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TRUTH  作者: 黒狐
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第二十七話 先攻に潜む穴

 



そのショットで黒玉はポケットに落ちた。

黒玉 残り6個

「これであと4個、あと4個」

 男はまた静かに構えた。

 男はもう、汗でびっしょり濡れていた。

「はぁ……はぁ……はぁ………」

 よーく、狙って、白玉を打った。

 その打った白玉は勢いよく黒玉に当たった。

 黒玉はポケットに入ったが、白玉は台の上をまだ動いていた。

 そして、その白玉はポケットに向かっていた。

「お、おちるなっ!」

「ふっ」

 しかし、白玉は止まらない。

 動き続ける。

「や、やめろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

 男は必死に叫んだ。

「ふふっ……命拾いしたな」

 賢吾はソファーにもたれ掛かった。

 白玉はポケットの手前で止まった。

「ふー……はぁ、はぁ、はぁ」

 男は地面に座り込んだ。

黒玉 残り4個

「ふふふ…まさかここまで来るなんてな」

 賢吾は台に近づいて、いつも通りすぐに打った。

 そして、綺麗に黒玉をポケットに落とした。

黒玉 残り3個

 賢吾は白玉を簡単に打った。その白玉は黒玉に当たって、黒玉は台の端に触れた瞬間に止まった。


「やはり、これが目的か……」

 斗真は呟いた。

 そう、今回一つの変化があった。

 ただ単に落とすだけでもいいように見える。

 しかし、玉を落とすともう一度打つチャンスが生まれる。

 しかし、自分が落とすと決めた玉をすべて落とした場合、一回のチャンスが無駄になる。いや、そのチャンスの必要はなくなるのだ。

 賢吾にはもう一回打つことが許されている。

 その一回はいつも軽く打ってた。

 今回も簡単に打ったのだが、少しいつもと違った。


 賢吾の晩は終わった。

 黒玉をポケットに落としてから賢吾は挑戦者の男へと近づいた。

「さて、後三つになった。そして、さっき見てってわかった。お前は確実に負けるっ!!!」

 賢吾は不気味な笑みを浮かべながら言い放った。

「ふ、ふざけるなっ!もうお前にーーー」

「無理だ。君には無理だ」

「くそっ……」

 男は台へと向かった。

 残り三つを落とせば、五億が手に入る。

 しかし、入らなければ、負けがほぼ確定してしまう。

 もっともプレッシャーがかかる最後の番が回ってきたのだ。

 全てが決まる番へと……

 そして、男はいつもよりももっと慎重に構えた。

 一分くらいじーっと構えていた。

 そして、白玉を打った。

 その白玉は黒玉に当たって、綺麗にポケットに入った。

黒玉 残り2個

 よし、これならいけるっ!

「良かったな、入って。しかし、今、手が震えてた。入れられるかな?残り二回。ふふっ……」

 そうして、男から離れた。

 ふざけるな、勝つのは俺だ。あいつはただ俺を揺さぶろうとしているだけだ。俺はやり直すんだ。人生をっ!!!

 そして、男は構えた。

 あと二つ、あと二つ、あと二つっ!!!

