玄助、体調不良也
玄助も人間なので…
「ハックショイ!」
「む?三船。風邪か?」
「んー…熱がある感じじゃないんだよねー…ちょっとボーッするけど…」
「それを発熱と言わんでなんと言うのだ?」
「いや、暑くもないし…ただ、くしゃみと鼻水と目眩と…」
「体調不良ではないか…」
「んー…まぁいつもの俺じゃないのは確かだね…」
「今日は早く休め…。最近眠れていないのも要因では無いのか?」
「いや、でもやることあるし…」
「体調不良の時は休め。」
「はーい…」
冥琳に諭され自室に戻って来たが…いかんホントにフラフラしてきた…な、なんとか寝床まで…。そこでプツリと俺の意識は無くなった。
「三船が体調不良?」
「そうなのです。蓮華様は三船に御用でしたか?」
「えぇ、お茶菓子を頼もうと思っていたのだけど…」
「三船なら自室で休んでいると思いますが…。」
「そう…」
「ご心配でしたら見に行かれるとよろしいかと。」
「そ、そうね。ちょっと見てくるわ。」
「えぇ。」
そうして、玄助の部屋の前に来た蓮華。
「三船?大丈夫?私よ。」
「…。」
「寝てるのかしら…。少し様子を見てみようかしら。」
扉をそっと開けると…そこには床に倒れた玄助が。
「げ、玄助!?だ、大丈夫!?」
「うぅ…はぁ…はぁ…」
「なに?凄い熱じゃない!」
「うぅ…れ、蓮華…?」
「玄助、大丈夫?立てる?」
「お、俺は…?」
「貴方、倒れてたのよ?大丈夫?記憶にある?」
「あー…倒れてたのか…よっこらせ…」
立つのも一苦労のようで、蓮華の手を借りながらなんとか寝台へ行く…
「うぅ…頭痛い…」
「当然よ…それだけ熱があるんだもの。医者を呼ぶわね?」
「えぇ?そんな大事じゃないよ…」
「貴方ねぇ…倒れる程の高熱を出しておいて大事じゃないとは言わせないわよ?」
「う…すまん…」
「全く…誰かある!」
「失礼致します。あ、孫権様…」
「玄助が高熱を出したの、医者の手配をしてくれるかしら?」
「はい、かしこまりました。直ちに。」
「うぅ…。大事になってしまった…」
「当然でしょう?全く…」
そして数刻後、医者がやってきて診てもらうと
「寝不足、過労、心労から来る発熱かと。充分に休んでください。そうですね…1週間~10日は休むべきかと…」
「えぇ!?そんなに休まないと…ゲホ、ゴホ。」
「全く…玄助?ちゃんと医者の言うことは守らないとダメよ?」
「うぅ…すまん…」
「では、お大事に…」
「えぇ。ありがとう。」
「はぁ…当分休みか…」
そう呟いて、寝台に横になる。
「働きすぎよ?しっかり、休んで元気にならないと…普段はあまり休めて無いのでしょう?」
「うーん…確かに最近は忙しくて…しっかり休めてなかったかも…」
「お役目、お店、孤児院、勉強。どれも大切だけど、しっかり休まないとダメよ?」
「はい…返す言葉もありません。」
「では、食事を持ってくるわ。その後は薬ね。」
「おう…」
そう言って蓮華が出ていく。
「うーん…無理をし過ぎてたか…寝不足なのは否めないが…ストレスまで…薬買っとくか…」
KAMIZONで薬をいくつか購入する。
「こっちの世界の薬より効くだろう…。うぅ…頭痛え…」
「玄助、食事を持ってきたわよ。」
「はいよー。って粥か…」
「当たり前じゃない。」
「もっとガッツリ食べたい…」
「ダメよ。食欲があるのは良い事だけど、胃に悪いわ。」
「はぁ…仕方ない…いただきます。」
「どうぞ。」
「ムグムグ…ところで、蓮華?」
「なに?」
「いつまで居るんだ?」
「貴方が食事をして薬を飲んで、寝るまでよ。」
「見張り?」
「貴方のことだから少しでも体調が良くなれば仕事をするでしょう?」
「うっ…お見通しか…」
「それくらい読めるわよ。」
「でも仕事は山積みだし…」
「確かに、玄助にしか出来ない仕事だろうけど、無理して身体を壊しているのだからダメよ?」
「はーい…」(夜仕事しよ…)
「皆の寝静まった夜に仕事をしようとしてもダメよ?部屋の前に交代で人を立たせるから。」
「あはは…や、ヤダなぁ…そんなことするわけ…」
「目が泳いでるわよ?」
「あー…あはは…」
「全く…いい?ゆっくり休むこと!約束よ?」
「分かった。」
蓮華にここまで強く言われたら休むしかない…。むぅ…何もせずに寝るだけとはつまらないな…。
「ほら、薬を飲んで。」
「おう。」
「じゃあしっかり休むのよ?」
「はいよー…。ありがとうな、蓮華。」
「いいのよ。しっかり休んで早く元気になって?」
「ん。分かった。」
「じゃあね。」
そう言って蓮華が部屋から出ていく…。はぁ…メシも食べた、薬も飲んだ。寝よう。医者からも蓮華からも休めと言われたら休むしかない。そうして、俺は寝台の上で意識を手放すのだった。
やっぱり働きすぎで倒れましたねー…。皆さんも休める時はしっかり休んでくださいね?




