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孫呉、江夏を狙う

すみません戦闘シーンは無しです

朝議で次に呉が狙うべき領土の話をしていると…


「荊州は要所だオレは江夏だなァ」


「江夏ですか…」


「江夏は交通及び物流の要所だ。そこを手に入れればオレたちはもっと上に行けるなァ…」


「江夏の太守は黄祖です。その狡猾さが有名ですね…」


「でもオレの敵ではないだろう?」


「炎蓮様に敵う者は少ないかと…」


「よし、では江夏を狙う!オレを筆頭に主だった将は出す。もちろん軍師もだ。ただし玄助と雷火、包は留守番とする。玄助、オレが居ない間の留守を任せる。」


「了解。」


しかし…炎蓮さんを主軸として主だった将の導入ってほぼ総戦力じゃないか…こうりゃ江夏はすぐ落ちるな…そして数日後、炎蓮さんを筆頭にみんな出陣していく。しかし、いつもなら俺も出陣するのに、俺を残した意味はなんだろう…ううむ…炎蓮さんになにか考えがあってのことなんだろうけど…まあ、戦場に出なくていいのは気分的に楽だけど…待ってるのも不安だ…うーん複雑。でも今は俺の出来ることをしよう。


そうして店み向かい店を開く。今日は豪族関係者が来る日だ。しっかり取り引きしないと…


「ようこそ、またご贔屓にしてもらって悪いね。」


「いえいえ、御使い様の取り扱う品は良いものばかりだと主人も喜んでおります。」


「それで、今日は何が欲しいんだ?タバコは前買っただろう?酒か?」


「それが、主人の元に大切なお客様がいらっしゃるのでその方のためにいつもより高級なタバコとお酒を所望致します。」


「高級なタバコと酒か…どれだけ欲しいんだ?」


「主人からは、買えるだけ買ってこいと…」


「予算はないのか?」


「こちらに金子が…」


「見てもいいか?」


「もちろんです。」


「ふむ…この量なら…そうだな…酒は木箱5箱、タバコは木箱1箱だな…高級品を求めるんだ。量より質だろう?」


「では、ソレでお願い致します。」


「分かった。すぐ準備するから、裏庭で待っていてくれ。」


豪族関係や地方の有力者たちには裏庭で品物のやり取りをすることにしている。中庭は店内から見えるし、喫煙所があるからである。相手もできるだけ人目のある所でのやり取りはしたくないだろうし…。別にやましいことをしてるワケじゃ無いのにこういった取り引きは少し負い目を感じてしまう…。


「さて、準備も出来たし…月詠ー。上客さんを呼んでくれ。」


「分かりました。」


そして、豪族関係者がやってくる。


「酒を5箱、タバコを1箱だ。確認してくれ」


「確かに、確認致しました。では、こちらを納めください。」


「ん。確かに。」


「では、私はこれで。」


「ああ、今後ともご贔屓に。」


そうして、豪族関係者は帰っていく。今回の儲けは結構儲かったな。まぁこの稼ぎは税として納めるんだけど…


そんなこんなをしていたらあっという間に1日が終わってしまった…。今日の稼ぎは上々。しかし…戦に行ったみんなは無事に帰ってきてくれるだろうか…。店を開いている間は店に集中出来るが…ふとした瞬間に心配になってしまう。いつも通り過ごせと言うのが無理だと思っている。城もいつもより静かだ…。そりゃそうだ…兵士も武官もほとんど出払ってるんだからな。もし、今豪族の反乱でも起こったら…動ける部隊は俺の部隊の300しか居ない…。なんとかかき集めても1000くらいだろう。


「いかん…ついつい悪い方の考えをしてしまうな…。」


そんな都合良く狙ったように反乱など起こることは無いと思っている。いや、思いたい。


「はぁ…みんな大丈夫かなぁ…」


タバコの煙と共に心配事を呟いてしまう。戦場に出るのはいつも怖いが、待ってる方もソワソワしてしまう…。複雑だな…


「えぇい、炎蓮さんが居るんだ、大丈夫に決まってる!冥琳や穏、亞莎も居るし…それに…相手は黄祖…どのくらいの兵力で相手してるか分からないけど孫呉の精兵が負けるワケがない。きっと大丈夫…」


とは、言ったものの…心配なモンは心配で…。いかん負のループに入ってる。こういう時は何かでサッパリとリセットするのが良い。


「酒でも飲むか…」


そう呟いてウイスキーを取り出す。グラスに氷を入れ、ウイスキーを注ぐ。


「んく…んく…ぷは…」


何故だろう…いつもより美味く感じない…。


「はぁ…あの賑やかな日常に早く戻って欲しいよ…みんな、早く帰ってきてくれ…。」


1人で飲んでると余計に寂しくなる。俺もすっかり呉に馴染んだ証拠だな…

そうして、1人グラスを傾けるのであった。



玄助は寂しがり屋ですからねぇ…

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