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蒼海の軍神と真珠  作者: 秋月 菊千代
1章 嫁入り編
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5 下船準備



 夜半過ぎ。

 仮眠明けにコレットが確認すると、相変わらず不審船は後方をついて来ていた。盛大な舌打ちが漏れたのを聞いて、エドガーと交替していた副操舵手のベンが笑った。


 エリックは航海士の部屋で古い海図を広げていた。


「レヴェラントには、僕は初めて行きますねぇ」


 ティムは笑顔を浮かべつつも不安そうだった。


「俺も二度しか行ったことがない。自分の領地だっていうのにな」


 五年前に父王が亡くなり長兄アーネストが即位した際、弟達は爵位と領地を賜った。

 外交官として尽くしていたクラウディオには南部の交易の要衝ロナンを、海軍に所属していたエリックにはレヴェラント島が与えられた。

 それまで何十年もレヴェラント島に渡った者はなく、半ば伝説の島のように語られていたが、今でも王家の所領に名を連ねているし、海図にもはっきりと存在している。


 領地といっても人が住んでいるわけでもないので、エリックは拝領したときに確認しに行ったのと、レディ・エスター号の処女航海として三年前に行ったきりだ。あとは定期的に見回っている海軍の巡視船が異常の有無を確認している程度だろうか。

 ここ百年ほどは大きな戦争もなく、ブライトヘイル本島の南方側が攻められることもなかった為、レヴェラントは重要視されてこなかった。しかし、その島があることで、その海域もブライトヘイルの領土だと主張できているので、重要な島ではある。


 そもそもこのレディ・エスター号は「島に行くには船が必要だろう」と王が言い出した為に建造が決まった船だったりもする。エリック本人は気づいていないながらも、異母兄姉(きょうだい)達は末弟の彼に相当甘かった。

 嘗て大海賊が根城にしていたというレヴェラントは、古い砦跡があるだけでそう大きくもないが、島を守るように入り組んで大きな岩礁が多く、レディ・エスター号ほどの大きさになると近づくのも難しくなる。しかし、深く大きな入り江があるので、身を隠すには十分な島だ。


「この海域の最新の航路図の管理は南方支部だったな」

「そうですね。でも、これでもなんとかなるでしょう」


 アテルニアを出港後は大きく遠洋に進み、そのまま西回りにレヴェラントに回り込み、北側の入り江に船を寄せる予定だ。

 このあたりの海は冬に近づくと荒れやすく操船が難しくなるが、そこは有能な航海士と操舵手の腕に任せることになる。


「奥方は降ろされないんですか? クラウディオ殿下と一緒なら安全でしょう」


 仮眠に入ってくれるように伝えに来たコレットが、エリックに尋ねる。

 それはエリックも考えていた。船室でじっとしていてくれればいいが、女性というものは戦闘状態に入ったときにどうなるかわからない。恐怖で失神でもしていてくれればある意味安全で楽だが、恐慌状態で騒がれたり暴れられるのだと厄介だ。


 確かにクラウディオは信頼のおける人物だし、ミシェットが気を許している様子も見られるので、同行させるには最適な人物だといえる。

 異母兄弟の中で一番おっとりとしていて、何処となくゆるっとした空気を纏う次兄だが、射撃の腕前はかなりのものだ。エリックも剣や体術では勝てても、銃だけは彼に勝てない。なにかあっても切り抜けられるくらいの頭も腕前も持ち合わせている。


 しかし、非武装の貨客船に乗り換えることが、エリックには引っかかっていた。

 ミシェットは命を狙われて国を出ることになった。その原因が取り除かれていないのだから、今後も命を狙われる可能性は高く、伴って来た二人の従者だけを連れて下船するクラウディオに、そんなミシェットを任せることは少し不安があった。


「――…あの船は、もしかすると、ミシェットを狙ってきているのかも知れない」


 えっ、とコレットとティムは顔を上げた。

 聞いてくれ、とエリックは今回の結婚の経緯を話し始めた。

 結局のところは、ヴァンメール公国のお家騒動に巻き込まれているのだ。その当事者があんなにも幼い無力な少女だったから、あのアーネストでさえも同情してこの面倒な話を受けたのだろう。


「黒幕がわかっているのに、なにもできないんですか」


 コレットが呆れたように零した。

 まったくの同意見だが、他国の継承権に関することなので、エリック達の立場からはなにも口出しできない。ヴァンメールの法に従うしかなく、それがアイリーンを裁けないのだから仕方がない。


「そういう話だったら、無理に降りない方がいいかも知れないですね」

「やっぱりそう思うよなぁ……」


 ティムの言葉にエリックは溜め息を零す。

 軍船であるこの船は頑丈に出来ているし、ブライトヘイル海軍籍の船の中で最速を誇る足もある。そういった理由もあり、目が届くところにいてくれた方が安心という気持ちもあるのだ。


