表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
下賤の冒険録  作者: 賀来裏 然
7/7

第一章 7話 フォルティナの想い

少し遅れてすいません。ならべくはやく書くようにします。

 ----翌朝ーーーー


 

「イーバン殿!!起きてください!!!娘が...娘がいないんです...」

 フォルティナの父親は焦りながらイーバンを起こした。


「ど、どうしたんですか?」

 イーバンは目をこすりながらフォルティナの父親に言った。


「フォルティナがいないんです。今朝、部屋に行ってみるといなかったんです」

 父親が深刻そうに話しているが、イーバンは寝ぼけていてよくわからない。

 すると、スルッと布団からフォルティナが出てきて、


「パパ朝からうるさいよ。静かにして」

 そう言いながらまたスルッと布団の中に入っていった。

 

 しばらくして事の重大さをわかったイーバンはフォルティナを起こし謝った。なにせ一国の皇女が下賤と寝ていたのだ。


「あとで、わたしの部屋に来なさい。フォルティナもだ、いいな?」

 フォルティナの父親は何かを考えているような顔つきをしイーバンの部屋をあとにした。


「まずい...。これはまずい...。」

 イーバンは逃げることが得策だと考え、逃げ出そうとしたがフォルティナがしがみついて離さない。


「どこにも行かせない!!」

 その顔には怒りや悲しみ、懇願までもが混ざった表情で、言葉では言い表せない表情をしていた。もう逃げられないと判断したイーバンはゆっくりとイスに腰を下ろした。


 そして、数時間後イーバンとフォルティナはフォルティナの父親の部屋にいた。


「イーバン殿よ、説明はできるんだろうな?」

 フォルティナの父親の顔は怒りに満ちていた。


「いえ、そ、そのですね、あのー」

 イーバンが言葉に詰まっているとフォルティナが、


「わたしが一緒に寝たいって言ったの!!わたしの意志なの!!!!」

 フォルティナは立ち上がり父親に面と向かってハッキリと言った。同席していた母親は驚きを隠せない様子であった。父親も同様である。

 理由は、フォルティナはエルフの中でも大の人族嫌いなのである。それが人族と一緒に寝たいと自ら言うことが信じられなかったのである。


「それは本当か?」

「うん!!」

 そして、母親からとんでもない発言が飛び出す。


「フォルティナ、あなた好きなんでしょ?イーバン君のことが」

 何を言ってんだ!この母親はっとイーバンは思っていると、フォルティナは顔は次第に赤色になり始め、


「はい。イーバンがす...きです。」

 おいおい爆弾発言だぞ!エルフの国の皇女が下賤を!?ありえない。いや、あっちゃいけない事だ!


「まってよ、フォル!ぼくは何かフォルに好かれるようなことをした!?」

「それはね、助けてくれたこと。エルフなのに優しくしてくれたこと。これだけじゃ足りないならいくつでも言えるよ?えーとね」

「わ、わかったから!!」

 イーバンは恥ずかしさからフォルティナが話している間に割り込んだ。


「やっぱりね!さっきからイーバン君のことしか見てないじゃない」

「イーバン殿、フォルティナと寝るってことは婚約の覚悟はできているってことだよな!?」

 少し大きな声を発した父親がイーバンに婚約のことを言った途端、イーバンの表情は暗くなった。


「婚約は、出来ません」

「なんでよ!!イーバン!!!こんなに好きなのに…」

 フォルティナが泣きそうな顔で聞いてきた。既に涙は頬をつたっていた。


「理由を申してくれるかな、イーバン殿よ」

 真剣な眼差しをイーバンにぶつけていた。イーバンは今まであったことを話した。剣姫と婚約していたこと、自分が街に来たせいで多くの人が死んだことなど色々と話した。


「そうだったのか...」

「ですから、フォルとは婚約が出来ません。ぼくと一緒ではフォルが不幸になってしまう」

「や....だ。。」

 フォルティナは泣きながらイーバンに抱きついた。


「やだやだやだやだやだ!!!!!」

「で、でも...」

 駄々を捏ねているフォルティナにイーバンは困っていた。


「フォルティナ、あなたはどうしたの?」

 母親が優しくフォルティナに聞いてきた。


「イーバンと結婚したいもん!!」

 フォルティナはさらに泣きじゃくりイーバンを強く抱きしめた。


「なら、イーバン君のハートを奪ってみせなさい!わたしも同じ手を使ってあなたの父親のハートをうばったのよ」

 母親はフォルティナに助言をした。その助言を聞いて、フォルティナの顔は一気に晴れた。


「そうだよね!ママありがとう!絶対にイーバンのハートを奪って結婚するんだから!!」

 そう言ってフォルティナはイーバンにキスをした。


「ち、、ちょっと、フォルなにを!?」

「ふふふ」

 魔女のような笑みを浮かべているフォルティナに対して両親は驚きのあまり口をポカンっと開けたままであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