第二話 反乱
ドドドドという馬の大群が走る音が聞こえ出したころ。五人を含む100人の兵士は武器を手にし、戦う準備は整っていた。内乱軍はざっと200人。圧倒的に相手が多いのだが、内乱軍の武器はほとんどが錆び付いた剣だった。一方で、兵士軍の持つ武器は様々なものがあった。
例えばシルの持つ武器は弓矢、銃と遠距離での戦いに有利な武器だ。そういった類いの武器を持つ兵士は既に攻撃を開始していた。ただ、そのほとんどは相手には当たっていなかったが、相手の進行を遅らせるのには十分だった。
シロイラが持っているのが槍の様な武器で、中には槍と薙刀を両方持っている兵士もいた。槍の先は鋭く尖っていたが、石を叩いて作っただけのように見えた。それもそのはず、槍は人にたいしてではなく馬にたいして使う武器だからだ。
クロイラが持っているのは剣だ。その他にも剣を持っている者はちらほらといたが、クロイラだけは日本刀を二本所持していた しかし、抜き身の状態ではなくまだ鞘に収まった状態だった。
ヒロガが持っているのはヒロガの肩ほどはある大きなハンマーの形状をした武器を手にしていた。(正直僕もなぜこのような設定にしたのか、はたまたこんな武器はあるのか、意味不明です。後の戦闘シーンをお楽しみ下さい。)
ハルヴィンは腰に剣を吊り、手には弓矢という何とも不思議な格好をしていた。おまけに背には大きな剣|(何に使うの)を背負っていて非常に動きにくそうに見えた。
「ハルヴィン、見栄は張らなくていいから」
「うん、ごめん」
シルに注意されたハルヴィンは大きな剣をおろし、弓矢を置き腰に吊っていた剣も武器は全て置いてしまった。
そうしている隙にも内乱軍はどんどん迫っていていた。そして、あと20mというときだった。シルが大きな声を出した。
「撃ち方やめ!一軍二軍、クロイラに続いて前進!」
クロイラが率いる二つの軍が一斉に動き出した。一直線に内乱軍にむかって行き、攻撃を始めた。
まずは二軍と呼ばれる槍部隊が馬に攻撃をして馬の動きを止める。その隙に騎手を剣で切り裂く。それはクロイラ達にとって慣れたくなくても慣れてしまった作業の様なものだった。
「続いて三軍、援護準備!前進!」
三軍とよばれた兵士がヒロガを先頭に一気に走り出した。内乱軍の手前に来たとたん、担いでいたハンマーを一気に地面に叩きつけた。その瞬間大地が振動し、内乱軍の多くが落馬してしまった。それに飛び付いた一軍が一瞬で内乱軍を切り裂いていった。
「あのさ、シル」
「何、ハルヴィン」
「僕は何軍?あと何をすればいい?」
「…兵士が死にかけてたら行っていいから」
しかし、シルの言った死にかけている兵士は一人もいなかった。