「まあ、あの小ささなら邪魔にもなりませんしねぇ」


 コレットがしみじみと呟く。ティムも笑って同意した。

 確かにミシェットは小さい。九歳という年齢から見ても小柄な方だと思う。エリックが片腕で抱き上げられるくらいだから、体重もかなり軽い。

 無駄にはしゃいだり騒いだりすることもなく、大人しくエリックの後ろをちょこちょこついて回り、邪魔になりそうだと感じると離れて行く。船酔いで体調が悪くて寝てばかりのくせに、料理人達に文句を言ったり、掃除夫に嫌味を言うお付きの侍女達の方が、よほど騒がしくて鬱陶しい。


 ヴァンメールから迎えた四人の女性達の中で評判がいいのは、ミシェットと乳母のニーナだけだ。若いエリカとジャンヌは見目もよかったので乗組員達の間で噂になりはしたが、その気位の高い態度と物言いに、すぐに興味を失くされたようだった。

 期待が高かった故に大きく失望された侍女達とは逆に、花嫁として乗船して来たミシェットの初見の評判は憐れんだものが多かった。乗組員達は士官も下士官も、直接関わることもない水夫に至るまで、エリックには同情したものだったが、そんな年上の見知らぬ男と結婚させられた少女にも同情していた。それはエリック自身の耳にも届くほどに広がっている話題だった。しかし、微笑ましい光景を見ているうちに、それもまたひとつの夫婦の形なのだろう、と誰からともなく納得していっていた。


 同乗してまだ片手で足りる日数にしかならないが、大柄なエリックのまわりをとことこと一生懸命ついて回る小さなミシェットの姿に、船員達はかなり和んでいるようだ。操舵手のエドガーなどは自分にも同じくらいの子供がいるので、ミシェットが歩き回っている姿を楽しそうに眺めていた。


「仮眠を取るついでに、ちょっとミシェットと話してくる。降りるかどうかは本人に決めさせるよ」


 溜め息をつきつつ立ち上がり、凝り固まった肩と首をぐるりと回した。


「こんな時間にですか? まだ子供だし、寝てるんじゃないですかね」


 コレットに呆れたように言われ、今が深夜だったことを思い出す。まわりが同じように起きていると、誰もがまだ活動している時間帯なのだと思ってしまうのだ。

 仕方がない。明日改めて話そう、と考えていると、ノックの音がした。

 出て行くついでに開けてみると、ニーナが立っていた。寝間着姿に肩掛けを掻き合わせているような姿なので、もう寝支度は整っているようだ。


「えっ、と……ばあやさん? どうかしましたか?」

「ニーナです。夜分にこんな身形で申し訳ありません、殿下。ですが、どうかお耳にお入れ願いたいことがございまして。少しお時間を頂いてもよろしいでしょうか?」

「構いませんけど……」


 丁度仮眠に向かうところだったので問題はない。コレットにあとのことを頼み、ニーナと共に航海士室を後にした。


 甲板に出ると寒いし、かといってエリックが居室に使っている士官室には、クラウディオも同居している。もう寝ているだろう異母兄の横で話すのは遠慮してやりたいのだが、と考えていると、明け渡した艦長室へと案内された。

 ますます話し声を立てるわけにはいかないではないか、と思うが、ニーナは扉を開いて中へと促す。

 仕方なく従って入ると、潮騒に紛れて苦しげな呼吸音が聞こえてくる。


「……ミシェットですか?」


 微かに混じる聞き覚えのある苦しげな喘ぎ声に、エリックは小声で確認する。ニーナは無言で頷き、部屋の奥の寝台へと進んで行った。


「傷が痛まれているのです」


 ランプに小さく火を入れながら、寝台を囁き示す。

 いつもエリックが使っていた寝台を覗き込むと、小さな姿が丸まって更に小さくなり、毛布に包まって震えていた。

 小さなミシェットは泣き声を上げると迷惑になると考えているのか、唇を噛み締め、ぽとぽとと涙を零しながら眠っていた。


「いつから……」


 幼い少女の苦しげな様子はかなり胸にくる。こちらまで痛くなってくるような気がしつつ尋ねると、夕食のあとからだ、という答えが返る。


「あまり無理をなさるとまだ痛まれるのです。今朝は私が船酔いの侍女達の世話をしていたもので、薬湯をお渡しするのを失念していまして……ミシェット様にはお可哀想なことをしてしまいました」


