ではないだろう。

 三谷は、唯一の上級生ということもあって彼がキャプテンをやることに異論を唱える人間はいなかったが、もし大賀がキャプテンをするということになれば、確実に小倉は反対するだろうし、逆もまた然りだ。しかし、度々練習を休む柳がキャプテンというのも難しいのではないか。中野はあまり強く意見を出せない性格なので、キャプテンには向いていないとも感じる。


 キャプテンとして選ばれた人は、この体育教官室に報告に来ることになっているが、これは……誰がこの扉を開けても、不安ではないか。


(…まあ、あまり不安がる必要もない。)

 キャプテンが誰になろうと、私は監督としてこのチームをまとめていく必要がある。リーダーに向いてないキャプテンがいれば、リーダーとしての能力が高くなるよう指導すればいいのだ。

(すごく大変なことだろうけど。)


 しかし、黒澤は非常に心が躍っているのを感じていた。


 さて、これからの西商バスケ部を、どう指導していこうか……。


 そんなことを考えていると、コンコンと教官室をノックする音が聞こえた。

「失礼しまーす。」


 軽快な声と共に、その扉は開かれた。

 





『西商バスケ部監督物語』ここまでお読み頂きありがとうございました!中途半端なところではありますが、これにて完結とさせて頂きます。

バスケの小説が読みたい!でもあんまりバスケ小説ってないな!じゃあ自分で書くか!というアホなノリで始まったこの作品ですが、如何だったでしょうか。いつも適当な勢いで書き上げていたので、僕的にはあまり満足していないというのが本音です。

一応次回作の構想は幾つかあるのですが、今度は一話一話更新していく方法ではなくて、完結まで書いたものをまとめて何処かにアップしようと考えていますので、多分、『西商』のような長編はもう書かないと思います。書いたらまたTwitterの方で告知するので、もし宜しければお読み下さい。(ちなみにTwitterの方のアカウント名はのぶゆき@バスケ小説です。)

それでは、今までありがとうございましたm(__)m


のぶゆき

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