ツィルニトラ登場!!
前回のあらすじ:進化した。最終進化形態になった。でも限界突破とか条件を満たして進化とか、まだまだ道はあるそうだ。主人公の頭が良すぎて死にスキルと言われる周辺探知を使いこなした。周辺探知、めっちゃ便利〜!ワームの大群とあった。
ーー種族:サンドワーム(ランクC)
名前:なし 状態:通常 LV:22/125
HP :156/156 MP:99/99
ステータスは防御と物理が高い、酸を吐いて攻撃するーー
ふふふふふ。ワームたちは経験値になってもらうよ。
ワームが届かないところまで飛び上がる。
そして私は闇魔法を、アロエは炎をぶっ放す。
すると、ワームがいたあたりの地面が、ごっそり消えた。
闇魔法が当たった部分が、直径10mほどの円形にえぐられて、消えて、消し飛んでる。
えぇぇぇぇ!?
闇魔法威力おかしくない!?
いやいや、おかしいでしょ。
倒した対象消えちゃってるし!
ついでに近くにあった木も消滅しちゃってるし!?
『リリーちゃん……今のって闇魔法……?』
『えっ、うん。闇魔法ってやばくない!?』
『リリーちゃん……威力おかしいでしょ。なんで地面消してるのよ。』
『えっいやー……なんか地面消し飛んだね。』
はぁぁー……
とアロエに盛大に溜息をつかれる。
えっ私が悪いの?
地面と木を消し飛ばして森林破壊したんだから悪いか……?
『そういえばリリーちゃん、闇魔法(上)だったね。闇魔法ってMPめっちゃ使うらしいからむやみやたらに放たない方がいいよ。っていうかリリーちゃん、ほんと魔法についてはやばいよねー。闇魔法はまだ高位の魔物や強い魔族なら使える人もいるけど、空間魔法や重力魔法なんてもはや伝説だよ?それを両方って。世界中探しても両方使える人なんていないと思うなー……』
ここにいるけど……
確かに闇魔法一発でMP100使ったわ。全MPの約半分。
これ2発撃ったらMP切れるわ。
他の魔法は1発10ぐらいなのに。
Cランク10匹を一撃でやれるんだからそんなものか……?
Cランク10匹ほど倒して私はレベル32、アロエはレベル20になった。
あっけなくレベリングが終わってしまった。
そろそろ魔の森を堂々と歩けそうだ。
ある程度の敵は倒せるし、勝てない敵相手にはワープで逃げられる。
ねぇ世界辞典。今まで行ったことのある道が 地図として示されるスキルってある?
【スキルポイントを500消費してスキル《マップ》を習得しますか?】
やっぱりあった。前世のラノベでもこういうスキルあったんだよねー。
ちなみに、世界すべての地図を見れるのはないの?
RPGでよくある全体マップみたいな。
【スキル《世界地図》を習得するにはスキルポイントが足りません。】
あるんだ。まぁとにかく、いまはマップを取ろう。
【スキルポイントを500消費してスキル《マップ》を習得しますか?】
YES。
【スキルポイントを500消費してスキル《マップ》を習得しました。】
【《マップ》:今まで行ったことがある道の半径1km以内を地図として保存し、見ることが可能。行ったことがない所も、漠然とした地形だけなら閲覧可能。地図の見え方はカスタマイズ可能。】
さっそく試そう。
【どのように表記するかをイメージしてください。】
うーん。RPGでよくあるマップみたいな感じがいいかなー。地図として使いやすいのがいいなー。
RPGのマップ風にした。
視界の隅にマップが現れた。おぉ。不思議な感じ。
自分は青丸、アロエは緑丸、敵は赤丸、それ以外は灰丸で表されているみたい。
あの洞窟は、ファフニールの住処、と表示されている。
そして、私達がいた家と来た道のりが示されている。
これを使えば、あの森に帰れる。
そのことをアロエにも言った。
『すごいじゃん!やっと魔の森から出られるね!!』
と喜んでた。私も嬉しい!!
