第二十四話 計画通り
「兄さん、チェックメイトだ」
斗真は賢吾に言い放った。
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「……ふっ、ふふっ、くっくくく、あははははははははははははははははははははは」
賢吾は狂うかのように笑い始めた。
部屋全体に響き合った。
「おいっ、てめぇー。勝てるはずじゃなかったのかよっ!!!」
トダは賢吾の胸ぐらを掴んだ。
「はぁ、はぁ、はぁ……ああ、俺は勝つ。いや、計画通りさ」
賢吾は笑みを浮かべた。
「なっ!」
「最初から俺の思うように駒は進んでくれた」
「なっ、兄さん……何をした?」
「結果を見ればすぐにわかる。ディーラー、結果を続けてくれ」
そう言ってソファーに腰を沈めた。
『わかりました。では、改めて赤のボックスの玉の数を発表いたします』
42個は確実にあるはず、七回目の投票の時、最後に投票室に入ったのは、俺だ。隠していた玉の数もすべてあった。そして、俺が最後の投票の時、みんなの注目を集めた。そのうちに月城さんが投票室に入り、俺たちが隠していた玉を全て投票したはず。そして、赤のボックスには42個の玉が入った。イシダやトダの様子から見て演技ではなさそうだ。もし、兄さんが玉を隠していたとしても、俺たちはあの投票室を隅から隅まで探した。どこにも無かったはずだ。いったい、兄さんはなぜあそこまで自身を持てるのか?月城さんに裏切りが無い限り、無理だ。そんなことがあるはず無い。今は月城さんを信じるしか……大丈夫だ。
『赤のボックスの数……45個』
その時点で斗真の負けは無くなった。
そして、賢吾のチームの人たちは嘆くものや、泣くものなどがいた。賢吾は相変わらず、笑みを浮かべながらソファーにどっしりと座っている。
「なっ!!!」
斗真は驚きを隠せなかった。
「やりましたね、斗真さん……斗真さん?」
希は勝ちを喜んでいた。
しかし、斗真は前の画面をひたすら見つめていた。
「斗真、どうしたの?」
「45個…おかしくないか?」
「確かに投票したのは42個のはずだったけど、誰かが入れたんじゃない?」
「入れるときは七回目と八回目の二回しかありえない。そんなタイミングで誰が入れる?」
「誰かが裏切ったんじゃないですか?」
「裏切る?向こうに何のメリットがあるんだ」
『では最後に黄のボックスの玉の数……28個』
斗真達の勝利は決まった。しかし、素直に喜べない。それはひとつの疑問が残っているからである。入るはず無い3つの玉……
『よって、勝者は青のボックスに投票したフカミトウマ様、ツキシロノゾミ様、フカミユリ様、そして、黄のボックスに投票されたフカミケンゴ様の四名が勝者となります。そして、お一人様の賞金は、二億二千五百万となります』
「なっ!」「「えっ!」」
そ、そういうことだったのか。俺たちはまんまと賢吾に踊らされていたんだ。黄のボックスなんて、青を投票可能にするものだと認識していた。それが間違っていたのだ。
そして、賢吾の勝つという言葉は本当だったんだ。あの自信も。
「兄さん……」
「馬鹿がっ、今頃気づいたか……
後ろから賢吾は声をかけてきた。
「人を信用する、協力なんてするから負けるんだ」
「……」
「そんなことないですっ!!!」
「ほう、君が斗真を変えたのか。ふっ、よくそんなことができたな、それとも何か目的があって近づいたんじゃないのか?」
「違いますっ!!!!!」
「まあ、どっちでもいい…確か斗真はこのゲームを潰そうとしているらしいな。でも、そんな甘さでは俺には勝てない。組織にも勝つことなんて絶対出来ない!!!」
「……」
斗真は賢吾をただ見ているしか出来なかった。
「そ、そんなこと無いですっ!!!」
「ほう、たいした自信だな。じゃあ、ここまで来るのにいくら稼いだ?」
「…ぜ、ゼロです」
「ふっ、負けた人の分も自分で払ったのか?」
「はい」
「ふっ、甘いね、甘すぎる。ちなみに俺は……十七億だ。そして今回を合わせると十九億二千五百」
「なっ」「「えっ」」
「そう、全てゲームで俺は全て一人勝ちなんだ。しかし、今回は一人勝ちは出来なかった。残念だよ」
『これで四回戦を終了とさせていただきます。四回戦の詳細は後日にお送りします』
するとKRONOSの関係者はすぐにこの部屋から出て行った。
「あっ、そうそう。このゲームの主催者、俺だから」
「け、賢吾…あんた、何言ってるの?」
「もちろん、本当のことだ。そして、このゲームのルールは参加者と同じタイミングで知らされる。そして、チーム分けも部下に任せている。俺は参加者と同じ立場でやっている
。もちろん公平だよ。ふふっ、今回は退屈じゃなかったな、面白かったよ…斗真」
「…兄さん」
斗真は拳を強く握った。
「あと、次のゲームは多分斗真と当たらない。俺はランダムで誰と戦うか抽選で決まる。だから今度戦うときは楽しみにしてるよ、今度は全力で潰しにいく……ふふっ………」
賢吾は部屋から出て行った。
「斗真さん……」
希が横に近づいてきた。
「悪い、一人にしてくれ」
俺はただ俯いていた。
今はそれをしか出来なかった。
兄さんは一人勝ち出来なかったんじゃない。
しなかったのだ。
協力というのがおかしかったんだろうか?
人は信じては生きていけないのだろうか?
嘘が必要な世界なのか?
前のように仮面をかぶった生活の方が正しかったのか?
すべては嘘にまみれた世界に戻るべきなのか?
もう何がなんだかわからなくなった。
さて、第三回戦が終了いたしました。
これまでで一番凄かったと思います。
時間がかかった上に、いくつもの矛盾がありましたからね。
さて、次回からは第四回戦に入っていきます。
今回みたいに書いて更新、書いて更新という形よりも、書いて書いて書いて、更新更新更新のような形にしたいと思います。
第四回戦からは読者の作ったオリジナルゲームに私が少し、改良を加えたゲームが登場します。
メインゲームは黒狐のオリジナルゲームです。
四回戦ではどんなゲームが登場するのか?
そして、新たなるKRONOSの過去、秘密がっ!
お楽しみにっ!
ゲームの案も募集してます。
私が面白そうだと思った、話に合うものはバンバン採用していきたいと思います。
これからも応援よろしくお願いします!
以上、今から絵の具を使う黒狐でしたwww
大学の宿題です。
めんどくせぇー。
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