第十五話 決着
『ではその正解した3名を発表いたします。その3名は・・・・・・
フカミ様、ツキシロ様、フクヤマ様です』
「なっ!・・・・・・ち、違う!間違いだ!そっちの間違えだ!必ず合ってるはずだ」
「モウリ」
部屋に斗真の声が響いた。
「間違えているのは・・・・・・お前だ」
「・・・・・・何?」
「みんなから集めたデータの中はすべてが正しかったのか?」
「全部合っていた。枚数も何もかも!」
「ああ。すべて合っているはずだ。でも不正解だった理由は、俺達がモウリさんに嘘の数字を教えたからだ」
「どうやって!抜いた数字なんて誰も持っていないし、交換する事は禁止だったはずや」
「ああ、そうだ」
「じゃあ、どうやって!」
斗真はポケットから手を出した。その手には1から10まで赤色と黒色のトランプを手にしていた。
「な、なんでそんなものをもっとんねん」
「それはここのディーラーに用意してもらったからだ」
「なっ!」
「でも全く同じ物のはなかった。だが」
俺はカードをひっくり返した。そのカードに裏の模様が明らかに違った。
「なっ!」
「裏の模様が違うものを使ったのさ。そして俺はお前達が使った策を知っていた」
「でもどうやって抜いた一枚がわかった?」
「まずは最初に三人でカードを見せ合った。その後に、フクヤマさんのチームの三人のカードを知らせてもらった。その結果はすべてバラバラの数字だった。その結果により6枚のカードが把握できた。そして俺と月城さんのカードは1組重なっていた。そしてモウリさんのカードを見せてもらい、その時点で9枚のカードが把握できて答えがわかった。一応そのカードが偽物かどうかも確認した。俺達はモウリさんとカードを見せるときに俺と月城さんが重なっていた1組のカードをその抜かれた数字とすりかえた。そしてモウリさん達は僕たちの罠に引っかかった」
「それじゃあ、俺たちが見せ合ったときに抜けていたカードはまだ分からなかったはず!」
「ああ、その通り」
「じゃあどうやってっ!」
「俺達が見れなかったところのチームの人のマツモトさんをチームに加えたのさ。そしてその抜けた数字が分かったんだ。あんたが来るまでの10分間にね」
「なにっ!」
フクヤマが斗真とモウリの会話の間に入って、しゃべり始めた。
「しかし、フカミさんが外に出たのを目撃されるのはとても危険なこと。だからマツモトさんを味方に付けたのは私よ」
「だから俺達は全ての情報を誰よりも早く知ることができた」
斗真はモウリに近づいていった。
「俺たちの勝ちだ」
「くっ、くそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
モウリさん達は床に崩れ落ちた。
『勝者のフカミ様、ツキシロ様、フクヤマ様には賞金の3億円を差し上げます』
斗真と月城とフクヤマの目の前に9つのアタッシュケースが置かれた。そして黒服の男がアタッシュケースを開けた。そこのアタッシュケースには1億ずつ入っていた。
『三回戦の詳細は後にお送りします。ではこれで終了とさせていただきます』
するとKRONOSの関係者はすぐにこの会場から出て行った。
「皆さんにお話があります」
希が言った。その声は部屋に響いた。
「皆さんの6億円は、皆さんにお返しします」
「「「「えっ!」」」」
「でも約束して欲しいことがあります。その約束はみんなを信用できるようになってください。それだけです」
「な、なんでそんなことを」
「みなさんはただこのゲームに巻き込まれただけじゃないですか。だから・・・・・・・・・」
「ほ、本当にごめん・・・騙したりして」
モウリは泣きながら俺達に土下座をした。それにつられてキツカワとコバヤカワも土下座をした。
「あ、頭を上げてください」
希は三人の頭を上げさそうとしていた。周りは泣いていた人やうつむいていたりする人がいた。
「皆さん、お金を受け取ってください」
「あ、ありがとう・・・本当に、ありがとう」
モウリは希の手を握った。
それからも他の人から何回もありがとうを言われ続けていた。
フクヤマは微笑んでいた。
斗真はうつむいていた。
大学が本格的に忙しくなってきました。
なので後書きを書いている力がありません。
次回が第二回戦の最終話です。
第三回戦を書くのが心配になってきました。
まあ、その辺りは明日に、ということで。
早いですけどこの辺でっ!
感想、アドバイスなどお待ちしております。
誤字・脱字報告も出来ればお願いします。