第五話 紅白戦1
余計なことを分かりづらくいくらか書いているので、読み飛ばし推奨です。
「よし、皆集まったな。今度は騒ぐんじゃないぞ。発言する時は手を挙げるんだ。」
「先生ってなんか教室の時と雰囲気違いますよね。」
そう言ったのは一年の五島だった。私は彼のクラスの副担任を務めている。大鷲先生の影響を受けているのだろうか、確かに授業中はにこやかに生徒に接しているが、今は常にしかめっ面をしている。
「言ってるそばから要らんことを言うんじゃない。えー…本来ならもっとしっかり練習させて、その姿を見て君たちがどれだけの選手なのかを見ていきたいと思ってたのだが、ごたごたしたせいで時間があと三十分しかない。なので、十分はアップの時間にして、残り二十分で紅白戦をしたいと思う。それが手っ取り早いと思うからな。」
本来なら、平日はまずバドミントンが三十分練習して、そこから男バスと女バスが練習する。その練習する時間が特殊で、偶数の日は男バスが二時間半使って女バスは一時間半使う。(男バスが一時間オールコートで練習できる。)そして、奇数の日はその逆という形になる。ただ、今日は奇数の日だったが、三十分だけ女バスに無理を言ってオールコートを使わせてもらうことにした。
「紅白戦?ええと先生、今バスケ部は僕が怪我してるんで全員で九人しかいないんですよ。一人足りないじゃないですか。」
「その穴は私が埋めよう。ふふ、お前らは私のことをただのチビのおっさんだと思っているのかもしれないが、私は大芸高校のバスケ部にいたんだ。お前らに引けを取らない自信はある。」
おお、と部員達から声が漏れた。大芸高校は山岡県で何度もインターハイに出場している強豪だった。山岡県のチームは皆大芸高校を倒すことを目標にしていると言っても過言ではない。これで部員達も私のことを尊敬してくれるだろう。
「あの身長で…。」
「マネージャーだったんじゃないか?」
「先生はスタメンだったんですか?」
「…いや、ベンチウォーマーだった。試合には一度も出してもらえなかったけどな…。」
しまった、いらないことを言った。部員達から「なるほど…。」という空気が流れ始めている。その場を取り繕う様に大きな声で言った。
「Aチームが私と二年生。Bチームが一年生だ!さあ、早くアップを始めるぞ!」
「…なあ。」
「うん?」
ストレッチをしている最中に、小倉が柳に声を掛けた。
「大芸高校の部員って四十人ぐらいいるよな?」
「あー、いっつも観客席にもたくさんいるな。それがどうしたって?」
「いや、あのおっさん。あの身長でベンチに入ってたってだけでも、結構すごいんじゃねぇか…?」
「いやあ…、うん、雑用係とかそんなんじゃね!?」
柳は軽口を叩いたが、すぐ真面目な顔になって言った。
「…まあでも、あのバッシュを見たら相当練習したんだなってのは分かる。」
黒沢が履いていたバッシュはもうボロボロで、使える限界の状態のようだった。
「アップ完了したな、じゃあ始めるぞ!」
黒沢がコートの中央で号令を掛けた。
次、やっとバスケを書きます!
ちなみに黒沢は自分のことをおっさんと呼んでいますがまだ25歳です。




