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エピローグ


 私の長きに渡る戦いは終わった。


 魔法の神が発動した転移の光を私とサツキの合わせ技で反射することにより、次に神様達が作る世界へ行ってしまった。


 あの魔法の神がやったことは許せないし、許すつもりはない。


 だけどそれはルーク=バレンタインとして、この世界の住民としての考えで、また私が死んで転生することがあれば次こそは女神とした約束を果たしたいと考えている。


 私にはもう記憶は無いけれど、前世で約束したまま果たさないのは嫌だからね。


 でも今だけはルーク=バレンタインとしてこの世界を生きたい。


 そんな我儘な事を考えながら空を見上げていると……サツキが声を掛けてくる。

 

「さっきの約束……本気かルーク?」

「次の世界に転生することがあればの奴ね。ええ、覚えて無いけど、前の私がしたなら守るよ」

「そうか……その時は俺も一緒に行っていいか?」

「ま、まあ……神様が許可してくれたらね」


 サツキまで付いてくるというのはちょっと意外だった……。


 いや、魔法の神が前の世界を捨ててまで、この世界で私に会いに来た事を考えると同じようなモノなのかもしれない。


 だってまあ一応……サツキの気持ちはわかったし……。


 サツキと目が合いそうになると何故か逸らしてしまう。


 するとその様子をまるで面白くないような顔で睨むフーリアが……。


「ちょっと!神を殺すくらい愛が深ーいのは解かったけど、私は認めないわよ!」

「殺してはいないけど……そういえばフーリアも素直な気持ちを叫んでたね……」

「そ、そうよ……!!」

「ごめんフーリア!!」

「――ッ!?」


 記憶がある状態なら私の前世は男性だったので可能性はあった。


 というかその時はフーリアのことも多少なりに異性として見ていたんだけど、恐ろしいほど今はそれが無い。


 これも記憶を代償にした結果だろう。


「そんな……」

「ごめんフーリア……」

「……いいわよ、それなら私も次の世界で転生して次は男として私がルークを守ってあげる!!!!」

「……私は女確定なの……?というかこうなってくると来世が大変そうだから死にたくなくなってきたんだけど」

「……死ぬと言えば、ルークが命を使って魔法を使った事まだ怒ってるのよ!!」

「うげっ⁉」

「それに関しては俺も同意見だ」


 サツキとフーリアに詰め寄られているとさらに奥からショナ達3人も……。

 

 このあと、被害に遭った街の復旧と死傷者を運んだりする合間に常に怒られ続けた。


 黙々と作業しながらも隣でガミガミ仲間達総出で説教を受けて頭がおかしくなりそう……。


(どうして記憶ある状態の私は命を代価したのか……また会えることがあったらぶん殴ってやる!!)


 最後に自分の前世の姿に会ったことを思い出しながらそんなことを考える。

 

 しかしそんな時でもルーフェとダインスレイブの身体を埋葬する時は皆静かになってくれた。


 皆なりの気遣いだろう。


 2人の埋葬を終えるとミツキがメイビスを連れて来る。


「墓参り中もうしわけないのだけれど、この子どうするのよ」

「メイビスは私が面倒を見るよ。アナも居てくれるしね!それにあの子は血は繋がっていないけれど、唯一残してくれた最後の子供だし」

「……そう、しばらくはハーベストに拠点を移すのよね?それなら私も手伝ってあげるから」

「本当!?」

「ええ、サツキをそのまま渡すわけ無いでしょ!!」

「そこぉ……?!変わらないねミツキは……。また会いに来ます2人の師匠……」


 後80年で世界から魔力は徐々に失われていき、いずれ崩壊を始める。


 それまでに世界を保つ方法を探さないと……やるべきことはまだたくさんだ。


 そんなことを考えていると突然ルーフェのお墓から人の気配を感じた。


 振り返るとそこには亡くなったルーフェと紅蓮が一緒に立っていて、2人は微笑んでいる。


 最後に私に会いに来てくれた……というよりは何かを伝えているようだった。


 声は聞こえないけれど、なんとなくこう言っているように感じる。


『ボク達に任せなよ』

『最強の俺達がなんとかしよう』

『だから君は君の約束を果たしてね。この世界と次の世界での』


 そこまで感じ取った後、2人はどこかへ消えてしまった。


 どうやらこの世界の事はあまり心配する必要は無いのかもしれないし、師匠なりに私に心配させまいと気遣ってくれたのかもしれない。


 どうなるか分からないけど、あの2人ならどうにかしてくれるかも……。


「なら私は、あなた達の分まで生きて、約束を果たします」


 澄み渡った空を見上げて、そう決意する。


「さて、早く皆の所へ行かないと…………また怒られないといいな……」

 

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