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第七話 紅白戦3

「あいつらね、ディフェンスできるやつが能勢しかいないんだ。田部、小町も横の動きが遅いし、五島はディフェンスのやる気がないようにしか見えない。藤原もデブでパワーはあるみたいだけど、やっぱり動きが鈍い。」

「…で?その能勢のせいでドライブが何本か止められてるんじゃろ。一番ディフェンスを抜けてもその後のシュートが決まらんから苦戦しとるんじゃが。」

 小倉は自分も分かっていたといいたげな表情で反論した。

「それは、小倉がドライブからシュートうつばっかでパス出さんからやろ。ま、俺に任せろって。気持ちよくシュートうたせてやるよ。」

 柳はそう言って立ちあがった。休憩の時間の終わりを告げるブザーが鳴った。

「あと、先生もフリーならシュートうってね。」

 前半一本もシュートをうたなかった私に対して柳が言った。まあ、負けてる内なら私が攻めてもいいか…。

 一年生チームは三年の三谷のところに集まって作戦会議をしているようだった。三谷は作戦ボードを使って何かを指示している。


 後半は三年生ボールからだ。柳がトップの位置でボールを貰う。マークマンは五島だ。

 柳がドリブルのスピードを上げた。ストリートボーラーがやるような華麗なドリブルで股下、膝下を抜いていく。

「上手いもんすねー。」

「お前もやってみるかい。」

 五島に対して柳がボールを投げた。

「えっ?」

 そのボールは五島の手前で地面に当たると、前方にホップし、五島の股下を抜いていく。それを柳がすぐにキャッチしてレイアップにいく。五島は全く反応できない。能勢がヘルプに来るが、ビハインドバッグパスでフリーになった大賀に渡す。大賀は楽にシュートを決めた。

「やべえな…何アレ。」

 五島は笑うしかなかった。能勢がエンドから田部にパスした。

「次は止めよーぜ!」

 田部は元気よく声を出す。しかし田部が前を向いた瞬間、ボールが弾かれた。

「もらいっ!」

 柳のスティールだ。そのままドライブして、能勢のヘルプに対して、またビハインドバッグパス…ではなく、ボールを体の周りで一回転させて、レイバックを決めた。これで20-17。

「慎重に、慎重に行こう。」

 田部も声が小さくなる。まだまだだな…と黒沢は思った。一回のミスでポイントガードが弱気になるべきではない。

 

 小町がスリーを狙うも外れ、中野がリバウンドを取る。前を走る柳にパスを出し、小倉、柳、黒沢で速攻を仕掛けた。柳が今度は、ビハインドバッグパスに見せてエルボーパスを出す。しかし、ボールは走っていた黒沢の後に飛んでいった。

「何処に出してんだ!」

 黒沢は何とかキャッチするも、ディフェンスが戻ってきたので速攻は成功しなかった。

「先生、フリーやで。」

 黒沢は周りを見た。ディフェンスはまずゴールを守る意識で中央に集まっており、黒沢のいる左四十五度には誰もいなかった。黒沢は少し間を開けてからシュートをうつ。

 そのシュートの弾道は高く、綺麗な回転だった。そして、リングにかすりもせずに小気味良い音を立てながらゴールに吸い込まれた。

 このスリーで、同点になった。すると、三谷が声をあげた。

「次、言った通りにやれ!」

 一年のオフェンスは、藤原がローポストで攻めるもチャージングを取られ、またも失敗する。一年はすぐディフェンスに戻った。

「おっと…?」

 柳が一年のディフェンスを見た。…ゾーンディフェンスだ。1-1-3の形で守っている。三谷が教えていたのはこれだったのか。

「アウトサイドシュートが重要になるよー、先生頼むよー。」

「私は負けている時以外シュートをうつ気はないぞ。」

「マジっすか。いや、先生以外スリーうてる奴いないんですよ。」

 しかし柳は余裕そうな表情を崩さない。

 あのゾーンは、ゴール下に能勢をおき、さらに両ローポストにも二人いるので、ポストを張れないし、インサイドでの合わせのプレーがし辛い。コーナーからの攻めにも強い。さらにトップの位置に足の速い五島がいるので、リバウンドからすぐに速攻に移れる。しかし上のディフェンスが二人しかいない為四十五度やトップからのスリーには弱いが、相手にシューターがいなければ非常に強力なディフェンスになる。

「ゾーンに対するセットプレイの練習とかは今までやったことはあるか?」

「いや、あんまり…。そもそも今までいた顧問で俺達にちゃんと教えてくれる人はなんていなかったし。」

「そうか…、分かった。なら、俺がゲームメイクをしよう。」

 


忙しい日が続くので、次の更新はちょっと遅くなるかもしれません。

♯五島の名前が後藤となっていたのを修正しました。

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