第一話 幕開け
第1回戦 リクトリスゲーム
「人に嘘をついてはいけません」
親や先生などから一度は言われたことはあるだろう。
そんなことを守っている人なんていないだろう。
なぜならーーー
人間は嘘をつく生き物だ。
自分の利益のためであれば平気で嘘をつく。
信頼していた友達も親も誰でも、皆誰もが嘘をつく。
こんな世の中では信頼することも信頼させることもできるわけがない。
綺麗事だけでは生きてはいけない。
綺麗事だけでは変わらない。
頼っているだけでは生きてはいけない。
頼っているだけでは強くなれない。
強者だけが上にいけ、弱者は強者に虐げられる。
これが社会なのだ。
これが現実なのだ。
これがルールなのだ。
これがセカイなのだ。
ザァアアアアアア―――
激しい雨の音が部屋に響き渡っていた。
街頭の明かりが部屋を照らしていた。
部屋には畳が敷いてあった。その部屋にはテレビ、タンス、テーブルなどが置かれていた。
その部屋では家族がテレビを見たり、食事をしたり、話し合ったりしている部屋であった。いわゆるリビングというものであった。
今、その部屋には父が寝ていた。布団や枕も何も敷いていないところで寝ていた。
部屋の床は赤色に染まっていた。
部屋からとても生臭い臭いがした。
父の腹の辺りはとても真っ赤だった。真ん中にはキラッと光るものが立ててあった。銀色にひかり輝いていた。
その光が俺の顔を照らしていた。
部屋の真ん中で父親が死んでいたのだった。
血の池で倒れているかのように
俺はただ呆然と立ち尽くしているしかなかった。
雨はまだ降り続いている……………
「はっ!」
深見斗真は布団から勢いよく起き上がった。
「はぁ・・・はぁ・・・・・・夢か・・・・・・・・・」
俺は頭を軽く押えた。
その部屋はボロアパートといってもいいほどの小ささだ。さらに車が走っている音や隣の部屋の人の声や音なども分かってしまうような壁の薄さ。キッチンとお風呂が付いているがかなり小さい。その代わり家賃はとても安い。
それがこの部屋の特徴といってもいいだろう。
部屋はとてもすっきりとしていた。家具はタンスが一つ、机が一つだけであった。家電も電子レンジ、冷蔵庫、炊飯器、テレビくらいだ。家電といっても皆古いものだらけだ。テレビは知り合いから譲ってもらったものだ。ぐちゃぐちゃになっていることもないすっきりとした部屋だった。
そんな部屋に高校生の斗真は一人で暮らしていた。
机の上には全国模試の結果が無造作に置かれていた。そこには一位と書かれていた。全ての科目、そして総合も一位。さらには全てが満点という結果だった。
斗真は起きるとすぐに支度をして部屋を出て行った。
出かけた目的はバイトである。
斗真は中学生の時に、とある事情で家族はバラバラになってしまった。そのせいで斗真は毎日の時間がバイトで埋め尽くされている。なぜなら彼にはお金がないからだ。そうでないと生活がやっていけないのだ。
斗真は塾には通ってはいない。家庭教師も雇ってはいない。自己学習でここまできたのだ。努力の賜物といってもいいだろう。
高校は特別優待制度で入っているので授業料も払わなくてよい。バイトをしているが勉学はもちろんおろそかにはしていない。テストでは毎回一位を取り続けている。しかも全て満点だ。
だれにも文句は言われないはずだ。
今日のような休日はバイト三昧だ。
遊ぶ暇など一切ない。
そしていつものようにバイトが終わり、家に帰宅をしていた。外はもう真っ暗だった。暗闇を少しだけ照らしてくれる街灯には虫が集っていた。
そんな人通りが少なく、薄暗い道を通っていた。
そしてアパートに着くと玄関の前に誰かが突っ立っていた。俺と目が合うとその人は俺に近づいてきた。
「深見斗真だな」
その人は俺に言ってきた。その人は黒いスーツを着た男の人だった。
「・・・・・・なんですか?」
その男は俺に黒い封筒を差し出してきた。
その黒い封筒には、フカミトウマ様と白い字で書かれえていた。
俺は黙ってその封筒を受け取った。
そしてその中身を見た。封筒の中には二枚の手紙と黒い小さな箱が入っていた。一枚目の手紙にはこう書かれていた。
フカミ トウマ様
KRONOSへの参加をお報告いたします。
KRONOSとはゲームの頂点を決める戦いのこと。
大会の勝者にはKING OF KRONOSの称号、そして副賞として500億円を与えられる。
優勝までの間に行うゲームに勝利することによって金を手にすることができます。
優勝資格はゲームに勝ちつづけること。
この大会への詳細は別の手紙に書かれてありますのでそちらのほうをご参考ください。
なお、不参加の場合は罰金として1億円を支払っていただきます。
我々はどんな手段を使ってでも金を回収しますのでお気を付けください。
「もう一枚には開催日程と時刻、場所、注意事項が書かれている。そして箱の中にはネームプレートが入っている」
「……俺はこんなふざけたものに参加しない」
「あなたはこの生活から抜け出したいと思わないのか?」
「ああ、抜け出したい。でもこんなわけもわからない大会に賭けたくはない」
「そうですか」
「ああ」
男はポケットからひとつの紙切れを出した。
「ではこの借金はどうして払ってもらえますか?」
「借金?」
男はひとつの紙を見せた。
「なっ!」
男が見せたのは斗真の父さんの借用書だった。その金額はなんと5億円だった。
「どうしますか?」
「くっ・・・・・・」
「ふっ、ではこちらにサインを」
男はペンを俺に差し出した。
「ふざけやがって」
俺は大会に参加するしかなかった。
それしか方法はなかった。
「一つだけ注意はしておくが・・・・・・逃げられると思うなよ」
するとそのときに勢いの強い風が通り抜けた。
そしてその男は歩き出した。
俺は呆然と突っ立っているしかなかった。
斗真の拳は強く握られていた。
そうして俺はKRONOSの開催場所の前まできていた。
来てしまった。
来るしかなかったのだ。
どうすることも出来なかったのだ。
これから長い戦いになることを斗真はまだ何も知らなかった。
どうも黒狐です。
はじめてのオリジナル作品です。
二次創作で
『ザ・クイズショウ~ひぐらしのなく頃に~』
という小説も作っています。
良ければ見に来てください!
僕は心理戦や頭脳戦が大好きらしいですwww
さてこの小説なんですが、一年前に受験勉強と同時に進めていましたwww
ライアーゲームにハマっていたときです!
最近ではカイジにハマっています!
ゲームはもちろんオリジナルなので安心してください。
それを考えるのがとても難しいので少し更新が遅れるかもしれません。
二つのゲームは出来ているのでしばらくは遅れることはないかもしれません。
更新を続けられるようにがんばりたいと思います。
今回は謎が多すぎる始まり方です!
気になりますねー!
次回はゲームのルール説明の予定です。
本格的な頭脳戦は3話くらいからです。
ライアーゲームやカイジ的なゲームを募集していますwww
最後までお付き合いしてもらえれば嬉しいです。
誤字・脱字があれば教えてもらえるとありがたいです。