 男は白玉を打った。

 そして、白玉は黒玉に当たり、黒玉はポケットに向かっていった。

 その玉は少し動くスピードが速かった。

 黒玉はポケットの横の壁に当たった。

「あっ!!!」

「ふっ、駄目だな」


 起こってしまった。相手のミスが。

 毎回毎回、賢吾は相手にプレッシャーをかけていた。その効果が今出たのだ。

 賢吾の毎回の行動には意味がある。

 それを考えればすぐにわかる。

 賢吾の勝算の確信を考えると……


 黒玉は逆側ポケットに向かったが、向かっている位置が違った。

 入らなかったポケットの逆側のポケットと逆側のポケットの間に向かっていたからだ。

 でも、まだスピードは多少あった。

 黒玉は予想通り、壁に当たった。

 しかし、その玉は最初に入らなかったポケットの横に向かって転がりだしたのだ。

 黒玉はどんどんスピードを落としつつあった。

 「よしっ、いけ、いけっ!いけぇええええええええええええええええええええええ」

 男は力いっぱい叫んだ。

 そして、黒玉はポケットの目の前で止まりかけたが、ポケットに入ったのだった。

「は、入った。入ったっ!!!入ったぞっ!!!!!」

「はしゃぐなよ、まだ一つある」

「威張ってるのも今のうちだ」

「さて、どうかな?このゲームには後攻にも対抗策はある」

「何っ!?そんなの」

「しかし、この策は達人には通用しない。どういうことかはわかるよな?最後の黒玉は台の端っこにくっついている」

「だ、だからどうした」

「ビリヤードでは難しいショット。君には出来るかな?だから君の負けなのだ。わかったか?ふふっ」

 笑みを浮かべて、またソファーに奥深く座った。


 そう、このゲームには後攻にも、必勝法がある。

 黒玉を三つ落とさせなくすればいいのだ。

 兄さんは、このときを狙っていたのだ。

 プレッシャーをかけさせ、ショットの成功率を下げる。

 兄さんの勝ちに大きく傾く一手だ。


 男は打つ構えをした。

 それから、三分くらいかかっていた。

 そして、その男は白玉を打った。

 すべてが決まる瞬間が訪れた。

 白玉は黒玉に当たった。

 黒玉はポケットに向かって動き出す。

 しかし、ポケットに向かう角度が違った。

「う、うわあああああああああああああああああああああああああ」

「ふふっ、あはははははははははははははははははははははははは」

 絶望と喜びがその会場に響き渡った。

 そして、その黒玉は、ポケットには入らなかった。

「ふっ、残念でしたね」

 賢吾はそういって、今まで通り簡単に黒玉をポケットに落とした。

 そう、賢吾は宣言通り勝ったのだ。

 まるで当たり前のように……

「では、またのお越しをお待ちしております。ふっ」

 賢吾は会場から去っていった。





さて、早くも『リミットビリヤード』が終了いたしました。

前回のゲームと違い、一番短いゲームだったと思います。

そして、初のビリヤード経験がいる、実力が必要なゲームだったと思います。

お楽しみいただけたでしょうか?

今回はとても書きにくかったです。

ポケットに入るや、打つ構えをするなどの繰り返しが何か嫌でした。

わかりやすかったとは思います。


そして、ここで皆さんに、私、黒狐から重大発表がございます。

えー、今回この回の話を持ちまして、この小説に一度、ピリオドを打たせてもらいたいと思います。

この小説を読んでいただいた皆さん、五ヶ月という長い時間お付き合いいただき本当にありがとうございました。

本当に私のわがままではございますが、少しの間、お休みをさせていただきたいと思います。

そのような決意をしたのには理由があります。

一つ目は、時間の問題です。ゲームに不備などがあった場合、更新が出来ないことがたくさんありました。

二つ目は、この小説の醍醐味であるゲームの案や、すごいっ!という攻略法が浮かんでこないと言うことです。

三つ目、私、黒狐に文章力が無かったということです。

その三つが大きな理由です。

 なので、この小説にピリオドを打つことを決意しました。

 しかし、すぐに終わるというわけではありません。

 あと一話、多ければ二話を書いて、完結とさせていただこうと思います。

 でも、いつか『(仮)TRUTH season2』を制作したいと思います。

 その日までお待ちいただけたいと思いますが、そんなに簡単にいくことではありません。なので、また一から頑張っていこうと思います。

 小説を完結させるということはとても大切です。しかし、アイデアが無いからといって、質を落とす訳にもいけません。質を大切にするということが黒狐のモットーです。

 ご迷惑をおかけして本当に申し訳ございません。

 そして、ラスト一話は来週、更新したいと思います。

 これはフィクションではございません。

「なんちゃってー」とも言いません。

 本当のことです。

 また、詳しいことは次の話の後書きに書かせていただきたいと思います。


 黒狐の愚痴など聴きたい方はツイッターでも聞けるので、そちらの方で楽しんでいただければ光栄です。http://twitter.com/#!/Black_fox37

どんどん愚痴をつぶやいていきますっ!


感想などお待ちしております。

誤字・脱字報告もお願いします。

評価の方もよろしくお願いしますっ!!!!!!!


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