三国連合軍VS死霊術師
先日俺の見た夢?の情報から敵の大将の居所が分かり、魏、呉、蜀の三国に情報を提供したところ…すぐさま三国の連合軍が組まれ、今、その連合軍総勢35万からなる部隊の軍議の最中であった。
「まさか、敵の大将の居所が泰山だとは思わなかったわ。」
「はい…私も予想外でした…」
「確かに、泰山なら霊力は豊富でしょうねー。」
三国の王が横並びで話している…この光景は一生モノだな…総大将は華琳、その両脇を埋めるのが雪蓮と劉備である。そして、各国の筆頭軍師に加え錚々たるメンバー…いくら急造で兵の数が少ないと言えど、魏からは春蘭、凪、沙和、真桜、霞、季衣、流琉。蜀は、関羽、張飛、趙雲、呂布、皇甫嵩、馬超、馬岱、馬鉄、馬休。そして呉からは、俺、琴音、粋怜、梨晏、蓮華、思春。である。残りは守兵や後詰である。
そうして、軍議を進め、ようやく泰山の麓へ…
ガシャガシャ…死者の軍が歩く音が聞こえる
「弓隊構え!放てぇ!」
合図と共に数万の矢が放たれ、敵軍に襲いかかるが敵は止まらない。
「ちっ。やはり弓は効果が無いか…槍隊構え!敵を迎え撃て!」
「「応!」」
ザン!と槍隊が前に出て槍での攻撃に移る。
「突けー!」
「「応!」」
槍が一斉に振るわれ、真っ直ぐに突っ込んで来た敵軍の前線がこちらの槍に刺さるが…やはり胴体は無効か…
「槍は放棄せよ!抜刀!白兵戦用意!」
「「応!」」
「頭を狙え!押し潰せぇ!」
「「応!」」
そうして鬨の声を上げ剣を振り上げ敵の頭を潰していく連合軍の兵士達…
「やっぱり…あっけないな…。」
ボソっと呟くが…
「お兄ちゃん…緊張感無い…」
「んー…こうも弱いと張り合いが無い…」
「玄助と琴音は本陣で待機だもんねー。」
「梨晏…ソッチはいいのか?」
「うん。今、蓮華様と思春が指揮してるよ。」
「そうか…」
「しかし…まあ…相手は総力戦だろうが…こっちには後詰もいるし…案外楽勝?」
「そんなことはないよ?やっぱり、頭のみに攻撃を当てるって難しいからねー…」
「そうかー…」
「それに強力な個体が出てきたら私達、武将が相手をしないと兵士じゃ太刀打ち出来ないからねー。」
「それもそうか…相手が切り札を出してくる前に決着をつけたいな。」
「そうだねー…」
「なら、全軍での突撃を敢行すべきか…」
「でも、敵の兵も居るから乱戦になっちゃうよ…」
「それもそうか…」
そう話していると…とうとう本命が出てきた…強力な個体と大将のあの女の子である
「よくもあーしの可愛い子たちをイジメてくれたね…。いっけぇ!」
ズシンズシンと強力な個体の足音は重い音を立てやって来る。
「あれが大将ね…」
「曹操。どうするの?」
「各武将に伝達。あの個体を重点的に叩くように伝えなさい。」
「御意。」
そうして本陣から伝令が来る
「あーあ…私も行かなきゃ。琴音は初陣だし、後方で待機ね?」
「えー…私だって戦えるのにー…」
「んー…そうだな…梨晏。お前の副将に琴音を連れて行ってくれないか?」
「ええ?んー…まあいいけど…」
「お兄ちゃん…いいの?」
「まあ、お前にも戦の経験を積ませても良いかなと…でも梨晏の足手まといにはなるなよ?あと単独での行動は控えること。」
「はーい。んじゃお兄ちゃん。行ってきます!」
「おう、行って来い!」
そうして私とお兄ちゃんはハイタッチして別れる。
「それじゃ、行くよ!琴音!」
「はい!」
前線に出ると兵士の皆が奮戦していた。私達の目標は強力な個体の撃破…見つけた。
「梨晏さん!前に強力な個体!」
「了解だよー!はぁ!」
梨晏さんは高く跳躍してその大きな体躯を持つ個体の頭付近まで跳び上がり頭を潰す。とそのままヒラリと着地する。
「す、凄い…」
