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【天の万事屋】は荊州でも大人気

人気なのは良い事

「コレをくれ!」


「私はこっちも!」


「はーいただいま!」


建業でも忙しく働いていたがこちらでも同じくらい忙しい…。それだけ天の国の噂が広まっていると言うことだ。建業でも噂が流れていると話は聞いてたが…こうやって、現地で直接触れ合うとやはり違う。天の御使いの名前も売れているのだろう。認めて貰えるのは嬉しいが、俺の地元はもう日本ではなく孫呉だ。早く帰りたいのが本音である…。しかし、帰ろうとすると劉備からもう少し、もう少し、と説得されてしまう。まぁホントに限界になったら帰ろう。それにコチラでの商売での儲けは劉備たちに税として納める必要もない。お願いされて来ているのだ納税するワケがない。


「ふぅ…こんなモンか…」


今は午前中の売り上げの計算をしている。建業の店よりこちらで出している店の方が値段は少し高めに設定している。そのため、昼と閉店後の2回に分けて計算しないと売り上げの計算が間に合わないのだ。


「ふぅ…」


ペンを置き、タバコを取り出し火をつける。今じゃタバコだけが癒しだ。しかし、今日は劉備は来ないな…いつもなら来てる頃合いだ。


「ごめんくださいー。」


来たな…全くいつもいつも…仕事はしてるんだろうか…。いや、俺も昼休憩を取る時間だ、劉備も同じく休憩中なんだろう。


「来たか。上がってけ。」


「はーい。お邪魔しまーす。」


「全く…いつもいつも、飽きないもんだな。」


「三船さんのお店は珍しいものが沢山あるんだもん。飽きる方がおかしいよ。」


「そうか?」


「そうそう。」


劉備にジュースを出しながら会話をする。さて、本題だ。ぶっ込んでみよう。


「そして、劉備。俺はいつ帰れる?」


「えっと…あの…」


「ん?」


「このまま…私たちと一緒に居て貰えないでしょうか?」


「ふざけた答えをするな。俺は孫呉の一員だ。裏切ることもせんし、お前たちと一緒に居たいとも思わん。」


「そうですか…」


「当たり前だろ…。いいか?俺は帰る。何があろうと帰る。コレは決定事項だ。」


「はい…。」


「お前は俺を引き止めたいだろうが無駄だ、やめとけ。」


「でも…」


「でも、も何も無い。俺は帰る。それだけだ。」


「う…分かりました…」


「もう売るもんは売った。そろそろ潮時だ。そうだな…3日後に帰る。」


「そんな!急すぎます!」


「そっちのワガママを聞いたんだ。俺のワガママも聞いて貰わないとな。」


「はい…分かりました…ですが、せめてお別れ会をさせて下さい。」


「断る。そんな義理はない。それに俺はそっちの重臣からはあんまり好まれては居ないようだからな。」


「そ、それは…」


「参加するだけ無駄ってもんだ。ほら、帰れ。」


「三船さん!せめて帰る時に挨拶だけでも…」


「それは俺の気分次第だな。」


「そうですか…」


そうしてとぼとぼと城へ帰っていく劉備。お別れ会に挨拶?そんなものは不要だ。俺はあと3日後に帰る。ある程度稼いだしな。そうして午後も店を開き、3日後に帰ることをお客さんに告げる。


「そんな、いくらなんでも急ってもんです!」


「私たちは御使い様のお店が大好きです。」


「そう言ってくれるのは嬉しいが…俺の本拠地は建業だ。もし、俺が恋しくなったら建業まで来てくれ。帰ることは劉備にも伝えてある。」


「そうですか…仕方ねぇ!みんな、御使い様がお帰りにらなるまで買い物しまくるぞ!」


「「応!」」


「ってワケで、せめて最後の最後まで買い物させて下さい。」


「分かった。そこまでされたら無下には出来ん。」


「そうと決まれば買うわよー。」


「あはは…買いすぎないようにな…?」


そうして、苦笑いをしながら最後の日まで商売を続けるのであった。

うーん…やはり桃香には厳しくなってしまいますね。決して嫌いと言うワケではないのですが…

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