第147話 裏切りの生徒達
物語に関係ありませんが、前の風邪が完全に治っていなくて昨日は投稿できませんでしたm(__)m
今日からはちゃんと毎日投稿します!
魔王教団へ寝返ったエステリア学校の元生徒達が協力して巨大ワニの居た湖を占拠していた。
どうしてここでエステリア学校の元生徒達が……。
いや、あり得ない話じゃないか……そもそも魔王教団と戦うとなれば彼ら彼女らと相まみえる可能性があるのは分かっていたはずだった。
「お前らは……!!」
ラグナ達に圧倒されて捕まった元生徒達を見て、私達にちょっかいを掛けてきた貴族の生徒は驚いていた。
しかしそんな様子を冷ややかな目で魔王教団へ寝返った元生徒達は見ていた。
「何だよその目……」
「ふん、何も知らない奴らは羨ましいな」
「なんだと?」
「あの学校に残った貴族なんてくそくらえだ!どうせ魔導騎士の犬なんだろうなぁ!!」
「あぁ!?」
あの時、魔王教団はエステリア学校の生徒達へ魔導騎士を倒すという意思を聞いて行ってしまった。
まず魔導騎士に恨みがあるのは間違えないだろう。
ただ……この湖と魔導騎士、どんな関係があるのか分からない……。
いや……そうでもないか……?
魔王教団のマレフィックと名乗る魔導騎士が前に巨大ワニを持って行った。
その時に言っていた……何らかの秘密があると。
あれは巨大ワニの事だと思っていたけど、おそらくあの遺跡だろう。
マレフィックが巨大ワニを調べても何も無かったから戻ってきたと考えるべきか。
じゃあやっぱりマレフィックはこの沼地に居る可能性が高い!!
しかしマレフィックだって魔導騎士なのにどうしてこの人達は協力しているのか。
問いただしたいところだったんだけど、外の騒ぎを聞きつけて沼地のある洞窟の出入り口から続々と魔王教団が出てくる。
「マジかよ……」
その様子にラグナは驚いていた。
私達がルエリア王国に居ない間、魔王教団を進んで倒していたらしいし、まだこんなに残っている事に驚いたんだろう。
「人数が多い……!ロナ手伝えよ!!」
「言われなくとも……!!若いあなた達も参戦しなさい。大丈夫!私達が居るからフォローするわ」
ロナは優しい口調と表情で私達を安心させるために声を掛けてくれる。
その言葉に応えるように私達にちょっかいを掛けてきた男子生徒が洞窟から出てくる魔王教団へ斬りかかる。
「はい!ロナさんのため……このルシアス=ブルーシー……全力で敵を退けます!!うおおおおおおおおおおおっ!」
美しい女性に鼓舞されて勢いが付いたのかルシアスは果敢に向かって行く。
私達のちょっかいかけてきた男子生徒……ルシアスって言うのね。
全然名前の知らないんだよね。
ロナに鼓舞されてやる気を出したわけだけど、女性に応援されるとかんばってしまう気持ちはわかる。
私も女ではあるけど前世がね。
やる気になった男性冒険者達は向かってくる魔王教団を退ける。少ないながらも女性冒険者は居るんだけど……今の所は私達の出番は無さそうだ。
それだけ圧倒していたということ。
しかし倒した魔王教団の人達の中には当然の如く、エステリア学校の生徒が居る。
ルシアス達は最初こそ元エステリア学校の生徒を見て躊躇っていたんだけど、だんだんその歯止めが利かなくなる。
「はっ!何が魔王教団に寝返ったって!?俺達の方がつええんだよ!!」
なんだか雲行きが怪しくなってきた……。
私達は決して魔王教団に寝返った生徒達を倒しに来たわけじゃない。
だけどこれじゃあそう思われてもおかしくない……。
「ちくしょう……この貴族共がぁ!!」
「平民はやっぱ平民らしく魔王教団みたいな集団の仲間になっていればいいんだよ!!」
実際実力のほどはルシアスが圧倒している。
しかしそんな発現は冒険者達の耳にも届いていて、皆あまりいい顔はしていない。それどころかルシアスを蔑む人までいる。
そこへ洞窟の奥から魔王教団の1人がゆっくりと歩いてくる。
なんだか雰囲気が他の元生徒とは違うように感じる。
「平民平民というが……何も知らない貴族共はやっぱ馬鹿だな」
「あ?……ってお前は!?」
先ほどまで勢い付いていたルシアスはここで手を止める。
しかしその洞窟から出てきた魔王教団の1人は笑いながら近づいてきくる。そして凛々しい声で叫ぶ!!
「私はライカ=グランディー元エステリア学校の生徒よ!」
「どうしてお前が……!!」
相手は元エステリア学校の生徒であり……ルシアスと同じ貴族のだった。
ライカ=グランディー……女性の貴族だけど、どこか雰囲気がおかしい。
見た目は女性で顔を綺麗に整っているのにボサボサの髪で服も汚れていてガサツに見える。
まるで顔は女性で中身は男性……?
中身が違うこの状況に私は見覚えがある……ハーベストで戦ったリゼルの時と似ている気がする!!
「まさか……!ルシアス!一旦退いて!!」
「あ?ルーク=バレンタイン……お前みたいな辺境貴族の指示なんか――」
その先の言葉を口に出す前にライカによってルシアスは吹き飛ばされる……。
ルシアスは確かに私の事を見ていて油断していた……それでもルシアス程の実力があればある程度は反応できるはず。
それなのに全く反応出来ていない……外付けで力を得たような、この感じは間違えない!!
「リゼルの時と同じ奴だよ!!」
私は気を引き締めさせるためにフーリア達にそう伝えた。




