虎牢関の戦い
やはり戦は難しいですね…
ピーヒョロロ…。とトンビが空を舞っているが…地上では、袁紹、袁術率いる軍が虎牢関を攻めていた。やはりと言うべきか袁紹も袁術も力押しである。普通の城なら落ちるかもしれんが、対するは虎牢関、それに守将は呂布と張遼である。そう簡単に落ちるワケがない。そして、当然軍議では袁紹がイライラしていたらしく…雪蓮曰くおもちゃを買って貰えなかった子供の様だったと言っていた。
「ふぅ…袁紹はまだ良いけど、問題は袁術か…」
そう孫呉は袁術と半同盟体制をとっているのだ。もし袁術からの要請があればこちらも出なければならい…そんな事は辞めたい、兵の損耗は最小限に抑えておきたいのだ。しかし、考えることはみんな一緒で…。そう考えていると軍議から帰ってきた雪蓮と冥琳から出陣の旨が伝えられる。
「今回は私たちと曹操が出ることになったわ。」
「曹操と足踏みを揃え、虎牢関を落とす。」
ふむ…曹操と組むか…曹操軍は精鋭と名高い。しかし、呂布を相手にするか、張遼を相手にするか…どちらだ?
「冥琳、俺たちが相手をする部隊は?」
「恐らく呂布だろうな…」
「呂布か…。なら妙案がある」
「なに?玄助?聞かせなさいよー。」
「呂布を引き付け、俺たちの後ろに陣取る袁術に擦り付ける。そうすれば俺たちの損害は少なくすむし、袁術の兵を削げる。」
「そして、劉備にも応援を要請しよう。汜水関の時みたいに今回ばかりの同盟だ。劉備は拒むことはしないだろう。」
「何故そう言い切れる?」
「汜水関の戦いで関羽と張飛が撤退する時の援護で俺が出た。俺は貸しだと思ってないが向こうからしたら貸しがあると思ってるかも知れない。ソコを突く。」
「うわぁ…玄助、そんな悪どいこと考えてたの?」
「いいか?梨晏。他のみんなも、俺は孫呉の為ならなんでもする。汚いと言われてもやるだろう。それに勝てば良いんだ。特にこの連合では利用出来るものはなんでも利用する。」
「ふむ…袁術に擦り付けた呂布を劉備軍で叩くか…。確かに我が軍の損害は最小限に出来るだろうが…、やれるのか?」
「やれる、やれない。じゃない。やるんだ。」
「はぁ…分かった。なら劉備には雪蓮と私が直々に行こう。兵の指揮は祭殿と梨晏に任せる。」
「応!」「了解だよ!」
さて、この策が上手くいくか…神のみぞ知るか…味方してくれよー神様。
そして、虎牢関攻め…。
ジャーン!ジャーン!
深紅の呂旗を翻し、呂布が出てくる。
「呂布を引きつけるわよ!」
「良いか!儂らは呂布を引き付け、袁術に擦り付けるだけじゃ!無闇に戦うでないぞ!」
「雪蓮!こっちだよ!呂布を引き付けて来て!」
そうして呂布隊は俺たち孫策軍に引き付けられて、そのまま袁術軍とぶち当たる。
「美羽さま大変ですよー。孫策さんの軍が呂布隊を引き付けて、私たちに擦り付けてきました。損害は甚大ですよ。」
「なんじゃとー!孫策め!妾たちに呂布を押し付けおってー!」
「どうしますか?お嬢様ー。」
「えぇい!なんとかするのじゃ!」
「でも、ウチには呂布さんを押し留められるほどの将は居ませんよぉ…」
「ならば七乃が行けばよかろー!」
「えぇ!無理です〜。私なんてあっという間に斬られちゃいますよぉ。」
「りょ、呂布だぁー!」
「逃げるな!戦え!」
「隊長!もう持ちません!」
「えぇい!人中の呂布とはこの事か!」
「お前たち…邪魔…」
方天画戟を振ると無数の首が飛ぶ。そこに、劉備軍からの増援として、関羽、張飛、趙雲の3名がやってくる。
「呂布よ!これより先には通さんぞ!」
「鈴々たちが相手なのだ!」
「卑怯と言ってくれるな?我ら3人で相手をする。」
「変わらない…来い…!」
そうして、劉備軍と呂布隊の戦闘が始まった。向こうでは曹操軍が張遼隊と戦っているのだろう…。
「さて、玄助?私たちはどうするの?虎牢関に一番乗りしちゃう?」
「いや、ダメだぞ雪蓮。我らの前には曹操軍がいる。通ることは出来んさ。」
「え〜。じゃあ私たちはどうするのよー。」
「どの道呂布が撤退するかもしれないし、そのための警戒かな。」
「なんか、私、戦働きしてないわね…」
「雪蓮…変なことを考えるなよ?どうせ劉備軍と一緒に呂布と戦おうなどと思ってるのだろう?」
「あはは…冥琳にはお見通しねー…。分かったわよ。大人しくしときます〜。」
「うむ、それでいい。」
そうして、張遼隊を打ち破った曹操軍が虎牢関に一番乗り。それを見た呂布は撤退し、これで洛陽までの障害は無くなった。大きな損害を出したのは袁紹と袁術。他は特に大きな損害も無い。さて、洛陽、そして孫家と言えば…玉璽だな…見付かるモンかね…?まぁ、歴史通りなら玉璽は手に入るだろう…。
次は洛陽です。




