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争いの予感。

やっと話しが進みます。長々とお待たせしました。

今日も今日とて朝議から1日が始まる。


「報告ですが、最近各地で賊が出たとの報告がいくつか上がっております。」


「賊なぞこれまでも居ったじゃろ。また討伐すれば良いだけじゃ」


「そうもいかないのです。今までの賊と少し違う様で…数もそうですが、なにやら統率の取れた動きをしているようで…」


「冥琳?質問なんだけど、それは孫呉の領内での話?」


「いや、大陸中で頻発しているようだ。しかも連中は身体のどこかに黄色い布を着けて活動しているようでな。」


「黄色い布、賊…それって黄巾党じゃないかな?」


「黄巾党?初めて聞いた名前だ。」


「ああ、天の国ではそこそこ知られてる黄巾の乱ってね。確か最大の兵力は数十万とも言われてたね」


「そこまで大きくなられたら大陸の情勢が乱れてしまうな。もちろん呉も例外ではない。早く対策を取らねば。」


「そうか、黄巾党ねェ…よし、とりあえずはオレの領内に出ている賊と合わせて黄巾党の討伐の為の軍を出すか。動かせる兵はどれほど居る?」


「今は動かせても3千~5千かと…。すぐさま動かすのであれば1000が最大ですね」


「そうか…ならば雪蓮!てめェが大将になって賊の討伐をしてこい!軍師はそうだな…穏!お前がやれ。」


「は〜い。了解しましたぁ〜。」


「この間の賊の討伐は祭に取られたし、今回は暴れるわよー。」


「物騒だな。雪蓮?いくら賊とは言っても単独で突撃するのは辞めなよ?」


「あら?私の心配?ありがと。でも賊なんかに遅れは取らないわよ?」


「その油断がダメなんだって。もし何かあったら大事だよ?」


「大丈夫よー。すぐ討伐して帰ってくるから。」


「穏…くれぐれも雪蓮の暴走を止めてくれ。」


「えぇ〜。私には無理ですよぉ〜。」


「穏しか居ないんだよ。何とかして止めてくれ。」


「はぁ〜い…分かりましたよぉ…、その代わり玄助さんにもご協力してもらいますからねぇ〜?」


「協力?まぁ雪蓮の暴走を止められるなら協力はするけど何かあるの?」


「えぇ。とても有効な策が〜。」


「よし、それじゃそれで頼む。」


ゲームではこんな序盤でやられるワケも無いが…コレは現実。何があってもおかしくない。雪蓮は特に独断での先行が目立つキャラだったし…怪我でもされたら困る。生命と生命のやり取りだ。戦場に身を置く限り、いつ死ぬのか分からない。その確率が少しでも下がるなら俺は俺の出来ることを最大限やるだけだ。


「では、大将は雪蓮、軍師は穏とし、兵は800を預けます。雪蓮?三船の言った通り、無駄な突撃は控えろよ?」


「んもー…私がまるで猪みたいじゃない。分かってるわよ。」


「他に何かある奴は居ねェか?よし、なら解散!」


「あー、ちょっと待った、炎蓮さん?この前みたいな事は辞めてくださいよ?もし、次があったらホントにタバコの供給止めますからね?」


「分かった分かった。ホレ解散だ解散。」


炎蓮さんに釘を刺し、俺は待機となった…はず…炎蓮さんはヤニカス道まっしぐらだからタバコの供給が止まるとなると、俺を戦場に送る事は無いだろう。しかし、孫呉に保護され商売も許可されてるし…うーん…協力出来ることと言ったら…あ、そうだ、いい事考えた。