ファフニールに報告する。
『レベル20超ええたから魔の森から出ることにするよ。もう魔の森を歩けるぐらいには強くなったと思う。だから、魔の森を出たいと思う。勝てない相手がいたら戻ってくるけど。』
『もう行くのか。早かったのじゃな。』
『うん。スキル使って帰り道見つけるつもりだから、たぶん迷わず帰れるはず。』
『そうか……。』
『ねぇ。ファフニールも来ない?』
『我は邪竜に戻るため、魔の森で修行するのじゃ。だから行くことはできない。』
『そっか……』
ちょっと寂しいな……
『これを持って行ってくれぬか?』
そう言ってファフニールは達に赤い、ソフトボールぐらいのサイズの宝石玉っぽいものを渡してきた。
『これは、遠くからでも話すことができるうえに、相手がどこにいるかも分かる通信魔道具じゃ。これで離れていても話せるし、会いにも行ける。』
おぉー。GPS付きの電話みたいなものかな?
『空間収納で持って行ってもいいから、家に着いたらちゃんと出しておくんじゃぞ。』
『うん!ありがとう!!』
『もう行くのか?』
『うん……。夜の森を歩きたくないから、今いくよ。』
『『ファフニールありがとー!元気でね!』』
そうして私達はファフニールと別れた。
マップ通りに森の中を飛んでいく。
時々Cランクの魔物が現れるが、上空からの一方的な攻撃で倒していく。
空を飛ぶ魔物も、重力魔法で叩き落としていく。
そんなに強い重力はかけられないけど、飛んでるのを落とすぐらいなら可能だからね。
順調だね!!
強い魔物とエンカウトしないといいな。
私達はどんどん森を進んでいく。
すると、目の前に黒いドラゴンが現れた。
えっ!?ドラゴン!!!?
ーー種族:ツィルニトラ(ユニークドラゴン)(ランクSS)
名前:ツィルニトラ(カルティア) 状態:通常 レベル:842/1000
情報の取得に失敗しました。
魔の森の主。魔法を得意とする。特に闇魔法は世界を壊せるほどの威力だという。友のファフニールが人間に殺され、怒っている。人間が滅ぶのはもはや時間の問題だろう。ーー
やばっ!にげよ!
《ワープ》っ!!
あれ?ワープできない。なんで!?
『我から魔法でにげられるわけなかろう。我は魔の頂点ぞ。ワープぐらい妨害できるわ。』
私、死んだわ。
『我は今機嫌が悪い。だから黙って話を聞け。お前達から、我が友ファフニールの魔力を感じる。心当たりは?』
『あ……えっと、ファフニールと会って戦い方教えてもらったりしました……。』
怖い。睨まないでー。
『どういうことだ?ファフニールはついこの間死んだのだぞ。ふざけてるのか?』
『違います!!なんかファフニール、死んで、生まれ変わったそうなんですよ!!トカゲに!!』
『ほぅ……?』
うぅ、怖い。おっきいドラゴンに凄まれてる。
アロエも助けてよぉ。
『とりあえず信じるとして、ファフニールは今どこにいて、何になっておるのだ?』
『ここからずっとあっちに進んだところの洞窟です!!ポイズンリザードだったと思います!!』
そう言って来た道を指し示す。
『ほぅ。もし違ったら承知しないからな。』
そう言ってツィルニトラは去っていった。
死ぬかと思った。怖かったー。何もなくて良かったー……
早くこんな森抜けよー!
そう思って私とアロエは足を速めた。
魔の森を歩くこと3時間ほど。
途中昼食をとったりしながらも、順調に、強い魔物にエンカウトすることもなく進んだ。
ツィルニトラは戦ってないしノーカンで。
たぶんあと10分ほど飛んでいけば魔の森を抜けるはず。
なんか飛んでる途中で《高速飛行》を手に入れたし。
このまま何事もなく魔の森を出られるといいな。
と思った直後、私達はAランクとエンカウントした。
直立歩行して腰みの付けてる牛だね。
ーー種族:ミノタウロス(ランクA)
名前:なし 状態:通常 LV:22/125
HP :156/156 MP:99/99
ステータスは防御と物理が高い、強い力で斧を巧みに使うーー
えー!強!
Aランクなら言葉がわかるかもしれない!!
『こんにちはー。』
ぐるるるるるるぅー!
だめだ。終わった。
『リリー!とりあえず上空から一方的に攻撃して、危なくなったらワープで逃げよ!』
あ、そっか。私達は上空から一方的な攻撃が出来るもんね。
それに危なくなったらワープで逃げられる。
わりと卑怯だけど、強いね。
というわけで、ミノタウロスの上空へ。
Aランク相手だし、闇魔法いこう。
今出せる最大火力で……
直径3mほどの黒い球がミノタウロスに飛んでいく。
ミノタウロスにその黒い球がぶつかる寸前、ミノタウロスが、その斧で、
黒い球を斬った。
斬られて散布する闇魔法。
えええええぇ。魔法って物理で斬れるの!?
