天の万事屋オープン!
お店の名前は【アマのよろずや】です。
城下に店を出すことが決定してから、店の準備も含め俺は色々と城下の店を見て回っていた。そう、いくら日本でしか手に入らないモノを売ると言ってもこちらの相場、モノの価値や値段が分からなければ、商売は出来ないのだ。民にも手が届く値段であり、それでいて、相場より高く設定する為の研究なのだ。決して、たまに仕事を休んでサボりたいとか、遊びたいとかでは無いことを名言しておこう。
そうして、俺が城下に店を出す触れが城下に広まり数日が経過した。ようやく店のオープン日になった。既に店舗の外には行列が出来ている。
「えーと…タバコ、コーヒー、スポドリ、その他諸々OK。っとよし、開店だ!」
そうして、店の扉を開くと次々に人がやってくる
「おお…コレが天の国の…」
「コレは素晴らしい容器だ…透き通っていて軽い。」
「御使い様!天の国の嗜好品を1つください!」
おお、コレは思っていたよりも噂の効果があったようだ。冥琳には感謝だな。しかし、接客が大変だな、商品の説明、補充、会計、全部1人でやってるからな…こりゃ1回昼に休憩を取った方が良さそうだな…
「毎度ありー、あ、飲み物はそっちの部屋で飲んでも良いからなー。あ、すまん、タバコ買った人は庭の灰皿のとこで吸ってくれー!」
「御使い様!こちらのタバコを5箱ください!」
「えぇ!5箱もか?嬉しいがどうするんだ、そんなに。」
「ウチのおっとうが好きそうなのであげる為に購入しようかなと思いまして。」
「おお、そりゃお父さんも喜ぶだろうよ。しかし、タバコだけじゃ物足りないだろう?コッチの飲み物もどうだい?」
「おお、ではそちらも頂きましょう。」
「しかし、よくもまぁこんなに高いのに大量に買うな…」
「御使い様ー!灰皿から煙が出ておりますよ!」
「あわわ、水、水!」
大変過ぎる…いくら試験運用だと言っても1人だと限界がある…。せめて、あと1人くらい手伝いが欲しいな…。
「御使い様ー!コッチの会計まだですかー!」
「御使い様!コレは何と言うモノですか!」
「あー!もう!みんな対応するからちょっとはまってくれぇ!」
そして昼、1度扉を閉めて閉店とする。
疲れた…そしてまさかこんなに売れるとは思わなかった…。昼まで客足は途切れず、ずっと接客してたからな…城と違って城下の方が人が多いのだ。そりゃ売れるわな。しかし、タバコは匂いがあるから売れないだろうと思っていたが、案外売れたな…しかもそこそこ好評。コーヒーはやはり、味と見た目の問題で売れなかった…。午後はカフェオレを売ってみるか…。あとは新商品をいくらか導入したが、その新商品が売れる売れる。まず1つはジュースだ。炭酸は慣れないと厳しいだろうからフルーツジュースをメインとして売ったが、甘さと口当たりがサッパリしているので男女関係なく売れた。そして、もう1つ、ジュースのお供にお菓子のクッキーを売ったのだ。コレも大当たり、クッキー3枚で3銭、そしてジュース1杯5銭。1銭が日本円で約60円なのでクッキーとジュースのセットで480円になる。コレは他の甘味処よりも安い値段で提供しているので、庶民には人気が出そうだ。刃物系の取り扱いは、ごった返した店内に置くのは危険だろうという判断から辞めた。犯罪に使われても困るし…。そして、あとはガラスのコップもよく売れた。やはり見た目が綺麗で細工のあるモノは高級感が出て良いらしい。まあ、仕入れ値は100円だが…。なんか、安く仕入れて高く売るってのは商売の基本だが、取りすぎな様で少し良心が痛い…。と、色々と午前中の反省や人気だったモノの補充をして休憩をしていたらあっという間に1時間経ってしまった。
「よし、休憩終わり!午後の部、開店!」
それからもドンドンお客さんはやって来てヒィヒィ言いながら1日目が終了した。
「えーっと、ひぃふぅみぃ…。こんなに売り上げたのか…1日だぞ?1日で約1万銭?って事は60万?」
驚きだ。城で売っていた時の倍、いやそれ以上ある。それが1日で…ゴクリ…こりゃ大店になりそうな勢いだ。さすが御使い印の効果。恐ろしい。しかし、こんな大金どうしよう…半分はKAMIZONに入金して…あ、そうだ、城下に店を出したら売り上げの1部を税として払うんだった。じゃあ残りの5000銭のウチから2000銭程、納税しよう。それで残りの3000銭は…貯金と交友費などに使おう。
そして、大金を抱えて戦々恐々としながら城に帰るのであった。
1人で60万稼ぐとは中々ですねー。噂が広まればもっと売り上げを叩き出すかも?さてさて、1人でお店を管理出来るんですかね?そこが問題だ。