「琴音!後ろ!」
「っ!?くぅ!」
後ろから飛んできた個体の攻撃をなんとか防ぐ。
「琴音!大丈夫?」
「はい!よくもやってくれたなー!たぁー!」
槍での三連突きで敵の胴体を貫き、倒れた敵の頭を潰す。そうして私と梨晏さんはドンドンと進んで行く
「琴音のヤツ…大丈夫かなあ…」
「あら?貴方は行かなかったの?」
「蓮華…。俺は一応部隊の指揮があるからな…」
「なら、私が指揮を変わるから貴方も行けば良いじゃない。」
「いいのか?」
「貴方の能力なら大丈夫でしょう?それに琴音も安心すると思うわ。」
「そうか…なら行ってくる。蓮華、頼んだ。」
「ええ、任されたわ。」
そうして単独で梨晏と琴音を追いかける。そして…
「やっと追いついた…」
「お兄ちゃん?なんで?」
「いやあ…お前が心配でな。」
「部隊はどうしたの?」
「蓮華に任せてきた。」
「ええ…」
「なんだよ…俺が居たら不都合か?」
「いや…そんなことないけど…」
「しかし…お前そこそこ汚れてるな…敵と戦ったのか?」
「うん。」
「玄助?琴音は凄いよー。才能あるかも知れないよ?」
「簡単に褒めるな。琴音が調子に乗る。」
「そりゃ梨晏さんから褒められたら嬉しいけどさー…調子には乗らないもん。」
「ふむ…そうか…」
「でも、玄助も来たし琴音は玄助に任せて私は気にせず戦えるね。」
「確かに…そうだな…梨晏は気にせず突っ込んでくれ。」
「分かった。」
「琴音は俺から離れるなよ。行くぞ。」
「うん!」
そうして俺達3人はもう少しで敵の本陣に着きそうな所で足止めを食らっていた…
「くそ…数が多い…」
「やっぱり本陣には簡単に入れないかー…」
「玄助。琴音。私が道を作るから2人は本陣に突入して!」
「おう。行くぞ琴音」
「あ、うん。」
そうして敵の本陣に乗り込むと…
「へえ…?さすが御使いだね…アンタが一番乗りだよ。ってその女は…」
「ん?俺の妹だが…」
「ウソ…御使いってアンタだけじゃないの!?」
「最初はそうだったんだが…」
「てへ。来ちゃった♪」
「簡単に来れるワケないでしょうがー!」
「でも来たモンは仕方ないだろ…?」
「御使いはアンタだけだって聞いてたのにぃ…」
「しかし…お前の目的が分からん。世界征服は知ってるけど…ソレ以外にもありそうだし…」
「天の御遣いをあーしの配下に置いて世界征服!そうすればあーしは天から祝福されてる女神になれるの!」
「なるほどなあ…」
「んでもってついでに、御使いをあーしの夫にすれば…あーしは完璧な女神になれる!」
「絶対イヤなんだが…」
「お兄ちゃん清楚系ギャル嫌いなの?」
「いや…清楚系ギャルってどっち付かずな感じがして…」
「今は多様性の時代だよ?好き嫌いはダメだよー。」
「そうよ!そうよ!って誰が清楚系ギャルか!」
「え?貴女じゃないの?」
「あーしはギャルじゃない!」
「えー…だって格好とか口調とかギャルじゃん…」
「勝手にあーしをギャルにすんな!」
「まあ…ソレは置いといて…覚悟しろ!えーっと…お前の名前は…?」
「や、やっと本題に…あ、あーしは司馬懿!司馬懿 仲達!」
「なん…だと…お前が司馬懿…?」
「そうだよ!文句あんのか!」
「いや…司馬懿って軍師…だよな…?」
「私の記憶では諸葛亮のライバルだったような…」
「ソレはゲームの話しだろ…」
「だから、話しが脱線してるっつーの!あーしが司馬懿!」
「ホンモノなら…証拠は?」
「アンタ、リアルの司馬懿見たことないでしょうが!」
「そりゃそうだ。」
「はあ…なんか馬鹿らしくなってきた…」
「えーっと…じゃあ…覚悟しろ!司馬懿!」
「覚悟するのはソッチ!あーしは負けないかんね!」
そうして三船兄妹と司馬懿の一騎打ち?が始まる…?