攻撃しても全部切られる。
アロエも、
『こいつ、攻撃全部斬るし、石化も効かないし、生殺与奪でエネルギーも奪えないし、生殺与奪でステータスあげても届かないし、僕には無理かも。』
と、お手上げの様子。
うー。そろそろこんな高く飛ぶの限界なんだけど。疲れた。墜落して殺されるかも。
血従魔で従魔作っても瞬殺、血の弾丸も斬られる。
うーん。あとは、《ベルゼブブの魂》でベルゼブブになれるんだっけ……?
使ってみよ。
っ!?
身体が熱い。力が湧いてくる。
これなら、世界中のものを食いつくせる
前世から私に辛い思いをさせた人間、この世界。
世界を滅ぼせる!?
この世界も、地球も、皆憎い。
すべて食らいつくし、すべてを自分の糧にし、神をも超えるすべてを支配する、王に。
ブモォォォ!!
ミノタウロスが斧を振るってきた。
邪魔。
ミノタウロスを適当に1発殴って殺す。
まず手始めに、この森ぶっ飛ばすか。
手に魔力を貯める。
半径3km以内にあるすべてを消滅させる闇魔法を形成。
と、その時、私の意識が途切れた。
ーーあれ?私、何してたんだっけ?
確かミノタウロス倒そうと《ベルゼブブの魂》を発動して……?
『お前が暴走したから我がぶっ飛ばした。』
ツィルニトラ!?
『ファフニールと無事再会できて礼を言いに来たらお前がベルゼブブの姿になって森を消滅させる魔法を放とうとしてたのだ。だから我がぶっ飛ばした。』
記憶は曖昧だけど、確かにそうだったような気がする。
『迷惑かけてごめんね……。』
『大丈夫だよ。なんともなかったし。』
『禁忌スキルにはそれ相応の代償がある。無闇に使うでないぞ。』
そうだね……。気をつけよう……。
そう思いながら、ミノタウロスの死体を空間収納に入れる。
あ、そうだ。ツィルニトラならあれを知ってるかもしれない。
『暴食と生殺与奪の代償ってわかる?』
『暴食と生殺与奪?まず、禁忌スキル持ちは他の生物に嫌悪感を与え、問答無用で敵とみなされる。我のように強い存在には効かぬがな。暴食は、エネルギー吸収率が悪くなり、大量に食べなくてはならない、腹が減ると狂化状態になる、狂化状態になるとすべてを憎み、食らいつくそうとする。まぁベルゼブブ化みたいなかんじだ。仲間だろうが何だろうが殺して喰らおうとする化け物になる。』
『生殺与奪は、定期的に生物の命を奪いたくなる。だいたい1ヶ月に1度も生物を殺さなかったら、狂化状態になる。狂化状態になると、全ての生物を殺したくなる。これも仲間だろうが何だろうが殺したくなる。さらに、殺した相手に仮染の命を付与し、眷属にして操り、戦力を増やしていく。恐ろしい化け物になるぞ。』
『あとは、2つとも神に反するスキルだから神と敵対することになる。それから、寿命が縮む。』
そんな代償があったの!?そして寿命が縮むって………
『ねぇリリー。超高位の、それこそ伝説級の魔物になれば、寿命っていう概念はなくなる。それに、嫌悪感を与えるのは、逆に好かれるスキルを取れば相殺出来る。狂化も、狂化状態にならないようにすればいい。何とでもやりようがあるよ。』
アロエが言った。
そうなんだ。代償にそんな抜け道があるとは……。
『我は礼を言いに来ただけだからもう帰る。ファフニールがまってるからの。とりあえず、礼として加護をやる。ありがたく受けとれよ。』
加護?まぁとりあえず、
『『ありがとう!!』』
アロエとお礼をいう。
『うむ。さらばだ。』
そう言ってツィルニトラは飛び去っていった。
私達はまた、魔の森を歩き出した。
頑張って、禁忌スキルの代償の、寿命を何とかしよう。
そのためには、頑張って強くなろう!!
目指せ最強!!!
ツィルニトラっていう言い方よりジルニトラの方が有名かなぁ……
個人的にはツィルニトラの方が響きが好きです。
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