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竜門の十哲~最強の10人は再び集う~  作者: 柊 楓
第1章 19歳-チル村編-
7/50

第5話 寝床確保!!

村の入口に着くと、村に四つある建物のうちの一番大きな家から青年が一人出てくる。


どの家も木造で、吹けば壊れてしまいそうなボロ屋だった。果たして私は寝られるのでしょうか、不安です。


青年は私より少し低いくらいだろうか。金色の短髪で明るい茶色の目、グルド人だとひと目でわかる。


「あなたは?先程魔獣の叫びが聞こえたはずです。冒険者ならば討伐してほしいのですが...?」目の前の青年は警戒一色で尋ねる。


一般人がこんなところにこんな時間には来ない。冒険者が魔獣からこの村に逃げてきたなら魔獣が村に来るから出ていけ、と言外に本心が聞こえてくる。まあ、普通そう考えるだろう。


「私はジン。冒険者だ」

彼の顔が強ばる。私が強引に村に逃げ込むことを危惧(きぐ)しているのだろうか。


「魔獣の叫び声を聞いたでしょう。魔獣はどうなったのですか」

青年は間髪入れず、

「熊の魔獣だと聞きました。倒さずにここまで来たのなら我々はあなたを迎え入れるつもりはありません」


彼の手と声はうっすら震えている。ここまで警戒された経験はないので私の心も寂しくて震える。


何もそこまで言わなくてもいいだろうが、冒険者はこのための職業だ。怠慢(たいまん)されては、青年たちの命が消える。


「ああ、倒した」

青年はその眼力(がんりき)をいっそう強め、目で疑う。


ここに偶然来たのは、駆け出し冒険者(ルーキー)などではなく、【プラチナ】級冒険者。とてもとても強い冒険者なのだ。


「ほら」

「え?」

呆ける青年。私が取り出したのは、魔獣の装甲。まだ生暖かいそれは、月の光を浴びてきらきら光る。


それを見た青年の顔は驚きに、そして安心へと変わった。


「倒されたのですね...!これは失礼しました」

「いや、当然のことさ」

さて、ここからが本題である。絶対に失敗できない。


「ああ、それと...。」彼に村に泊まっていいかと訪ねようとした時、彼が出てきた家のドアがから人が出てくる。


今まで不安で(のぞ)いていたのが、青年の対応の軟化で安心したのだろう。私がそれに気づいたことに気づいた彼は、

「少し待っていてください」

と家へ走っていく。


改めて村を見渡す。きっと男手の少ない村なのだろう。最近地方の高齢化が進んでいると聞く。明日は少し手伝いをしてから帰る方が、後味(あとあじ)がいいだろう。


青年は家の中に声をかけたらしく、ぞろぞろと子供たちが出てくる。おや、家の数の割には子供の数が多い。


ワラワラと近づいてくる子供たち。大人が出てこない。シャイなのだろうか。


「大人たちはまだ中かい?」

「いえ」

答えを裏切られないと思った質問を裏切られた。


「これが住人全員ですよ」

彼が指したのは、およそ30人の子供たち。


この村は、子供たちだけの村(ワンダーランド)だった。

【キャラ紹介】

ケイン


18歳にしてチル村の村長を務める好青年。

金髪明るい茶目のグルド人。

笑うと光る白い歯は、長年欠かしていない歯磨きの成果。

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