謎の夢…?
「んー…んが…ぐぅ…」
「起きろー!うがー!」
「げふ!」
ぐっすり寝ていると叫び声と共に、腹部に衝撃を受ける
「せっかくあーしが呼んだのに寝てるなんて失礼でしょー!」
「な、なんじゃ…?てか誰?」
「あーしのことはまだヒミツ。アンタが天の御遣いでしょ?」
「あ、ああ。そうだが…ここは…?」
「あーしの拠点。」
「おー…そうか…。んで、なんだ?この禍々しい気配は…」
「さて、なんでしょー?でもアンタは知ってるハズだよー?この気配♪」
「はっ!まさか…この気配…あの謎の軍!」
「あったり~。正解だよぉ~。」
「ってことは…お前が大将か…」
「ソレも当たり~。」
「なんで俺をこんなところに呼んだ?」
「アンタの顔を見たかったから。」
「なんで、大陸を攻める?」
「この大陸が欲しいから。」
「なんで欲しいんだ?」
「この大陸を足がかりに世界を攻めるため。」
「なるほどな…お前の目的は世界統一か…」
「そうだよ。あーしがこの世界の神になるの。」
「死体やら魔物やらに囲まれてか?」
「最高でしょ?あーしの可愛い子達が人間のご主人様になるの。」
「大層な夢だな。でも、この大陸を渡すワケにはいかん。」
「つまんないねー。アンタ。あーしのところに来れば世界統一出来るのに。」
「あんな雑魚で世界統一出来るとは思えんな。」
「ざこぉ?あーしの力をナメてるー?」
「雑魚も雑魚だろ。噛まれても感染しないゾンビなんて。お前、死体くらいしか操れないな?」
「チっ勘だけは良いみたいだね…でもコレからはー…もっと強力な子出しちゃうモンねー。」
「でも、その強力な個体は数に限りがある…」
「なんでソレを!?しまった!」
「やっぱりか…」
「アンタ、中々やるね…でもあーしは負けないんだから!」
「大方ここも泰山とかだろうよ。泰山には霊力とか集まりやすいしな…竜が居る伝説があるくらいだ。」
「アンタ…どこまで知ってるのさ…?」
「これは俺の推測だったんだが…当たってたのか…」
「な…ブラフだったの…?」
「そりゃな。見ただけで分かるかよ。しかし…泰山に拠点ね…良いことを知った。」
ニヤリと笑い。
「これじゃ、アンタの方が悪者っぽいわよ?」
「しまった!俺が主人公だからな!?」
「誰に言ってるのよ…」
「いや…一応…」
「アンタ…敵対してるあーしの前に居るのに緊張感ないわね…」
「いや…お前貧弱そうだし…」
「誰が貧弱よ!」
「頭も悪そう…」
「ムキー!誰が馬鹿よー!」
「そういうところ。」
「むむむ…アンタ…ホントに何者なのよ…」
「天の御遣い。」
「アンタ都合の良い時だけ御使い面してんじゃないわよ!」
「いや…利用出来るモンは利用しないと…」
「アンタって結構ガメついのね…」
「んで…なんで俺を呼んだんだ?」
「そうだった…忠告よ。あーしは力を蓄えて、総攻撃をする。ソレを耐えて見なさい。」
「いきなり上から目線だな…」
「あーしが悪のボスなの!」
「はいはい…分かった分かった…」
「なによ…その可哀想な子を見る目は…」
「いや…悲しい過去でもあるのかなと…」
「そんなのあるワケないでしょ!」
「じゃあ、なんで世界統一なんて言ってるんだ?」
「だって…あんなバカそうな袁術とか袁紹とかが名家で威張ってるのなんか癪なんだもん…」
「袁術も袁紹も滅んだけどな。てか、ンなしょうもない理由で世界統一してるのか…」
「世界の王になれるのよ?そりゃ狙うわよ!」
「簡単じゃないと思うけどなあ…それに…なんかお前のことだから世界統一した後のこととか考えてなさそう…」
「うぐ…」
「世界統一した後どうするんだよ?絶対反乱とか起きるぞ?しかも産業革命とかどうするんだよ…」
「う、ううー…。うるさーい!あーしは世界統一するって決めたの!」
「見切り発車もいいトコだな…」
「うるさい!うるさい!あーしはあーしの為にやるんだもん!」
「まあ、その前に俺ら三国同盟に勝てるかな?」
「勝つもん!」
「そうかそうか…勝てると良いな?」
「むぅ…。なによー…あーしに勝てるって言うの?」
「そりゃ、お前が力を蓄えてる間にここを攻めればいいし…」
「アンタ…変身中のヒーローを攻撃するの?」
「俺なら攻撃する。」
「ふ、ふん。そんなことされても…だ、大丈夫だし!」
「なら、徹底的に攻撃してやる。遠慮なんてしないからな?三国連合軍相手にどれだけ耐えられるかね?」
「絶対負けないもん!あーしの軍はさいきょーだし!」
「なら徹底的に叩いてやる…。覚悟は出来てるな?」
「ふん!そんな脅し、効かないもんねーだ。」
「なら起きたらすぐに三国共同で軍を出してお前を叩き潰してやる。拠点も分かったしな。」
「返り討ちにしてやるんだから!」
「そうか…そりゃ楽しみだよ。」
「泣き言言っても知らないからねー?」
「こっちのセリフだ。」
「ふん!じゃあアンタそろそろ帰りなさいよ!」
「お前が呼んだんだろうが…早く元の場所に帰してくれ。」
「分かったわよ。」
「次は戦場で会おう。」
「言われなくても!それじゃ、バーイ。」
そうして、光に包まれ…目を開くと自室だった。
「アレが…ネクロマンサーか…しかし…単純なおバカって感じだったな…」
そうして、寝台から降りて真夜中に月明かりの照らす部屋で一服するのであった。