冥琳の子育て!?
冥琳ルートです
「んー…。」
ジーッと本が並べてある棚を見つめる。書庫に居るのかって?ちがう、俺は今本屋に居るのだ、勉強用の本を探している。そして、そこで冥琳と出会った。
「あれ?冥琳?珍しい…」
「私だって城下には出るぞ?そんなに珍しいか?」
「冥琳と言えば仕事のイメージ…じゃないや、ええと、印象があるな…」
「私だって息抜きくらいするさ」
「そりゃそうか…。しかし、冥琳も買い物か?」
「ああ。そうだが、お前は?」
「本屋で本を買う以外の用があると思う?」
「その通りだな、しかし、お前が本とは…読み書きの方は順調みたいだな。」
「まぁそこそこ出来るようになったよ。」
「それは良いことだ。おっと…」
「ああ、大丈夫?」
冥琳が買った本を落としてしまう。そして、ある一冊を見つけてしまう…。『初めてのお母さんによる子育て論』
は?冥琳が子育て?相手は?まさか、冥琳には意中の相手が居るのか!?
そうして、少しショックを受ける俺…
「ん?どうした?」
「あ、ああ、なんでもない…」
「さて、せっかく城下に出たのだ、三船、お前も少し私に付き合ってくれ。」
「まぁ、いいけど…どこ行くんだ?」
「そうだな…少し歩こう。」
「おう…」
しかし、冥琳の意中の相手か…どんな男なんだ?変な奴だったら俺が相手をしてやる…。と、街中を歩いていると…
「ととさまー!」
ガシっと子供が足にしがみついてくる。
「えぇ!?ちょ、」
「ほう?三船にはそんなに大きな子が居たのか」
「ンなワケないでしょ!キミどこから来たの?名前は?」
しゃがんで子供と目線を合わせて話しかけるが…
「ととさまー。」
ぎゅーっと抱きしめられる…
ダメだこりゃ…
「仕方ないなぁ…よいしょ。」
子供を抱っこする
「三船は子供の扱いには慣れているのだな?」
「まぁね…ウチの店にお使いで子供が来ることもあるし…。」
「しかし、その子の親を探さなければな…」
「確かに…よいしょ、この子、3歳くらいかなー…親御さん絶対心配してるよ…」
「うむ、そうだな、早く見つけねば。」
などと話していると、子供が冥琳に
「かかさまー。」
「な、私はお前の母では…」
「へぇ?冥琳にはこんな大きな子供が居たんだな?」
「すまん三船、さっきのは私が悪かった。」
「お返しだ…。ほらこの子も冥琳に抱っこされたいらしいぞ?」
「かかさまー」
「仕方ないな…。ふっ、案外重いな…」
「子供だからと侮ってたら、大変だぞ?」
「う、うむ。」
「それに冥琳はお母さんになるんだ。慣れとかないとな?」
「む?それはどういうことだ?」
「いや、さっき本屋で子育ての本を買っていただろう?」
「見てたのか…」
「うん、相手はどんな人なの?」
「何を言っている。相手はお前だぞ?」
「は?何を言ってるんだ?」
「いつか、私もお前との間に子が出来るかも知れんからな、その勉強のつもりで買ったのだ。」
「なるほど…。なんだ、そういうことか〜…」
気が抜けてしまう…しかし、冥琳のやつ、相手は俺だと言っていたよな?冥琳の方を見ると、少し耳が赤くなっている。自分で言って照れたな?
「しかし、この子はどうしたものか…」
「うーん…とにかく親御さんを探そう。」
「そうだな…」
そうして街中を探し歩いていると、子供の母親が見つかった。そして、何故俺たちを親だと間違えたのかと言うと…服の色が同じだったからである…。まぁ、子供だからなぁ…
「しかし、良かった。お母さんが見つかって。」
「うむ、そうだな。」
「しかし、冥琳?ほんの少し子供を抱っこして歩いただけで、そんなに疲れてたら自分に子供が出来た時が大変だぞ?」
「その時はお前に頼むさ。なぁ?ととさま?」
「ンな…!その不意打ちは卑怯だぞ?」
「ふふ、我らの子はどうなるのだろうな?」
「健康であれば良いさ。さて、帰ろうか。」
「ああ…そうだな。」
そう言って冥琳が俺の手に指を絡ませてくる…。その手を握り返し、俺たちは城へ帰るのだった。
冥琳は案外積極的だと思うんですよねー…




