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蓮華のお茶会

「玄助…居るかしら?」


「ん?蓮華?居るよー」


「入るわね?」


「おう」


蓮華が玄助の部屋に入るとそこには郭嘉と龐統が居た、ソレを見た蓮華の心中は穏やかではない…そう郭嘉と龐統に嫉妬しているのだ。


「郭嘉に龐統も居たのね。丁度いいわ。」


「これは孫権殿…丁度いいとは?」


「玄助をお茶に誘おうと思っていたの。貴女達もどうかしら?」


「よろしいのしゅか…?あう…」


「ええ、構わない。」(本当は玄助と一緒にお茶がしたかったのだけれど…この2人を誘わないわけにもいかないし…)


「蓮華とお茶か…そう言えば随分とお茶はしてなかったな。」


「それで…どうかしら…?」


「まあ…2人が良いなら…。どう?」


「私に断る理由はありません。」


「私もです。」


「なら決定だな。どこでやるんだ?」


「庭の東屋で、外の空気を感じながらお茶をしましょう?」


「分かった。凛、龐統行くぞ。」


「はい。」


「は、はい。」


「んで、お茶ってのは…俺が用意すれば良いのか?」


「え?玄助のお茶?」


「ああ、天のお茶だな」


「こぉひぃじゃなくて?」


「ああ、コーヒーじゃなくてお茶だな。前に雷火さんと包に出してみたらなかなか好評だったから…」


「じゃあ、お願いしても良いかしら?」


「分かった。用意しよう。冷たいのでも良いか?」


「ええ、貴方に任せるわ。」


「分かった。それじゃあ、凛と龐統は蓮華と一緒に先に行っててくれ。」


「分かりました。」


「はい。」


そうして蓮華と共に2人は移動する。玄助が居ないうちに聞いておくのが良いだろうと蓮華が切り出す


「ねえ…2人は玄助をどう思っているかしら?」


「三船殿を?」


「ええ、その…好きとか…嫌いとか…」


「そうですね…私は比較的に好印象を抱いています。仕事も真面目にこなし民からの信頼も厚い人物ですから。」


「そ、そうね…それで、龐統はどうかしら?」


「私も郭嘉さんと同じです…民からも孫呉の重臣からも信頼されているのが三船さんの性格からだと分かりますし…」


「そう…それで…個人的にはどうなの?その恋愛目線で…」


「私は特に…そういう目では見てませんね…」


「私もです…」


「そう…」


ほっ…と胸を撫で下ろす蓮華


「しかし、何故恋愛のお話しに?」


「それは…その…郭嘉は玄助に真名を預けているでしょう?」


「それは主である曹操様が真名をお預けになったからで他意はありません。」


「そう…そういうことだったのね。」


「しかし…夫として迎えるなら三船殿が良いと考える者は居るでしょうね…」


「え…」


「三船殿は私達を武将や軍師では無く1人の女性として扱ってくれます。なので、そのような男性は稀なので三船殿に惹かれる者は多いかと。」


「確かに…仕事上では武官や文官として接して頂いてますが、それ以外の時は女性として扱ってくれますね…」


「はあ…玄助はどこに行っても玄助のままなのね…」


「お待たせー…って何話してたの?」


「貴方の話しですよ三船殿。」


「俺の?どんな?」


「そ、それは…それよりお茶にしましょう!玄助お願い。」


「ん?ああ。分かった。」


グラスに氷を入れ紅茶を注ぐ。


「はい。アイスティーって言うお茶だよ。一般的には紅茶って呼ばれてるね。」


「いただきます。」


「いただきましゅ。」


「ん…コク…冷たくても風味は豊かなのね…」


「どうだ?」


「いつものお茶と違って違和感はありますが、慣れていないだけで美味しいかと。」


「はい…美味しいです。」


「ええ、これにはこぉひぃのように砂糖は乳は入れないの?」


「いや、好みで入れる人は居るな。飲み方は自由だ。しかし冷たいから普通の砂糖では溶けないから砂糖の代わりにコレを入れるな。」


「これは?」


「ガムシロップって言ってな?液状の砂糖って言えば伝わるかな?」


「液状の砂糖?」


「そう。液状だから冷たくてもすぐ馴染むのさ。」


「なるほど…貴方の国には色々あるのね…」


「まあね…俺の住んでた国は良い意味で色々魔改造するから…」


「変わってるのね。」


「まあ…俺達からすれば当たり前のことが異常だと思われることもあるな…」


「貴方を見ていたらそれも納得するわ。」


「確かに、三船殿はいつも冷静ですよね。」


「ンなことは無い。いつも必死だよ…」


「でも落ち着いて見えます…」


「タバコ切れた俺は落ち着きの無い一般人になるけどな…」


「そんなにタバコって重要なの?」


「俺からすれば必需品だな。」


「姉さまや祭にとってのお酒と同じね…」


「そういうこと。」


「でも、貴方って美味しい物にも目がないわよね?」


「そりゃ美味いモンはみんな好きだろ?」


「そうだけど…貴方の選ぶ店はハズレが無いって有名よ?」


「そうかな?俺は自分の好きな店に行ってるだけなんだが…」


「初めて入るお店でも?」


「んー…匂いで決めてるからなあ…」


「匂い…とは?」


「そのままの意味。メシの匂いが良い店を選んでる。」


「匂いでそこのお店の味が分かるの?」


「まあ…大体は…」


「貴方の嗅覚はすごいのね…」


「いい匂いがすればそりゃ美味いだろうよ。」


「それはそうかも知れないけれど…」


「だから普通だろ?それに他の皆も美味い店知ってるし…」


「でも三船さんの選ぶお店は毎回美味しいお店なのは確かです…」


「そうですね。三船殿の選ぶお店はハズレが無いですね。」


「そりゃ他国の使者をメシに連れて行くのに不味い店なんてダメだろう…?」


「それはそうですが…」


「だから毎回美味いメシ屋に連れて行ってるんだよ。」


「なるほど。まあ確かにわざわざ美味しくないお店に行っても嫌がらせにしかなりませんし…」


「同盟関係にあるのに嫌がらせなんて…そこまで俺は性格悪くないし、そんなことしても得が無いからな…。」


「それはそうですね。」


「しかし…メシの話ししてたら腹減ってきたな…」


「貴方…食事はしたの?」


「あ…そう言えば…今日何も食ってない…」


「はあ…全く…お茶会は終わりよ。玄助は食事をしなさい。代わりに郭嘉と龐統の相手は私がしておくから。」


「すまん。んじゃ、2人もまたな。」


「はい。」


「食事を取る時間が無いくらいお忙しいのでしょうか…」


「どうせ、貴女達が来るまで仕事に夢中になってて食事を忘れてたんでしょうね。それくらい予想出来るわ…」


「もしかして三船殿はどこか抜けている所が?」


「ええ。集中すると周りが見えなくなるのは玄助の悪い癖ね。自分の食事ですら忘れるんだから困ったものよ?」


「それは心配ですね…」


「まあ…完璧な人間なんて居ないから玄助もそういう所があって良かったと思うわ。さて、このままお喋りしてても良いけれど…城下にでも出ましょうか。私が案内するわ。」


「孫権殿直々とは断れないですね。」


「是非お願いしましゅ。」


「ええ、任せて頂戴。」


そうして蓮華は2人を城下へ案内するのであった。

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