Exp.0.3『終焉』
それは、突然のできごとであった。
城に招待され、王に対し謁見中。
ガチャン、首元に槍が突き付けられ、俺は、跪いた。
「おいおい、何の冗談だ?」
俺は笑いながら答えた。
するとギルドメンバーの3人は、俺の前にへらへらと立った。
「ごめんねぇ~お前みたいなレベル『1』、本気でギルドメンバーになれると思ったかぁ?」
「バカだなぁ~レベル『1』だからバカなんだ。ガハハハッ」
――ガチャリ!
「これで、よしっ!」
――俺の右足に丸い鉄球。
「どうしたんだよいったい。冗談だよな」
「利用って言葉知ってる? これが目的だったんだよね」
「利用……売られるのか俺」
「すごい。察しがいいね。奴隷」
「ドゥゲール王国に奴隷を1体でも差し上げれば、ゴールドが大量に貰えるんだって、優良なキャンペーンだよな」
「なんでだよ! 前線に立って戦ったのは俺だし、俺の知識があったから」
「お前は、仲間ではなくて、お金だし、クエスト達成の材料だったんだよ」
嗜虐的な笑みを浮かべ、ギルドマスターは、俺の前で金を光らせた。
「ふ、ふざけるな!」
「残念だったな、奴隷ちゃん……」
ぐはっ!
後頭部に鈍痛……。
―――――――――――――――!
「何を、しやがった……」
――――――――――――――――――――――――――。
――――――――俺は、抵抗もできずに……。
視界は狭く真っ黒になった。
ウーガァルルァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア。
クォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ。
誰かの唸り声で目を覚ました。
ここはどこだ。
……暗くて汚い檻の中。
「そうか、俺は……」
檻は、奴隷になった者の巣窟だった。
――――――LEVEL SERVICES――――――
この世界には、人間を測る『ものさし』が存在し、人はそれを『レベル』と呼ぶ。
『レベル』はこの世界での基準。
学校の入学、帝国の採用、地位も全てが『レベル』で片付く。
『レベル』があることで……『レベル』が比べる材料だったために……俺の人生は狂いだした。
いや、もう産まれたときから狂っていたんだ。
――――――LEVEL SERVICE――――――
「殺し合いをしましょう」
兵士はそう言った。