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微笑ましい兄妹

コンコン…とお兄ちゃんの部屋のドアをノックする


「ん?琴音か?居るぞー」


「お兄ちゃんー…って蓮華さんも一緒?」


「あら、琴音。玄助に何か用事?」


「はいー…」


「どうした?何か分からないことでもあったか?」


「いや…そのー…えっと…お兄ちゃんに頼むのは妹としても非常に心苦しいのですが…」


「なんだ改まって…」


コーヒーを飲みながら琴音に聞くと…


「お兄ちゃん。お願い!下着買って!」


「ぶは!ゲホ!ゴホ!」


「玄助、大丈夫?」


「なんだいきなり…。下着だと…?」


「うん…」


モジモジとしながら俺に頼み事をする妹…


「今までどうしてたんだよ…」


「それは…前連れて行ってくれた服屋さんで買って…」


「ならそれで良いじゃないか…」


「それがダメなのー…大まかにこのくらいかなー…で買ったヤツだからズレたりして合わなくて…」


「それならサイズ計ってもらって作れば良いじゃないか…」


「そこまでするならお兄ちゃんから買った方が早いもん…」


「はあ…とりあえず必要なんだな?」


「うん…」


「仕方ないな…ほら、どれが良いんだ?」


「わーい。選んで良いの?」


「そりゃお前が着けるんだからお前が選べ。」


「じゃあ、スマホ借りるね。」


そう言って俺からスマホを受け取り寝台に寝転がる


「こらこら…はしたない…」


「えー…いいじゃん…コレくらい…」


「俺だけならまだしも、蓮華も居るんだからな?」


「私なら気にしないわよ?良いじゃない琴音に自由にさせてあげれば。」


「蓮華は琴音に甘いなー…淑女たるもの恥じらいを持ってだな…」


「もー…お兄ちゃんってばお爺ちゃんみたいなこと言ってー…」


「爺様からも言われてたろうが…」


「でも、お父さんは何も言わなかったよ?」


「親父に発言権あったか?」


「それは…お父さんが言う前にお兄ちゃんが言うから…」


「うむ。その通りだ。」


「なんかソコだけ聞くとお父さんが不憫に聞こえるわね…」


「ウチでは当たり前だったな…」


「お母さんに慰められるまでがセットだったよね。」


「そうだな。」


「しかし…婆様もしっかり淑女だっただろうが…」


「お婆ちゃんは優しかったねー…お婆ちゃんの味噌汁飲みたいなー…」


「それは同感。」


「こっちには味噌汁無いもんね…」


「いや、俺が買えばインスタントなら飲めるけど…」


「よし、じゃあ購入!」


「おーい…味噌汁の前に下着はどうしたー…?」


「あ、そうだった…えーっと…」


「はあ…全く…」


「仲良しなのね。貴方たち。」


「そうか?普通だと思うけど…」


「普通は兄に下着の相談なんてしないわよ…私だって姉さまに自分の下着の話しなんてしないのに…」


「それもそうか…ウチが特殊なんだな…」


「お互いに信頼し合ってても、そんなこと話せないもの…」


「んー…多分、琴音が小さい頃から俺が琴音のファッションとかに口出ししてたからかなあ…」


「ふぁっしょん?」


「えーっと服装とか化粧とか…かな?」


「小さい頃からそんなことしてたの?」


「三船家は腐っても名家だからな。それらしい服装を俺が選んでた。」


「それは縛りすぎじゃないの?琴音はそれで良かったの?」


「んー…私はお兄ちゃんから似合ってる。とか、可愛いとか言われるのが嬉しかったから…。それにお兄ちゃんが選ぶモノって他の人からも似合ってるね。って褒められてたから…何とも思わなかったなあ…」


「そ、そうなのね…」


「あ、でも、下着は自分で選んでたよ?」


「それは当たり前でしょう?」


「いやあ…これまでの話しを聞いてたら下着すらお兄ちゃんに決めて貰ってたって思われても不思議じゃないから…」


「まあ…多少はそう思ってしまったわ…」


「しかし蓮華も雪蓮からオススメの服屋とか聞いたりしなかったのか?」


「私は経験無いわね…でも孫家の娘としての自覚とか…母様や姉さまを意識はしていたわね…」


「なるほどー。」


「お兄ちゃん…黒とピンク…どっち?」


「どちらも良き」


「よっしゃ、買ったれぃ。ポチっと。」


チャリン ドサ


「箱…だと…?琴音…お前…どれだけ買ったんだ…?」


「いや~…可愛いの全部選んじゃった。」


「お前ぇー…!」


「きゃー。お兄ちゃん痛い痛い。」


琴音にヘッドロックをし頭をグリグリとする


「本当に仲が良いわね…」


「あはは。お兄ちゃん優しいから。蓮華さんもそんなお兄ちゃんに惹かれたんでしょ?」


「え?」


「え?蓮華さんお兄ちゃんのこと好きじゃないの?」


「な…わた、私は…」


「お兄ちゃん…蓮華さんに手出して無いの?」


「ああ、キスもまだだな…」


「お兄ちゃん!なんで手出してないの!?こんなに美人なんだよ?」


「いやあ…タイミングが無くて…」


「じゃあ、今!今キスして!」


「なんでだよ!」


「あの…何を言ってるのか半分も理解できないのだけれど…」


「今、蓮華に口付けしろと琴音にせがまれてる。」


「な!?こ、琴音!?」


「お兄ちゃんの意気地なし…」


「うぐ…お前に言われたくないわ!」


「私だったら、もう経験してるもん!」


「なんだと!誰だその相手は!」


「え…お兄ちゃん…忘れちゃったの…?私の初めて…」


「ええ!?玄助!どういうこと!?」


「えーっと…琴音さん?小さい頃の可愛い琴音からのキスなら覚えているが…それをカウントしたらお前…俺以外ともしてる計算になるぞ?」


「え?嘘…だ、誰?」


「家族全員。」


「ガーン…ショック…」


「えっと…玄助…?どういうこと?」


「えっと小さい頃とか親から口付けしてもらったりするだろ?」


「ええ…。」


「それだけで琴音は経験アリだと言い張っていたんだ。」


「あー…なるほどね…そういうこと…」


ホッと一息吐く蓮華。


「蓮華?勘違いするなよ?琴音は妹だ。それ以上でも以下でも無い。」


「酷い!お兄ちゃんは私のこと弄んでおいて!」


「いや…もうそのノリいいから…」


「ちぇ…つまんない…」


「な?」


「えっと…今までのは…?」


「「兄妹の戯れ。」」


「貴方たちねえ…。いい加減にしなさい!」


「ありゃー…蓮華の雷が落ちたー…琴音のせいだぞ?」


「ノッたお兄ちゃんも同罪だよー?」


「聞いてるの?」


「「あ、ハイ…」」


そうして兄妹揃って蓮華のお叱りを受けるのであった

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