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懐かしさも何処へやら…

「三船!帰ったか!」


「おう冥琳。ただいま。」


「お前、魏軍と一緒に戦闘行為をしたらしいな?」


「アレは仕方なかったんだよ…かり、曹操にも考えがあってだな…」


「しかし私は店を洛陽に出すと言う理由からお前の派遣を決めたのだ。戦闘を行うとは聞いてない。」


「だから、報告はしただろう?正体不明の軍が冀州に出現しソレは陽動で本隊は洛陽周辺だったと。」


「しかし…」


「すまん。心配かけたよな…でも俺が出るのも最善の手だったんだ…」


「はあ…お前がそう判断したのならそうなのだろうな…それで敵の正体も分かったとの報告もあるが…」


「ああ、敵は死霊術を使う妖術師だ。しかも凄腕のな…」


「死体で構成された軍か…信じがたいが…」


「俺は見た、あと情報なんだが、その軍が出てくる時は霧が発生する。凄く濃い霧だから弓は使えないな…」


「なるほど…それで曹操からは何と?」


「使者が居る。同盟締結の為と謝罪の使者だ。」


「分かった。すぐさま皆を招集しよう。お前は休んでいて良いぞ。」


「ああ、分かった。」


そうして何故か俺だけ外され玉座の間で使者と孫呉の重臣たちでの会議が始まった。俺は部屋に戻ろう…懐かしの我が家だ。


「ふう…やっぱりここが1番だな…」


いつもの椅子に座り、テーブルの真ん中に置いてある灰皿をコチラに寄せタバコを咥える。


「ふー…しかし…大丈夫かな…風のやつ…」


そう孫呉への同盟と謝罪の使者は風なのだ…


「まあ…風の飄々とした感じは孫呉には無いし風に文句を言っても流されるだろうな…」


孫呉は真っ直ぐな人間が多いしソレに家族的な絆もある。俺は既に孫呉の一員、ソレを華琳たちの都合で戦に出したんだ…おお、想像しただけで怖い…きっと皆怒ってるよなあ…タバコを咥えたまま冷蔵庫からアイスコーヒーと取り出しグラスに注ぐ。


「ンク…う…少し酸化してる…すっぱ…こりゃダメだな…」


窓から外へコーヒーを流し紙パックは折ってゴミ箱へ。新しいコーヒーを出しておこう…口直しだ。こういう時に俺の部屋が1階で良かったと思う、液体を捨てる時に外に流せば良いからな…まあマナー的にはどうかと思うが…いちいち流しのある所まで行って捨てるのが面倒なのだ。コレくらいは許してもらおう…。


「口直しのコーヒーは…っと、あった。」


大きめの紙パックに入った微糖のコーヒーを購入する。ぬるいかも知れないが今は口直しの方が重要だ。新しいコーヒーをグラスに注ぎ一口…


「うん…やっぱりコーヒーはこうでなくちゃな。しかし…長いな…」


まだ、話しが終わった雰囲気では無い、それに話しが終われば誰かしら来るだろう…そうして部屋でのんびりしていると扉の向こうから声を掛けられる。


「御使い様、皆様がお呼びです。玉座の間へお願い致します。」


「ああ、分かった。」


今更呼ぶのか?話しは終わったのだろうか…そうして玉座の間に入ると


「玄助。お疲れ様。あと、おかえり。」


「ああ、雪蓮。ただいま。」


「程昱からある程度は聞いたわ。大変だったみたいね。」


「まあ、そうだな…でも楽しかったよ。」


「あら?それじゃ劉備の所は楽しくなかったの?」


「華琳は礼儀があったからなソレに使いとしてウチの店に重臣の秋蘭を出すくらいだし、そこまでされては呼ばれても驚きはするが、真摯に対応しようと思うモンだ。」


「へえー…真名を交換するくらいに仲良くなったのねえー?」


「あ…。いや、これは…あの…」


皆から睨まれてる気がするってか睨まれてる!って殺気まで出さないで!怖いから!


「華琳様からの命で真名を交換したのですよーお兄さんからは一切手を出されてませんよー?」


「本当かしら?」


「玄助は美女に目がないからねえ…」


「お願いだからその疑いの眼差しはやめてくれ…」


「なら自分はそうじゃないって証明出来る?」


「どうやって?」


「三船、言っておくがどう証明しても無駄だぞ?我ら孫呉の重臣に手を出しておいて今更証明など…」


「うぐ…ソレを言われたら否定のしようがない…」


「おお、お兄さんは眠れる野獣だったのですねー。」


「風まで乗るな!はあ…そうだよ!俺は美人やら美少女に弱いよ!コレで満足か?」


「あはは。玄助ヤケクソねー」


「視線やら殺気やら当てられたらこうなるわ!んで?話しは済んだのか?」


「ええ、我ら孫呉は魏との同盟を受けるわ。」


「そうか…魏と同盟を組むということは蜀とも?」


「おいおいね。」


「そうか…。」


「さて、ここまでにしましょう。程昱?同盟の話しは後日、周瑜たちと話しを詰めてくれるかしら?」


「はいー風は異存ありませんー」


「よし、では解散!」


そうして会議は終わり俺は『家族』たちに揉みくちゃにされるのであった



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