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第77話 圧倒

 

 この前は遊ばれるだけで勝たせてもらったようなモノだったんだけど、もうあの時と違う……リベンジを果たす!!


「いい気になるなよガキ共……お前の炎の魔法さえ警戒していれば何の問題も無い!どうせ連携は最底辺だからな!!」

 

 私の炎の特性を忘れていたくせによく言う。

 

 魔王教団の男はエキナに任せて、私達はこの4人を捕える!!

 

 蛇の捕獲依頼を失敗しちゃったけど、少なくともこの人達の方が弱い。

 ただ敵は後が無いと焦っている様子でこっちの命なんて考えていない。


 ダクトは太刀を抜き放って真っ先に私へ攻撃してくる。

 

 咄嗟に避けたんだけど、太刀の触れた地面は少しだけヘコんだ。少しでも地面をヘコませるほどの力を込めているのだから殺すつもりなんだろう。


 私はフーリア達3人の所へ寄ってダクトが無暗に攻撃できないようにする。舐めていても4人相手に無謀な突撃をしてこなかった。


「あぶな……」

「ちょっとあいつルークを殺す気だったわよ!こんのぉ!!」

「ちょ、フーリア待って!!」

「何よ……今からあいつを殺すんだけど?」

「殺しちゃ駄目だってば……!!」


 突然物騒な事を言いながらダクトを睨み、今にも飛び掛かって行きそうな勢いだった。とりあえず腕を掴んで引き留める。

 

「ちょ……」

 

 その時フーリアは少し顔を隠していた……そんなに怒らなくてもいいのに……。


 だけど力が抜けて引き留めるのは案外簡単だった。

 とりあえず頭を冷やして貰ってちゃんとチームでやらないと!!あいつらは曲がりなりにも冒険者だからね……。

 ある程度の死線は潜ってきているはず。

 

「ま、まずは一緒にやろ!あのダクトとかいう奴の力見たでしょ?闘技場の時は手加減してたみたいだし」


 ヘコんだ地面を指差してフーリアに理解を求めた。

 いつもなら「知らないわよ」の一言で無視されるんだけど……以外にも今回は話を聞いてくれた。


 作戦の立案なんて向いてないと思うけど、うまく皆を活かして勝つんだ!!

 

「ユウリ、魔法行ける?」

「狼狩りでツルを操ったり、誰かさんの炎を受け止めるために魔力を結構使っちゃって、残り少ないけど」

「ごめん……あんまり無茶できない?」

「少しくらいならいけるよ!」


 何故かドヤ顔を決めるユウリ。可愛いけど少し油断しすぎかな……。

 そう思っていたんだけどユウリがなぜここまで余裕なのかは次の瞬間理解することになる。

 

 魔法を使ってダクト達の足元から木の根を操り、それを鞭のように扱う。


「テールウィップ!」

 

 魔力の消費を最低限に抑えて、だけどちゃんと威力が高くてダクト達は何度も叩きつけてくる木の根を避けるか受け止めることしかできない。

 だけど避けられようが受け止められようがお構いなく何度もバンバンッと叩き続ける。


「魔法の制御ができてなかった私の魔法で足をとられてるくらいだよ?今の私ならこれくらいの魔力消費でも少しの時間なら動きを封じられるわ!」

「なるほど……じゃあ魔法をうまく使ってフーリア達の支援できる?」

「任せて!」


 ユウリの自信満々の応えに私は頷いた。

 私はフーリアとショナを見つめる。なんと2人は私が目を合わせただけで何を訴えているのか理解してくれた。

 

 すぐさまダクト達の方へ向かって行く。


 ユウリはダクト以外の3人の足止めをする。ダクトはユウリの魔法攻撃を逃れたものの、すでにそこへはフーリアとショナが追撃に向かっていた。

 力業のダクトを2人がかりで抑え込む。

 

 大きな太刀を2人で受け止め、渾身の力で跳ね飛ばすとダクトのバランスが崩れる。


「くそ……なめんなよ!!」


 バランスを崩したものの地面へ倒れそうになる寸前で踏ん張った。敵ながら体幹の強靭さに驚いてしまう。

 エキナが言うにはあまり強くないと言っていたけど、冒険者としての実力はあるみたい。バランスを完全に崩した状態から無理やり踏ん張ってみせて横薙ぎに太刀を振るう。


 パワーはフーリアとショナを合わせて同時に受け止められるレベル。


「この馬鹿ゴリラ!!」

「フーリア!少し離れて!!」

「……分かった。でもすぐ近くに付いてる」

「ありがと」


 2人もダクトを倒すために連携する。

 

 ショナの雷の剣は触れたモノへ電流を通す。ダクトのパワーを一人では抑えられないけど、電流を身体に流すことで痺れさせた。


「うぐっ!?」


 一瞬だろうけど、ダクトの動くを封じる事に成功する。

 

「フーリア!!」

「そう言う事ね。首を跳ねて殺してやる!!」

「殺しちゃダメだって!気絶させるだけね!!」

「ちっ……分かったわよ」


 ギリギリダクトを殺すことなく、風の剣を突き付けて身体を吹き飛ばす。

 剣をダクトの顔に触れる直前で止めたので殺してはいないけど、風で身体を吹き飛ばされて山の木に激突。

 

 ぶつかった木ごと倒れてダクトは伸びていた。


 なかなか、えげつないというか……無防備な相手に対して結構容赦のない風の攻撃を与えていた。

 確かにダクトはムカつく奴だけど、どうしてそこまで恨んでいるのか……。

 もしかして闘技場でやられたことを結構根に持ってたのかな?


 まあとりあえずこれでダクトは無効化させた。

 残りの3人はダクトほどの実力は無く、ユウリの魔法から逃れられていない。

 私はそこへ炎の魔法を放ち、一掃する。もちろん死なせない程度に抑えてね。


 ダクト達4人は地面に倒れ、私達のリベンジは何とか達成できた。

 

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