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第314話 信頼と勇気


 ネプチューンはレオの身体を乗っ取ることでその力を行使できるようになった。

 

 レオは炎の剣士なので身体の温度が一般人より高い。


 私ほどではなくても水の身体だと凍ってしまうデメリットがこれでなくなってしまった。

 

 魔力と剣を封じていてもこれじゃあ意味がない。


 それならもういっそ、全て解放しておく、次は不意打ちなんてさせないんだから!!


 合体した2人を見てショナは驚きの声を上げる。

 

「そんなのってあり……⁉︎」

「レオの身体だから水の精度は落ちるかもだけど、これはいいわね」

「レオの声と身体でネプチューンが話してるよ……レオネプチューンだぁ……」

「変な名前を付けないで、ネプチューンでいいわ」

 

 ネプチューンの攻撃は精度こそ前に劣るものの、その激しい攻撃を全て避け切るのは難しい、なんせ水の鞭が10本自在に動いて襲ってくるから。

 

 

 するとネプチューン空から降る雨を避けるくらい不可能な水の攻撃を放つ……細かい練度よりも勢いで当てるスタイルに変わっていた。


 一撃が雨粒のようにダメージは少ない……と言っても流石に雨粒よりも当たったら痛い。

 

 その上、少々面倒くさいことが起きている。


「あちっ……この水、超高温で触れると火傷するぞ!!」


 私にはそこまで問題は無い温度だけど、普通の人からすれば触れるだけで火傷してしまうという。

 

 雨のように空からではなく横方向に向かってくる水の弾丸。


 その勢いはガトリングガンの如く、無差別に私たちを襲ってくる。

 

 水のガトリングのせいで近づくことが出来ない。


 純粋に魔力量がネプチューンとレオのものを合わせた合計になっているせいで手数も多い。

 

 どれだけガトリングの雨を振らせても全然魔力が無くなる気配を感じられないので、徐々にこちらの戦力が削れていくだけだ。

 

 怪我をしているマツバとユウリは早い段階で脱落してしまった。


 倒された訳じゃなくて二人で魔法を使うことで水を防いでいる。

 

 植物は何層にも重なって硬い防壁を張っているが、そのあまりの勢いに少しづつ削られている。


 あの防壁は長くは持たない……早く決着を付けないと二人が危ない‼︎

 

 仕方なく私は水の弾丸を身体で受け止めながら前へ前へと突進していく。


 私としてはそこまで熱くないので多少は大丈夫なんだけど、忘れては行けないのがこれが攻撃魔法ということ。

 

 巫女服に隠れていない肌は水の弾丸を受けて徐々に傷が付いていく。


 1発はそこまでの威力はないのに、数があまりにも多いので全く同じ部分に何百回とぶつけられてしまい、徐々に肌が削れていく。


「くっ……」

 

 大雨の中を顔の前に両腕を持ってきて水を直接当たらないように進んでいくように少しづつ近づいていく、そして何とかネプチューンの懐に潜り込んだ。


「炎帝焔纏い」


 身体強化を使って一撃の火力を大幅に増加させる。

 

 私は魔法を使えないと貧弱な女の子なんだけど、この魔法を使えば強靭な肉体を持った大人だって一撃で沈めるほどの威力を手に入れられる。


 私はその威力を誇る拳をネプチューンのお腹へ叩き込んだ。


 しかしあまり手応えがない。

 

 確かに私の拳はネプチューンのお腹に直撃している。


 しかしよく見てみると私の拳とネプチューンのお腹の間には水が割り込んでいて衝撃を水で抑えられてしまった。


 薄い膜のような水でも衝撃の緩和が出来て、さらに驚くべきことに私の身体から炎の熱が奪われていく。

 

 水はネプチューンの魔法だけど、炎の熱を奪っているのはネプチューンの魔法ではなく、レオのものだと思う。


 おそらくあらゆる炎を自分のものにしている。身体強化魔法は無属性ではなく炎の属性で強化する特殊なものだ。

 

 炎を剥がされると私は文字通り、か弱い女の子でしか無かった。


「よっわ」


 レオの声でそんなことを呟くネプチューンは直後。


 水と炎を合わせた大技を繰り出して、私に攻撃してきた!!


 炎を纏っても取られてしまうので意味が無い。

 

 か弱い女の子の身体でこの攻撃を受け止めることは不可能だ。


 すると私の背後から水の刃と風の刃が通り抜けて、その攻撃を受け止める。


「サツキ!フーリア!!」


 二人が王子様のように駆けつけてくれたけど、あまり余裕があるわけじゃないみたい。


「くっ……やばいなこの威力……」

「ふんばりなさいよストーカー男!!」

「ストーカーじゃないけど……ルークのために押し負けてたまるかぁ!!!!」

「なっ⁉︎ちょ……わ、私だってぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええ!!」


 2人は何故か助けに来てくれたのに喧嘩を始めてしまう。

 

 お互いに譲れないみたいな空気が漂い、2人の攻撃を受け止める力が増す。


 口喧嘩している所を聞いて何しに来たんだと思ったけど、以外にも相性はいいのかもしれない。


 そんなことを考えているとネプチューンの頭上からドカーンッ!!と大きな音が響き渡る。


 空から雷というの名のショナが降ってきた。


 まともに食らっていればネプチューンでもただでは済まない。

 

 しかしショナの攻撃は元々レオが持っていた剣に防がれてしまう。


「嘘ぉ!?」

「目障りな雷……消えなさい!!」

「危なっ!?」


 攻撃のターゲットをショナに変えてくれたおかげでピンチを脱することが出来た。

 

 ショナは身体を雷に変えてその場を離脱することで攻撃を避けた。


 アーミアとの戦いで得た力がここでも役に立つ。

 

 私達は再び横並びになってお互いに体制を整える。


「まあなかなか厄介だけど」

「俺たちならやれるはずだ」

「そういう事!一緒にやるよルーク!!」


 1人で突っ込んで行った私とは違って、みんなで戦おうと提案してくれる。

 

 みんなの頼もしい背中を見据えながら、ネプチューンとの戦いが再開する。

 

 だけどみんなの体力ももうわずかだろう……だから、ここで決めるんだ!!!!

 

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