 昨夜もその前も痛んでいたのかも知れないが、初めての船や海に出たことなどで興奮していて、それを感じていなかったのかも知れない。


「船医を起こしましょうか?」

「それには及びません。鎮痛薬をお飲みになりましたので」


 傷口が開いているとかそういうことではないので、船医に用はない。ただ、こういったことになっていることを、一応は夫であるエリックに報告をしただけなのだ。

 以前から夜になると痛むことがあったらしい。薬湯を飲んで暖かくして眠れば、翌日には痛みが引いているような状態で、あと半月もすればそれも治まると御殿医は見立てていた。しかし海上は宮殿にいるよりも冷えるから、少し無理をすれば痛むのだろう。


 本人が痛むときは杖がいると申告していたこともあり、杖を必要とせずに楽しそうについて回っていたので、もうたいして痛まないのだろうと安易に考えていたエリックは、己の気の回らなさに後悔の念が募る。もう少し様子を気にかけていればよかった。

 苦しげに涙を零している幼い妻の様子に、エリックは考え込む。


「……ニーナさん、ちょっと外に」


 声を落として乳母を誘い出し、そっと部屋の外へ出る。怪訝そうな顔をしている彼女に、不審な船に尾行(つけ)られていること、アテルニアでクラウディオが下船すること、その後、レヴェラント島方面に不審船を誘い出し、もしかすると交戦するかも知れないことを話し、ミシェットも下船させるかどうか考えるように伝えた。

 ニーナは驚いたようで、ハッと双眸を瞠った。


「その船は……アイリーン様の手の者なのでしょうか」

「わかりません。公女の命を受けた者かも知れないし、この船自体に用のある者かも知れない。国旗も規定旗も掲げていないし、多くを確認できるほど近い距離でもないので、警戒だけをしている状態です。わかっているのは、恐らく軍船だろうということだけで――不甲斐なくて申し訳ない」

「いいえ、そんな……」


 無駄な争いを避けようとしていることくらいはニーナにもわかる。それでもこんな話を聞かされれば不安になるのは道理だった。

 ニーナはエリックからの話を反芻し、自分の中で結論を探す。


「――…殿下は、ミシェット様がこちらを降りられた方が安心ですか?」


 しばらくして零された質問は、答えにくいものだった。言葉を選んでからゆっくりと口を開く。


「交戦するかも知れないことを考えると、安心は安心です。彼女はあの状態ですし……。ただ、目の届くところにいてくれる方が自分的には安心でもあります」


 今回の結婚は、ミシェットの身を守る為に取り交わされたものだ。力を尽くして彼女を守るということは、大公にもしっかりと約束してきた。その為にも、自分の傍にいて欲しいという気持ちは強い。

 けれど、先程の苦しげな様子を見ていると、慣れない船旅は身体に負担になっているのではないだろうかとも思う。


 エリックの言葉に、ニーナは困惑を隠せないようだ。彼の意見はどちらも理解できるものだが、年寄りの考えを言わせてもらえば、下船して乗り換えた方が安全のようにも思える。


「わたしはミシェットの意志に任せようと思うんです」


 彼女が下船を望めば、護衛の為に自分の従者をつけるし、信頼できる異母兄とその従者もいる。腕に覚えのある男が四人もいれば、ミシェットを守るのに問題はないだろう。

 逆にこのままの状態を望むのならば、エリックも部下達も全力を尽くして彼女を守る。

 ニーナにそのことを告げると、彼女もそれに同意を示し、明日の朝、ミシェットが目覚めたら判断させることにした。

 下の士官室で仮眠をとっているので、なにかあれば遠慮なく呼びに来てくれ、と言っておいたが、幸いにも起こされることはなく、いつもと変わらずに夜は明けた。




「お船を降ります」


 乳母から事情を説明されたミシェットは、静かな声で答えた。

 昨夜彼女を苦しめていた脚の痛みは引いたらしく、顔色は悪くなかった。そのことにエリックはホッとする。

 もう少しなにか悩んだりするものかと思っていたが、拍子抜けするくらいあっさりと、ミシェットは下船を決めた。


「大丈夫ですか?」


 逆に心配になって尋ねるが、ミシェットは淡く微笑んで頷く。


「はい。クラウディオ様がご一緒なら、心配ないと思います」


 問題ない、と答える小さな主人の言葉に、ニーナも驚いていた。

 あれだけエリックについて歩いていたのだから、一緒にいたいとかなんとかごねるかと予想していたのだが、実際はそうでもなかった。驚くほど聞き分けよく、下船することを希望している。

 本人が望むのだからそれでいいのだろう。エリックは不安そうにしているニーナを見て頷き、そのように手配することを告げて出て行った。


 アテルニアへの入港は、昨夜の風がいい向きでよく進んだこともあり、今日も風が順調ならば、予測より少し早い時間帯になると思われる。風向きがよければ更にもう少し早まるかも知れないが、正午より早いことはないだろうということだ。


