建業って凄い!
「ふうー…着いたー…」
「ねえ…もしかして私また冥琳に怒られたりしない?」
「まあ…突然出かけたのはマズかったかもなー…」
「お兄ちゃん!ここ凄い!都会だよ!都会!」
「あー…分かったから…お兄ちゃんの襟首掴んでブンブン振るな…」
「すっごーい…三国志の時代でもこんなに人が居るなんて…」
「いいからしっかり捕まってろ。このまま城へ行くぞ。」
「うん!」
そうして城の正門までやって来ると…案の定、冥琳が居た
「雪蓮!三船!お前たち何処に行っていた!」
「あはは…ごめーん冥琳」
「すまん冥琳…」
「全く…三船を拾って来た時のことを思い出した…」
「それがねー…もう1人拾って来ちゃった。」
「なんだと…?」
「あの…上から失礼します…私…三船 琴音と申します…」
「玄助の妹さんだって。」
「な…三船…本当か?」
「ああ、本当だ。コイツは間違いなく三船家の才女だよ…」
「お兄ちゃんは三船家の神童じゃん…」
「はあ…とりあえず分かった。皆を集めるから雪蓮は私と来い。三船は妹と一緒にお前の部屋で待機しててくれ。皆が集まったら説明してもらう。」
「了解。」
「ではな。雪蓮、行くぞ。」
「じゃあまた後でね。」
「ああ。」
「はい!」
そうして琴音を連れて自室へ向かう
「ほら、入れ。」
「うわー…ココがお兄ちゃんの部屋?すごーい…ってなんでPCがあるの?それに冷蔵庫も!」
「あー…俺の能力でな…現代日本で手に入るモノを購入出来るんだよ。」
「へー…凄いね!」
「何か飲むか?」
「うん!」
「ほれ。」
リンゴジュースを渡し、自分は椅子に座りタバコを咥える
「お兄ちゃん…こっちでもタバコ吸ってるんだ…」
「ん?まあな…」
「健康に悪いよ?」
「体には悪いかも知れんが、タバコ辞めたらメンタルが崩壊する。」
「あはは。お兄ちゃんっぽい。ところで…お兄ちゃんはこの世界で何してるの?」
「俺?んー…天の御遣いとして天の血を孫呉にもたらすとか…あとは…日本のモノを取り扱う商売したり…」
「お店は分かるけど…天の血を孫呉にもたらすって?」
「あー…まあ孫呉の皆と結婚して子ども作れってことだな。」
「え!?結婚!?」
「ああ…コレは先代の孫堅 文台様からの命でな…」
「なるほどー…それでその文台様は?隠居?」
「いや…戦死だな…」
「あ、ごめん…」
「いや、大丈夫だ。んで今はその文台様の長女である雪蓮、もとい孫策が当主だな。」
「ふむふむ…ところでさっきの黒髪美人さんは?」
「あれは周瑜だな」
「あの人が周瑜!さすが美周郎と言われただけあるね…孫策さんも美人だし…もしかして…この世界の人って皆、美人?」
「まあ…そうだな…綺麗系から可愛い系まで…」
「お兄ちゃんハーレムじゃん!」
「ンなこと考える前に生き抜くことで精一杯なの!全く…お前は…良いか?くれぐれも真名は呼ぶなよ?」
「はーい。」
そうして居ると…
「御使い様、玉座へお願い致します。」
「分かった。行くぞ。」
「あ、うん。」
そうして玉座の間へと行くと…今居る孫呉の重臣が勢揃いだった
「うわ…壮観…」
「良いから、ほら自己紹介。」
「あ、そうだった…えーっと三船 玄助の妹、三船 琴音です。よろしくお願いします…」
「ふむ…三船の妹か…」
「玄助くんに何処となく似てるわねー。」
「お主ら口を慎め…」
「改めて、私が孫呉の王、孫伯符よ。貴女を我々で保護するわ。」
「ありがとうございます。」
「そうね…あとは…分からないことがあればお兄さんである玄助に聞くか、冥琳…じゃなくて、こっちの周瑜、あっちの張昭に聞くと良いわ。」
「あ、はい。よろしくお願いします。」
「うむ。」
「ほう…よく出来ておるの。」
「いや、雷火さん…挨拶くらい出来るでしょ…」
「これだけの面々に圧倒されず、堂々と挨拶が出来ておることが素晴らしいのじゃ。」
「あ、なるほど。ってまるで俺はダメだったみたいじゃん…」
「お主は堂々として居ったが…不安げでもあったの。」
「そりゃ知らない土地に1人だよ?不安にもなるって。」
「ふむ…それもそうか…」
「はい、そこまでよ。」
「む…」
「琴音?貴女もこれから孫呉の一員よ。しっかり働いてもらうからね?」
「は、はい!頑張ります!」
「しかし…雪蓮。どのような仕事をさせる?」
「そうねえ…まずは玄助に付いて玄助の補佐をしてもらおうかしら。あ、あと私のことは雪蓮って呼んでいいからね?」
「はい!」
「おい、雪蓮…そんなに気軽に真名を教えるなど…」
「玄助の妹よ?いつか私達の義妹になる子に真名を教えないなんて失礼じゃない…」
「ぎ、義妹…」
「玄助。その説明はしてるわよね?」
「ああ、一応したが…」
「なら大丈夫ねー。ほら皆も真名は交換しておいてね?それでは解散!」
そうして孫呉の重臣から真名を預けられる琴音…まあ、コイツは俺より肝は座ってるし大丈夫だろう…
「ふう…疲れたぁ…」
「お疲れさん。」
「お兄ちゃんー…甘いもの出してー…」
「全く…ほら。」
チョコを出して渡す
「んー…美味しいー…」
「しかし…なんでお前まで召喚されるかねえ…」
「分からないよー…私だって寝てたら神様に会ってたし…」
「あの神は何がしたいのやら…」
「結構、謎だよねえ…」
「うむ…って…お前の部屋聞いてない…」
「あ、確かに…」
「仕方ない…客間でも使え。教えてやる。」
「はーい。」
そうして客間に案内し…
「ココが客間。好きに使え。分からんことがあれば俺の部屋に来い。」
「え?いちいちお兄ちゃんの部屋に行かないといけないの?」
「当たり前だろ…」
「だってスマホで聞けば…」
「電波が無いのに連絡出来るか?」
「あ、そっか…」
「んー…あ、そうだ。ホレ。」
「なにこれ?」
「無線だ。これ使えば連絡は取れる。」
「お兄ちゃん賢い!でも使えるの?」
「ああ、テスト済みだ。」
「やった。」
「んで、お前は俺の補佐になるワケだが…」
「うん。何すればいいの?」
「そうだな…まずは読み書きだなあ…ソレを覚えないと仕事なんて出来ん。」
「私、高校生なんだけど?」
「いや、それは知ってるが…お前古代の漢文の読み書き出来るのか?」
「あ…そっか…日本語じゃないんだった…」
「だから、まずは読み書きの練習。ほら、翻訳書貸してやるからコレ使って勉強しろ。」
「わー。ありがとうお兄ちゃん。」
「俺が作ったヤツだからな…分からんことがあれば聞いて来い。」
「はーい。」
「あと、外に出る時は俺に声かけろ。迷子になられたらたまらん…」
「分かった。」
「それじゃ、俺は部屋に戻るから。」
「うん。お兄ちゃん、これからよろしくお願いします。」
「おう。」
そうして客間を出て自室へ戻りこれから面倒を見るであろう妹のために頑張ろうと思うお兄ちゃんであった。