情報交換
華琳たちの討伐隊が帰ってきてから少しして、俺からの情報でネクロマンサーがいる可能性を説明し対処方法も教えた。そんな俺はもっと詳しく情報が欲しいと言われ華琳の元を訪れていた。
「死霊術師…ホントにそのような術があるの?」
「眉唾モノだけど…当てはまるのがソレしかないんだ。ソレに敵は統率は取れて居ただろう?操ってるヤツが居ると見て間違いないと思うんだが…」
「確かに統率は取れていたけれど…突撃ばかりだったわよ?」
「元は死体なんだから複雑な命令は聞けないよ、多分突撃か撤退かの2つが主な戦術だとは思うけど…」
「確かに死体なのだから命令は聞けても簡単な命令にしか従えないわね…それでも命令を聞けるだけ凄いと思うけど…」
「余程の能力者なんだろう…数万規模を動かせるんだからな…しかし気になるのがあの霧だ…」
「確かに、私達の方でも霧が出てたわね…」
「多分、あの霧の関係あるんだろうけど…死体も無いし確かめる術も無い…」
「出来るだけ明確にしておきたかったのだけれど、貴方の情報だけでこちらとしては十分過ぎるわ。対処法が見つかったのだものこの情報は劉備の方にも流しておくわ。貴方はもう呉に連絡しているのでしょう?」
「ああ、悪いな勝手に…」
「いいのよそれくらい。今は大陸に共通の敵が現れた。それを撃退するために諸侯と通じて対策をすることが重要よ。」
「今の諸侯で言えば大きく分けると華琳の魏、そして孫呉、あとは劉備の蜀か…」
「そうなるわね…でも蜀は劉備のことだから協力するとは思うけど…呉はどうなの?」
「野放しには出来んだろ…もし雪蓮がダメだと言っても俺が説得するさ。」
「まあ、何にせよ、この三国の協力は必要ね。」
「うむ。まあいざとなれば丞相の立場から勅命を出せばいいしな。」
「簡単に言ってくれるわね…」
「漢の共通の敵を討つ為に参陣せよとか協力しろって命を出せばいいだけだ。簡単だろ?」
「ホントに人任せね貴方。」
「丞相にしか出来ないからな…華琳しか居ないし…」
「分かったわよこちらでも動きましょう…でもいつ現れるか分からない軍への対応なんて出来るのかしら…」
「大陸中に細作を放つしかないな…」
「簡単に言うけれど…それなりにお金も時間もかかるのよ?」
「それは承知の上さ。でも敵を討つためなら必要経費だろ?」
「貴方、他人事のように言ってるけど、呉もそれなりの出費が出るわよ?」
「ウチの内政担当は漢のためならいくらでも使うさ。多分…」
「多分って貴方ねえ…」
「いや大丈夫だって。孫呉も動くさ。俺の独断では決められないけど…」
「それはそうでしょうけど…なんか貴方と話して居ると気が抜けるわね…」
「いや、俺は真面目だぞ?ちゃんと情報も渡したし…」
「その情報も確実なモノでは無いでしょう?」
「でも考えうる限りこの情報が一番正しいと思うんだが…」
「確かにそうかも知れないけど憶測で物事を進めるワケにはいかないわ。」
「うーん…そうか…」
「しかしその情報も大事なのは確かよ。礼を言うわ。」
「いやいや…共通の敵が現れた今こそ情報の共有は必要だろ?」
「わざわざこちらから呼んだ目的と違うことまでさせた上に戦にまで駆り出して…こちらとしては不徳の致すところだわ…」
「大丈夫だって。俺が無事なんだから恨み言も言われないだろうよ。」
「しかしこちらにも問題があったのは確かよ。」
「華琳は硬いなあ…雪蓮なら笑って許してくれるさ。」
「一応コレは国としての問題なのだけれど…」
「俺から言っとくよ。大丈夫だったって。ソレに敵の正体も分かったし、こちらとしても美味しい話だ。」
「そう言ってもらえるだけありがたいわ…」
「これからどうするか…」
「とりあえず貴方を呉に返すわ。そして使いも出して今回の謝罪と改めて同盟の使者とするわ。」
「分かった。じゃあ支度しないとな…」
「ええ、ありがとう貴方が居て助かったわ。」
「こちらこそ、世話になった。」
そうして数日後、使者と共に建業へと出発するのであった。
ようやく建業に戻ります