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3話 異星人ブルバド

奇抜な格好をした男はこの怪しい本、そして謎の能力についての話を始めたのであった。


「まずは、自己紹介からいこう。俺の名前はブルバド。地球人ではない。異星人だ。俺の住んでいた惑星では戦争が起こったことにより崩壊状態になったので地球に避難してきた。」


奇抜な男はブルバドという名前らしい。

私は早速、ブルバドが何を言っているのかもわからなかった。何?異星人だって?戦争?崩壊?地球に避難?なんなんだ。

「はいはーい!俺も自己紹介していーい?俺、御琉土(ごるど) 乱朱(らしゅ)って言うんだけどさー。あ、姉ちゃんの名前なんて言うのさー?」

チャラ男も何故か突然自己紹介をし始めた。

「人殺しは黙ってろ!トラブったやつを消し炭にするわ、自分以外に能力持ってるやつが許せないから殺すだとか!怖いんだよあんたは。もう何もするな!」

「まあまあ、落ち着け。俺の能力でこの御琉土って奴の敵意とか殺意もゼロにしといたから。もう安全だぞ。それに、これから関わる以上名を聞きたい。お前の名はなんて言うのか?」

羽羅(ぱら) (めぐみ)ですけど…」

「めぐみちゃんっていうの!!可愛いー!!」

御琉土はさっきの姿が嘘かのように性格が変わっていた。

「あの、ブルバドさん?あなたの洗脳する能力、とてもすごいよね。コイツまず何とかしてくれないかな?超キモイんだけど。」

ブルバドは、まあまあ。と苦笑しながらも話を続ける。

「んでだ、俺が昔住んでいた惑星ではな、とある邪悪な魔術師が居たんだ。」

「魔術師?」

「ああ。俺も、俺が住んでいた惑星にいた人間も、本来のお前たちと同じように超能力とかが使えなかったんだが、その魔術師が開発した"本"によって超能力を使えるようになった奴が増えて…そこから超能力を使った戦争にまで発展してしまったんだ。」

「なんだって!?じゃあ…最強は俺だけじゃねえのかよ!」

「御琉土、アンタは黙ってて。って…ちょっと待って!本って。私が図書館で見つけた物とか、御琉土が拾ったやつと同じ物ってこと?」

「ああ、そうだ。魔術師は戦争で一通り俺たちの居た惑星を荒らしに荒らしまくった後、他に住めそうな惑星を探し、地球へと向かった。奇跡的に戦争で生き残った俺は後を追ったんだ。その男は、その本を世界中にばらまいた。」

「じゃあ、俺が拾ったやつはあの魔術師がばらまいたやつなんじゃね?」

「ああ、そうだ。それに、その本には恐ろしい特性がある。それは、『本を読んで超能力を得ると暴走状態になり、本によって得た能力をもつ者同士で争いを始める』という特性だ。御琉土も暴走状態だったから羽羅ちゃんを攻撃したんだ。でも、さっきも言ったが俺の洗脳能力、精神呪縛(マインド・バインド)で正常な状態に戻したぞ。」

「なるほど…ん?でも私は能力を持つ人と戦おうとか殺そうとかは思わなかったよ。ブルバドと会った時も暴走状態にならなかったし。むしろ能力を得たことを信じられずに気分が悪くなったし。」

「ああ、それは、対魔術師側の本を手に取ったからだな。だから図書館であの時俺は"計画"に協力してもらう、と言ったんだぞ。」

「対魔術師側の本…?」

ブルバドは話を続けた。

「ああ、あの魔術師に対抗するための本だな。魔術師が作った本を改造して、暴走状態にならずに能力を得るアイテムだ。ちなみに俺もこれを使って能力を得た。」

「そうなんだ…本の改造って?ブルバドがやったの?」

「本を改造したのは俺の友人だ。俺の友人は俺がいた惑星でも有名な科学者でな。地球にも彼と一緒に逃げていたが、その途中に…真っ先に魔術師に危険視されて殺された。」

「そ、そんな…ブルバドの能力を使えば魔術師に勝てたんじゃないの?」

私はそうブルバドに問いかけたが、ブルバドは頭を抱える。

「それが出来たらどれだけ良かったか…何故かあの魔術師だけには効かなかったんだ。そして、友人の策によって生き延びた俺は、友人の死を無駄にしたくない。そういう思いで友人に変わって本を回収する為に世界中を飛び回っている。その対魔術師側の本は友人が遺した"希望"なんだ。魔術師が作った"危険な本"を探すと同時にそれを探し回っていた。それを使って協力してくれそうな人を探そうとしたんだ。だからあれだけ軽い気持ちで開くなと言ったんだ。能力を持ったものは、当然、魔術師から命を狙われるかもしれないからな。悪いが、羽羅(ぱら)ちゃんには俺の計画に協力してもらう。それしかない。」

「そんな…私、命狙われるの?受験どころじゃないじゃん…」

私には焦りと不安に塗れた未来しか見えなかった。受験に失敗しても、死ぬわけではない。滑り止めの大学に行ったり、その大学で納得できなければ浪人して頑張れば済む話だし。

だけど、本格的に自分の命を狙われる、となると恐怖でしかない。

「それで、俺がいた惑星で魔術師が戦争を起こした目的なんだが、それがとてもえげつないんだ。それはな…」

ブルバドはゆっくり深呼吸をしながらこう語った。

「戦争の当時こんな噂を聞いたんだ…最初は噂に過ぎない。別の目的があるんだろうと考えていたが。俺の友人が殺された時、あいつの表情を見て確信したよ。あいつは…あの魔術師は…」



「人が死ぬ瞬間の…絶望に塗れた顔を見て興奮する性癖を持っている………」



「ひっ…!」

私はその言葉を聞いた瞬間腰を抜かしそうだったさっきまで何が起こっているのが何もかもわからなかったが、超能力やブルバドの話などいろいろ聞いてしまった今となってはもはや信じるしか無くなった。

ブルバドは再び語り出した。

「恐らく、地球でも"本"を使って俺がいた惑星と同じように超能力を使った戦争、いや、テロのような事をし始めるかもしれない…そう思った俺はいち早く"本"を回収するべきだと考え、世界中飛び回ってこの本を探していた。ここ、日本でようやく魔術師が作った本の1冊目を見つけたよ。」

「んあ、ちょっと待ってくんない?日本を活動拠点にしてんじゃねーの?既に世界中にあるとしたらよ?世界中でビッグニュースとかになってんじゃね?」

「御琉土、確かにそうかもしれんな。まずは日本を中心に探してみることにする。協力できるか?」

「おっけー!俺の最強の拳で敵なんてイチコロよ!」

「げ…ちょっと!ブルバド!なんでコイツまで…」

「まあまあ、暴走状態を解除したんだ。なんならこいつは正常の状態だとただのノリが良い奴のようだ。能力も戦闘向きだ。役に立ってくれるだろう。羽羅(ぱら)ちゃんも協力してくれるか?無理矢理になって申し訳ないが、君の身の危険に関わる。」

「は、はあ…あの…明日から学校あるからあんたらには協力出来る気がしないんだけど?それに、どうやって連携を取るのよ?」

ブルバドはニヤリと笑う。

「なあに、俺にいい考えがある。」


続く。

キャラ紹介その2

ブルバド・カカイン

地球人の年齢で言うと20代くらい。誕生日不明。血液型不明。

容姿は地球人に近いものの、髪の色や服装、とにかく見た目が奇抜。

趣味も不明。

ブルバドが居た惑星にはどのような娯楽があったのか…?それは彼にのみわかる事だ。

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