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謎は深まる…

「んー…」


タバコを咥え椅子の上でゆらゆらと身体を揺らす…そう謎があるのだ…何故謎の軍は、孫呉にゾンビのみで構成された雑魚に攻めさせ、魏と蜀には強力な個体で構成された部隊を展開したのか…謎なのだ。


「攻めるなら同時に同じ部隊構成で攻めるよなあ…」


紫煙を吐き呟く…


「孫呉に強力な部隊を展開出来ない理由でもあるのか…?いや、今回だけが特別だったのかも知れないし…。うーん…」


今は魏と蜀への応援として思春と明命が行っているので情報は得られるだろうが…強力な個体への対応を考えないと…


「いかん…考えることが多すぎる…」


頭をガシガシと掻きながら冷蔵庫を開け、エナドリを取り出す。カシュっと蓋を開けて一口飲み…


「ふう…しかし…謎だな…もしかして相手は戦の素人か?それとも遊んでるのか?全く分からん…」


相手の総大将、死霊術師の顔すら見たことないが…この大陸のことを知らないのか…それとも本当に戦の素人か…子どもみたいに遊んで楽しんでるのか…


「俺だったら一気に叩くけどなあ…強力な個体を操れるならそのまま力押しでこの大陸を飲み込むが…」


しかし、相手はそんなことをしてこない…ソレが読めない…何故なのか…何か思惑でもあるのだろうか…


「もしかして呉はナメられてる?」


魏や蜀には強力な将が居るが…呉には雪蓮を抜けば祭さん、粋怜、次点で思春、明命…確かに将は不足している…魏みたいに精鋭揃いでも無ければ、蜀の様に多くの武将が居るワケでも無い…


「そう考えたらちょっとイラっとくるな…ナメられてるのは孫呉の民としては非常に不服だ。」


そう思っていると…祭さんと雪蓮がやってくる


「邪魔するぞ。」


「玄助ー来たわよー。」


「呑兵衛が2人も…しかも酒持ってるし…」


「かっかっか…良いではないか。ほれおぬしも飲め。」


「来てソッコー飲まそうとしてるよこの人…」


「美女からの誘いよー?断らないわよね?」


「いや、断るけど…」


「何よー。玄助は不服なわけ?」


「今は酒って気分じゃないだけ。」


「連れないわねえ…どうせ謎の軍のこと考えてたんでしょ?」


「よく分かったな?」


「玄助が休みなのに部屋に閉じこもってるんだもの。そして玄助が部屋に籠もる時は大抵、何かしら考える時よ。それで最近の出来事から謎の軍関連で考え事をしていると推測出来るのよ。」


「おお。雪蓮って案外賢いんだな。」


「失礼ね。それくらい皆分かるわよ。だから今日は誰も部屋には来てないでしょ?」


「ああ…そう言えば誰も来てないな…」


「皆、気を利かせたのよ。」


「なるほど…んで、2人はなんで来たの?」


「気晴らしに付き合ってあげようと思って。」


「それで酒ね…」


「応。」


「本音は?」


「私達が飲みたいだけ。」


「やっぱり…。正直に本音を言ったことだけは褒められるけど…穏と包、それに要請で思春と明命が居ないんだから仕事は山積みのハズだけど?」


「厳しいこと言うわねー」


「ただでさえ人手が足りないのに2人が酒飲んでたら余計に仕事は滞るよ…」


はぁ…とため息を吐きながら…


「もー…良いじゃない少しくらい。」


「冥琳が怒髪天の勢いで怒りそうだけど?」


「その時は玄助を理由に逃げるわよ。」


「俺を口実に使うな!便利な道具かよ…」


「そこまで言ってないじゃない。」


「いや…そう言ってるモンだぞ?しっかり冥琳に叱られてくれ。」


そう言って、無線を繋ぐと冥琳の声が聞こえる


『どうした三船。』


「あー…冥琳。問題児2人が酒持って俺の部屋に居るから至急来て欲しい。」


『分かった…絶対に逃すな。』


「了解。」


「ちょっと。玄助。今何したの?」


「冥琳の声が聞こえたのう…」


「冥琳を呼んだ。2人は逃さないからね?」


そう言って2人の肩をガシリと掴み。


「ちょ…玄助?」


「のう策殿…これはちとマズイのでは無いか?」


「玄助ー逃がしてー…」


「ダメに決まってるだろ。大人しくお縄につけ。」


「それじゃ私達が犯罪者みたいじゃない。」


「仕事をせずに酒を飲む王と宿将…兵が見たらどう思うかね?十分、兵士の士気に関わると思うんだが?」


「あはは…それは…」


そうして、部屋の扉が開く。とそこには険しい顔をした冥琳…


「冥琳。2人を引き渡す。」


「うむ。ご苦労。さて、お2人とも、お話しを伺いましょう。私の部屋で。」


「あはは…冥琳…コレには深いわけが…」


「御託は後で聞く。」


ピシャリと切り捨てる冥琳…コレは相当怒ってるぞー…


「すまん、三船。阿呆が迷惑を掛けた。」


「いや、冥琳もお疲れ様。」


「うむ。」


そう返事をして、2人を連れて行ってしまった。


「まあ…今回は流石に雪蓮と祭さんが悪いよなあ…。いや、そう言えば…俺の気晴らしとか言ってたな…はぁ…仕方ない…後で2人には酒でも渡すか…少なくとも俺のことが心配だったんだろうし…」


少し反省しつつ、2人に渡すお酒の準備をするのであった。

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