『天の万事屋』洛陽店オープン
ザワザワと人が並ぶ店先…『天の万事屋』がオープンするのだ。そりゃ噂になってるのは知ってたし、それなりのお客さんが来ることは予想してたが…来すぎじゃね?まあ、いいそれよりオープンだ。そうして店を開くなり多くのお客さんが入ってくる
「うひゃー多いなあ…」
「御使い様タバコをいくつかお願いします」
「御使い様、コッチにはこぉひぃを。」
「御使い様、コレはなんですか?」
「ああ…ちょっと待って…1人ずつ対応するから…」
そうしてオープン初日の午前は無事に終わり…俺は…
「つ、疲れた…」
喫煙所で一服しながら疲れ果てていた…
「いかん、最近書類仕事ばかりだったから…接客が大変すぎる…」
とその時店先から声をかけられる
「邪魔すんでー」
「邪魔すんなら帰ってやー」
「あいよー。ってなんでやねん!」
「全く…なんの用だ?張遼。」
「いやぁ…天の国の酒が美味いって聞いてからな?気になってしもうて…」
「なるほど…酒が欲しいと。」
「そそ、そういうことや。」
「どんなのが好みとかあるか?」
「んー…天の酒のことは分からんし、玄助に任せるわー」
「了解。んじゃいくつか見繕ってみよう。なんなら試飲するか?」
「ええの?」
「普段はしてないが…張遼の頼みならな。」
「よっしゃ!なら試飲させてぇなー」
「了解。」
そしていくつか酒を持ってきて張遼に試飲してもらう。
「ウチ、コレとコレがええわ。どれも美味かったから悩んだわー」
「おっけー。ならコレとコレな。料金は…」
「ほい。これでちょうどやろ?」
「ん。確かに。」
「あとな?玄助にお願いがあって…」
「ん?なに?」
「ウチと真名交換せん?」
「いいけど…俺真名無いぞ?」
「それでもや。こんな美味い酒を用意してくれるならそれなりの礼はせんとアカンやろ?」
「いや、その分料金貰ってるし…」
「それととウチの真名預けられるのは嫌?」
「ンなワケないだろ…でも良いのか?」
「ウチがええって言うとるんや。ええに決まっとるやろ。」
「分かった。なら預からせてもらう。」
「ウチの真名は霞や」
「ん。確かに預かった。よろしくな霞。」
「おう!」
「にへへ…この酒、美味いんやろうなあ…」
「昼間から飲むなよ?」
「分かっとる。ちゃんと仕事こなして終わってから飲むわ。」
「ならいいけど…霞はちゃんとしてるなあ…ウチの大将に爪の垢を煎じて飲ませたいくらいだ…」
「孫策はそんなに飲むん?」
「ああ、隙あれば飲んでるな…」
「あーそりゃ大変やなあ…」
「そのぶん魏のみんなはしっかりしてるから頼りになるよ…」
「なんなら今からでもコッチ来るかあ?」
「いや遠慮するよ。呉には恩も情もあるし…」
「冗談やって。そんな重く考えんでもええって。」
「そうか…」
「なあ玄助?タバコちゅうのはどんなモンなん?」
「なんだ霞はタバコにも興味があるのか?」
「ちょいとな。どんなモンなんやろって興味くらいやなあ…」
「なら1本吸うか?」
「ええの?」
「ああ、構わないけど…そうだな…霞は…」
そうして霞に合いそうなタバコを見繕う。
「へーコレがタバコかあ…コッチのタバコとは違うんやね?」
「ああ、吸い方も何もかも違うぞ。コッチのタバコよりも天のタバコのほうが俺は好きだな。」
「そんなに美味いんかー吸ってもええ?」
「ああ、コッチが喫煙所だ。」
「ああ、すまんな。んでコレどうやって吸うん?」
「ああ、それはな…」
タバコの吸い方をレクチャーし、霞に吸ってもらう
「すぅー…ケホ、コホ、少しむせるけど…コレ吸っていったら慣れるんやろ?」
「そうだな。なんでも慣れだ。最初から上手くはいかないからな…鍛錬と一緒だ。」
「なるほどなあ…ならウチはタバコに慣れることから始めるでー。」
「タバコが売れることは嬉しいが火を使うから火事には気を付けてな?」
「了解!こりゃタバコと酒の組み合わせとかもええんやろうなあ…」
「おお、分かるか?タバコと酒は相性良いんだよ。」
「やっぱり、絶対美味いやろなあ…」
「魏で初めてタバコにハマるのは霞か…」
「まだ他の奴らは吸ってないん?」
「真桜と沙和が吸ったが盛大にむせてたな…」
「玄助の吸ってるタバコをやったんとちゃうん?玄助はキツイのが好きなんやろ?」
「よく知ってるな。」
「天の御遣いの愛飲するタバコはキツイって噂やからなあ…」
「どこまで俺の情報漏れてるんだよ…」
「仲の良い商人とか居るやろ?そういうのが噂を流すんよ。」
「こりゃ下手なことは言えんな…」
「そりゃ商人は情報が命やからなあ…地獄耳やで?」
「俺もその商人の1人なんだが…」
「玄助に早い話やったかなあ…?」
「いや情報が大事なのも分かるし俺も情報戦ではそこそこ使えると思ってる。」
「玄助はやり手なんやなあ…まあ、そうやなかったらこんなに売れんやろうし…」
「そりゃお客様第一でやってるからな。」
「ええ心がけやん。そういうとこ好きやわー」
「そりゃ光栄だな。」
「ウチは本気やで?」
「霞は人懐こいし話しやすいよ。凪たちも話しやすいけど霞もなかなかだな…」
「そんなに褒めてもなんも出んでー?」
「本音だよ。やっぱり話しやすいのが一番だな…うん」
「でも今はコッチに居るワケやん?みんなと仲良くするのもええと思うけどなあ…」
「まあ…考えとく…」
そうして霞とのお喋りを楽しみつつ休憩するのだった。
霞とか三羽烏は書きやすいんですよねー…