「荷物を纏めないといけませんわね」


 まだ少し青い顔をしたエリカが、溜め息交じりに呟いた。滞在が十日近くになるからといって、あまり広げていなくてよかった。すぐに纏められそうで安心する。

 立ち上がって動き始めたエリカに続き、ジャンヌも同じく動き始める。その際に故郷から伴って来た自分の飼い鳥の籠を引っ繰り返した。覆いをかけられていた鳥籠の中からけたたましい鳴き声が響く。


「お騒がせして申し訳ありません」


 慌てて謝りつつ、覆いを外して中の様子を見ていた。

 ミシェットは鳥が生きていたことに驚いた。彼女がずっと飼っていたという鳥を連れて来ていたことは知っていたが、ずっと覆いがかかったままだったし、鳴き声も聞こえていなかったので、実は剥製なのではないかと思っていたのだ。

 鳥に怪我などはなかったらしく、覆いを戻して棚の上に避けると、ジャンヌはエリカと共に荷造りに戻った。


「二人とも、気分が悪いのはもう大丈夫なのですか?」


 壊れやすい小物などに油紙を巻いたりしている二人は、つい昨夜まで船酔いで横になっていたのだ。今もまだ少し顔色が悪い。


「ええ、もう大丈夫ですわ」

「ご心配をおかけしてしまい、申し訳ありません。今日からはきちんと職務を全う致しますので」


 体調を案じるミシェットに、二人は揃って笑顔で答えた。本当は全快というわけではないのだろうが、動けないほどではないし、主人の前でいつまでも寝込んでいることなどできるわけがない、という侍女としての矜持が見受けられる。

 それならばいいのだが、と思いつつ、安静にして二人の行動を見守ることにする。


「今日は忘れずにお飲みくださいね」


 大人しくしているので丁度いい、とニーナが薬湯を持って来た。ミシェットは嫌な顔ひとつせずに受け取り、苦い薬をちびちびと飲み下した。

 飲み終わったカップをニーナに戻すと、口直しに小さな砂糖菓子を渡され、それも食べてしまうと手持無沙汰になり、しょんぼりと視線を落とす。

 しばらくしてなにか思い出したかのように立ち上がると、寝台まで行き、毛布の上からエリックの軍用外套を取って来る。上に掛けて寝ていたので皺になっていないかと心配したが、そうでもなかったようだ。広げて丁寧に畳む。


 本当はエリックと少し離れ難く感じている。出会ってからまだ数日だが、お互いの空気感が合っているのか、彼と一緒にいると安心するのだ。

 溜め息を零しつつ、畳んだ外套を見つめた。


(お返ししないと……)


 これから北の海に入ればもっと冷えてきて必要だろうし、いつまでも借りているわけにはいかない。


「それ、洗いましょうか?」


 外套を見つめていたミシェットに気づいたジャンヌが、作業の手を止めて尋ねてくる。今日も天気が崩れそうには見えないので、今洗っておけば夕刻までに乾くだろう。

 暗に汚れていると指摘されているような気がして、ミシェットは少し落ち込んでしまう。汚したつもりはなかったのだが、裾は何度か引きずってしまっているし、洗ってから返した方がいいのだろうか。


「……エリック様のところに行って来ます」

「大丈夫ですか?」


 椅子から降りると乳母が心配そうに声をかけてくる。大丈夫、と答えてとことこと外へ向かった。

 しょんぼりとしたような後ろ姿を見て、ニーナは眉尻を下げて溜め息をついた。


「随分と懐かれましたね」


 畳んだドレスを詰めながら、エリカが呟く。口調に嫌味なものは含まれず、意外に感じていることだけがまわりに伝わった。


「捨てられた子犬みたいですわ」


 寂しげな後ろ姿がそう見えなかったか、とジャンヌが同意を求める。主人に対するには失礼な言い方だったが、確かにそのように見えなくもない。そうね、と応じたエリカは微かに笑った。


 ミシェットが自分で下船することを決めはしたが、本意ではなかったのかも知れない、とニーナは思う。

 元々周囲の空気を察することに長けているというか、大人じみた気遣いをする子供だったが、年齢の割に我儘も少なく、聞き分けがよすぎるのが心配だ。立場的にもっと自分の意見を通すことも許されるのに、ミシェットは決してそれをしない。

 この縁談が決まったときも素直に受け入れ、国を離れることになったときも涙ひとつ流さず、周りの言葉に静かに従っていた。


 けれど、ここ数日、珍しく自分の意思を見せ、それでエリックの傍に行っている。これはいい変化なのだろう、とミシェットが生まれたときから見守って来たニーナは思う。

 幼いミシェットがエリックに向けている感情が、信頼なのか、芽生え始めた淡い恋心なのかはわからないが、覚悟も決まらないまま見知らぬ土地で暮らすことになった彼女にとって、大切な気持ちであることには違いない。

 不審船のことが早く解決し、また一緒にいられるようになればいいのだ、と願わずにはいられなかった。




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