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お題シリーズ6

迷子 石ころ

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2025/05/15



 石ころが迷子になった。


 親を探してあっちこっち、うろうろしてみる。


 けれど、親は見つからない。


 石ころは心細くて泣きたくなった。


 えんえんと、実際に泣いてみた。


 でも、まわりの石ころは助けてくれない。


 なぜなら、石ころは誰かを助けたりしないからだ。


 石ころというものは、じっと、心を閉ざして、一人で生きる生き物だから。


 ふつうの石ころは、他の石ころに声をかける事なんてしない。


 誰にも手を差し伸べられないから、迷子の石ころは悲しくてたまらなくなった。


 悲しくて悲しくて、だから何度も泣いて、親を探しまわった。


 しかし、見つからないまま時間が過ぎる。


 迷子の石ころは、気が付くと大人になっていた。


 子供の石ころではなくなってしまった。


 それでも、小さい頃に親と離れ離れになった記憶は、迷子の石ころの心を痛めてやまなかった。


 やがて、その迷子だった石ころにも子供ができた。


 子供は、小さくてかわいい石ころだった。


 とてもとても大切で、愛らしい石ころだった。


 けれど、かつて迷子だった石ころは、泣く泣く子供の前から姿を消した。


 そうすることが子供のためだと、本能が訴えかけていたからだ。


 やがて、その子供も迷子になり、泣いたり、親を探したりするようになった。


 でも、親は手を差し伸べてはいけないのだ。


 子供はそうやって成長する。


 石ころの子供はそうやって育ち、心を固くして、閉ざす方法を身に着ける。


 なぜならそれが石ころで、


 そうする事で、石ころという生き物は成長していかなければならないのだから。



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