第十七話 第三回戦 天国と地獄ゲーム
第二回戦が終わってから斗真はいろいろな事を考えていた。
KRONOS………何か引っかかる。何か、わからないが頭の中で引っかかっている。
そして斗真にはもう一つになる事があった。
それはーーー
ピンポーンーーー
家のチャイムが鳴った。
俺はKRONOS関係の人だと思った。なぜならこの家のチャイムが鳴ったのはKRONOSへの参加の手紙をもらったときが久しぶりだからだ。
月城さんという可能性もあるが、俺は自分の家を教えていない。
だからこの家のチャイムを鳴らす人はKRONOS関係の人しかいないだろう………
ガチャーーー
「はい」
「ヤッホー!元気?」
開いた扉から顔を出したのは姉さんであった。
どうやら予想はかなり外れたようだ。
そして俺は姉さんを家の中に入れた。
「へぇー、まだ全国模試で一位取ってるんだ」
優里は机に置いてあった模試の結果の紙を見ていった。
「まあね。それで、どうしたの?姉さん」
「少し聞きたい事があるの」
「聞きたい事?」
「斗真はなぜこの大会に参加したの?別に強制参加じゃなかったはずだと思うけど」
「えっ…」
「どうかした?」
「俺は父さんの莫大な借金の肩代わりとして参加した……もしかして姉さん、知らない?」
「知ってるわよ、詐欺師に騙されたときのことは斗真も知ってるはずでしょっ!」
「そんな金額じゃない……」
「そんな…金額じゃない?」
「五億だ」
「えっ!」
斗真は立ち上がり自分の部屋にあるタンスを探り始めた。
「騙されてるんじゃない?」
「いや、ちゃんと借用書もある」
そして斗真は優里の前に一つの紙を見せた。
「そして、父さんの字だ」
優里はそれを隅から隅まで目を通した。
「じゃあ……父さんは詐欺師に騙されて死んだんじゃない………」
「このKRONOSに殺されたんだ……俺はそうだと思う………」
「じゃ、じゃあこの大会に私と斗真が参加したのは偶然じゃないの。そしたら賢吾もっ!!!」
深見賢吾。賢吾は俺の兄である。深見家の長男だった。姉さんと一緒であの日、父さんが死んだ日から連絡を一切取っていなかった。
ピンポーンーーー
次こそKRONOSだと俺は思った。
そして俺はドアを開けた。
そこにいたのはやはりKRONOSの関係者であった。
その男はいつも俺にKRONOSの招待状を渡したあの男であった。
「第二回戦突破おめでとうございます。おや、今日は深見優里様も一緒ですか。ちょうどいいので、お二人に第三回戦の招待状をお持ちいたしました」
その男は二つの黒い封筒を斗真と優里の前に差し出した。
「第二回戦の結果があなたの答えなのですね」
「KRONOSはいつから始まったっ!」
「その質問にはお答えできません」
「じゃあ、深見賢吾はこの大会に参加しているのか?」
「その質問にもお答えする事は出来ません」
「くそっ!」
斗真は自分と優里の封筒を奪うように受け取った。
「絶対お前達には負けねぇ。俺がこの腐った大会をぶっ潰す!!!」
「ふふふ…ははははははははは………楽しみにしていますよ」
男は不気味な笑みを残して、この場から去っていった。
その姿を俺は睨むしかなかった。
遅くなってすいません。
これからは不定期に更新していきます。
今回は斗真の過去について少し触れてみました。
第三回戦の天国と地獄ゲームは結構力作になるのではないかと思っています。
土日に頑張らないとっ!
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