第十一話 練習試合
西商
PG柳 167cm
SG小町172cm
SF小倉177cm
PF大賀184cm
C能勢 186cm
大芸一年
PG上原 170cm
SG早見 175cm
SF安部 183cm
PF山神 191cm
C 国富 190cm
「全部ちょっとずつミスマッチだな。」
圧倒的に高いという選手はいないものの、どのポジションでもこちらの方が身長は低い。さらにU-15で大鷲先生も期待しているという山神は191cmで、マッチアップする大賀より7cmも高い。ここを何とか止める戦術が必要だった。
「ヘルプ、ローテーションをしっかり声出して繋げていこう。リバウンドは全員で取る意識だ。運動量で勝っていこう。」
ゾーンディフェンスを練習する時間もなかった。とりあえず、選手たちに期待するほかない。
選手たちが中央に集まる。ジャンプボールに跳ぶのは能勢と山神だ。
「おっ能勢じゃん!久しぶり!」
気軽な声で話しかけてきたのは山神だ。端正な顔立ちをしている。
「あ、久しぶり。」
「お前、でっかくなった?まだ身長伸びてるんだ。てか、西商行ってたなんて知らなかったなー。お前ならうちでもやれたと思うぜ、正直。じゃ、お手柔らかにな!」
随分と早口でまくしたてて、握手を求めてきた。かなりの余裕が見てとれる。
審判役の三谷がボールを上げた。能勢も長い手足を存分に伸ばしてジャンプする。しかし、山神はその上をいった。大芸ボールで試合が始まった。
上原、安部、早見へとボールが渡る。速いパス回しだ。早見はボールを持って一回パスフェイクを入れた後、ドライブを仕掛けてきた。一歩目は小町が止めたものの、即ロールしてかわし、大賀のブロックを交わしながらダブルクラッチを決めた。初っ端から飛び出たスーパープレーに大芸ベンチは大きく盛り上がる。
「慌てんな。じゃ、こころちゃん。頼むよ。」
こちらのオフェンスのファーストオプションは小倉のアイソレーションだ。柳から右四十五度の小倉へとボールが渡る。
左ドライブ、止められる。ここでビハインドドリブルで顔を上げる。そしてクロスオーバーで再び左を抜こうとする。これも止められるが、小倉はステップバックしてシュートを放った。しかし外れる。
リバウンドを拾った上原から、前を走っている山神へロングパスが出る。完全フリーの速攻だ。
「見とけよ、これが山神だ!」
大鷲先生が叫んでいる。
山神はそのままトマホークダンクを叩きこもうとした。…しかし、ボールはリングに弾かれて、コートの外へ飛んで行った。
「やべえっ!!ミスった!」
山神は頭を抱えながら大芸ベンチを見る。大鷲先生が手招いていた。開始一分で交代だ。
その後西商は小町がスリーを決めて一点リードするも、すぐ早見がドライブで切り裂き得点する。次は大賀がローポストから強引にシュートに行くも、外れる。さらに今度は早見がスリーを決めて、7-3となる。
「早見って選手、速いし、素晴らしいスキルを持ってるな。小町じゃ荷が重そうだ。」
しかし、あのスピードについていける選手は五島くらいだろうが、おそらく五島はディフェンスをやる気はないだろう。交代は難しそうだ。
「小町のところカバーしましょう!」
田部がベンチから声を出している。田部、中野がかろうじて声を出しているうちのベンチと、大声で応援を続けている大芸ベンチが対照的だった。
続くオフェンスは能勢がファウルを貰い、ツースローを決める。小町は早見にべったりつくが、一瞬で振り切られて早見はゴールに走りこむ。上原がアリウープパスでそれに合わせるが、これに大賀も反応し止めに行く。しかし早見は接触を受けながらもそれを片手でタップしてシュートを決める。大賀のファウルが吹かれた。そして、ワンスローも決める。
開始三分で十点取る早見のオフェンスを止める術はないのか?もう一度、ベンチメンバーを見てみる。
「五島、お前、早見を止められるか?」
退屈そうにしていた五島は、驚いた表情でこちらを見てきた。
バスケの試合ばっかり書いているような気がしますが、この試合が終わったら練習のことなども書いていきたいと思ってます。