朝議が終了し、各々がお役目に勤めている頃、俺は穏を探していた。


「あ、穏、ここに居たのか。」


「あれ〜私をお探しでしたかぁ〜?」


「うん。少しね今回の賊の討伐について俺なりに協力出来ることを思い付いたから、その報告。」


「協力ですかぁ〜?なんでしょう〜?」


「討伐ってことは遠征して戦闘するよね?」


「えぇ、もちろんそうですよぉ〜。」


「その為には、兵力があれば良いけど兵力があっても士気の低い兵よりも士気の高い兵が欲しいよな?」


「もちろんその通りですぅ〜。ですが簡単に兵の士気は上がりませんよぉ?」


「そう、そこでだ。今回、討伐に行く部隊には俺から兵糧を提供しようと思ってな?戦う前に美味いメシが食えれば少しは士気も上がるだろ?」


「それはそうですが〜…、遠征の時の兵糧なんて玄助さん1人で確保出来るんですかぁ〜?」


「ああ、出来る。ってかなんならもう確保してある。」


「えぇ〜!いつの間にそんな量の兵糧を準備してたんですかぁ〜?」


「商売の売り上げでね、それなりに稼げてるし、俺が実際戦場で戦うよりも効率的かなと思って。もちろん天の国の兵糧ってかメシだな。」


「遠征に耐えられる程、長持ちするご飯なんですか〜?」


「ああ、もちろん。しかも必要なのはお湯だけ。」


「お湯だけ〜?では何かをふやかして食べる物なんでしょうか〜?」


「うーん…似てるけどちょっと違うな…。とりあえず、コレが食べ方の説明書。口頭でも伝えられるけど図解があった方が分かりやすいかなと思って。」


「ありがとうございます〜。この遠征での兵糧の確保や出ていくお金の計算をしなくて良いのはもの凄く助かります〜。これなら今回、雷火様が財政で頭を悩ませることは無さそうですねぇ。」


「まぁ、俺に出来ることはこれくらいだからね。あ、そうだ。今思い付いた。オマケにタバコも慰労と言うカタチで今回遠征する兵士に配ろうよ。きっと士気が上がるよ?」


「タバコまでよろしいんですか〜?確かに士気は上がるでしょうが…普段、購入してるお客さんから苦情が出ませんか〜?」


「もちろんソレも折り込み済み。慰労で配るタバコは1箱10本入りのタバコを1人1箱だけ。コレなら慰労品として文句も出ないでしょ。」


「美味しいご飯にタバコまで提供されれば兵の士気は格段と向上するでしょうねぇ〜…。でも後から経費で落としたりしないでくださいよぉ?雷火様が悲鳴を上げてしまいます〜。」


「コレは完全に俺の独断で俺の資金から出すよ。そんな事しないさ」


兵糧の確保は場所と時間と金がかかるからなぁ…特に金。ソレを俺が少しでも助けられれば経費が浮く、その分を領内の発展に使う、そして美味いメシが食えれば生きる為の活力が湧く。そうすれば生き残る兵士も増える。そうして戦場を生き抜き、実戦で鍛えられた兵士が増えれば戦力の増強に繋がる。そうすれば精兵揃いの孫呉に手を出す輩が減って、領地拡大も狙える。そしてそれで孫呉が発展する。その為ならばいくらでも俺のポケットマネーを使おう。今はまだ1000人規模の部隊の遠征に出すくらいしか出来ないけど…これから商売が上手くいけば、将来的には兵站の心配は要らないくらいの支援をしようと思っている。


「しかし、800の兵の遠征の兵糧を1人で確保してタバコまで配ると言うことは…玄助さん、意外と稼いでますね〜?」


「ナイショな?ナイショ。雷火さんの耳に入ったら、孫呉の発展の為じゃ、もっと税を納めろ。とか言いそうだし。それにコレが今の俺に出来る最大の支援。コレ以上、兵が増えたりしたら無理だよ…。」


「分かりました〜。では一応今回限りの支援として受け取らせて頂きます〜。」


「ああ、しっかり使ってくれよ?こういう時の為に準備してたんだからな。」


「はい〜。有効に活用させて頂きます〜。では、私はお役目があるのでこれで〜」


「おう。俺もそろそろ店を開く時間だ。じゃあね」


そう言って穏と別れる。しかし、とうとう黄巾党の出現か…。でも、恋姫での黄巾党ってアイドルのファン達の集合体なんだよなぁ…。でもソレに紛れて賊のような行為をしてることには変わりないし。まぁ、呉の領内だけならすぐ鎮圧されるだろう。ゲームでも黄巾の乱ってすぐ終わったイメージだし…。まぁ、雪蓮と穏が出るんだ、俺は大人くしく商売しましょうかねー。っと。

今回は玄助の立ち位置は支援者です。そして案外稼いでますねコイツ。資産はどのくらいあるのやら…まぁ今回の兵糧分とタバコ代を出しても1000万近く余ってますね。

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