第1章 4話 剣姫との別れ
投稿が遅れて申し訳ございません。
体長10mをも軽く超える怪物がそこにはいた。目玉が3つあり体が緑色。まるでゴブリンである。
(あれは、ゴブリンなのか?いや、ゴブリンキングよりも
何十倍も強い。ぼくが仕留めてやる)
ゴブリンキングはゴブリンの中に稀に生まれるというゴ
ブリンの王。ゴブリン自体は統率力がないのだが、ゴブリ
ンキングが生まれると一変して、計り知れない統率力が生
まれる。すでに、怪物の周辺には大量のゴブリンがいる。
「あ、あれはなんだんだ...。」
アリスは絶望の端まで押し出されたように恐ろしい気持
ちになっている。
(あれは、おそらくゴブリンキングだ。しかし、ゴブリン
キングは家よりも大きいはずがない。そうしたら、あれは
なんなんだ...。)
「アリス、ぼくはあの大きいのに行ってくる。アリスはゴ
ブリンたちをお願い」
イーバンはそう言うと、一瞬にしてアリスの視界から消
えた。
「え?旦那様!?」
アリスは周辺を見渡しイーバンを探すが、見当たらない。
「旦那様は、いったい....。」
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イーバンは既に1000体近くのゴブリンを倒している。が、巨大な怪物のところまで辿り着けていない。
「多すぎる。ゴブリンキングよりも統率力があるのか。」
イーバンは焦っていた。騎士たちの行動が早く住民の避
難が出来たのだが、それでも死者はおそらく多い。街も半
壊。あの怪物のせいなのか、ゴブリン自体も通常の何倍も
の力を発揮しており、騎士たちを苦しめていた。
「私が来た!もう安心しろ!!!」
アリスはイーバンと別れて数分後騎士たちの前に現れた。
アリスが現れてから嘘のようにゴブリンが殲滅されてい
く。
騎士たちもアリスが現れるとやる気が奮起され、ゴブ
リンを殲滅していく。
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「ヤットココマデキタカ」
巨大な怪獣は地の底から響くような声をイーバンに向けて放った。
「あなたはは何のためにこんなことをやったんだ。公爵」
イーバンは龍神族の技の1つに人のオーラが見ることができる技がある。オーラはその人特有のをもっており、人探しや気配を消した敵を見つけることができる。
イーバンは巨大な怪獣の前に立ったときにそいつのオーラを見たら、公爵と一緒だった。
「オマエㇵアリスㇳフツリアイダ。ワタシㇳアリスㇵケッコンスルンダ!!!」
「そんな理由でこんなことをしたのか!!!!!」
イーバンは炎のような激しい怒りを公爵にぶつけた。
その言葉を発するとともに公爵と下賤の戦いのゴングが鳴った。
イーバンは腰に付けている刀に手をした瞬間公爵の両腕を吹き飛ばした。
「ナニヲシタ。」
公爵は何が起きたか理解していない。しかし、イーバンの攻撃は止まない。次は両足は吹き飛ばした。
そのままイーバンは首をはねようとしたが、目の前にはなかったはずの腕が生えており、その腕に吹き飛ばされた。
「ヤットシンダ!ヤットコレデアリストーー」
公爵の声が途中で止まったのは、目の前にイーバンが平気な顔をして、立っているからである。
「ナンデイマノヲクラッテイキテル!!!」
公爵は焦った。公爵の放ったパンチは全力である。
それをくらって平然と立っているのは公爵にとっては
想定外であった。
(お父さんのゲンコツのほうが何倍も痛かったし。)
イーバンはそう思いながら巨大になった怪物(公爵)
の首をはねた。
はねた首の中から人型の公爵が出てきた。しかし、既に
瀕死状態である。
公爵はイーバンに睨みつけ、
「おマエさえ、イなけれバコンなことにはナラなかーーー」
公爵は言い終わる前に息絶えた。
終わってみると街は半壊。死者数は多数にのぼっていた。
(ぼくがここの街に来てなければ、街も人も死なずに済ん
だ....。)
そう思っているとアリスが来た。
「旦那様!!無事だったか!!!」
そう言うと、目の前の死体に目をやりこの元凶が公爵だと理解する。
「旦那様、これを今から王のところに報告してくる。
だから、少し待っててほしい」
アリスはそう言うと、イーバンの頬にキスをし、その場を後にした。
(旦那様の顔が暗かった。まさかな.....。)
「ごめん。アリス」
イーバンはこの場にいなくなったアリスに向かって謝っていた。
イーバンはこの場を後にし街を出た。
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ーーーー王城にてーーーー
「ゲイオス様、街でのゴブリンの大量出現の原因は公爵が
原因でございます。あの、巨大な怪物はイーバン殿が倒され、倒された怪物の中から息絶えた公爵が出てきまた。」
アリスは見た通りのことを報告した。
「それは、本当のことなのか!?」
ゲイオスは驚きが隠せないようだった。
なんせ、この国の最高権力である公爵がこの事件の原因であるのだから。
「はい。間違えありません。おそらく旦那...イーバン殿が
いなかったら、この街と住民は全滅でした」
「そ、そうか。お主が言うなら間違えないのだろうな」
ゲイオスは疑問に思った。普通ならイーバンはこの場にいるはずではないのか?
そして、1つの可能性に辿り着く。
「アクエリアスよ、イーバンはどこぞに?」
「ゲイオス様に報告するため少し街で待っていてほしいと
伝えました」
アリスはそう言うと、ゲイオスの可能性は確信へと変わった。
「アクエリアスよ、おそらくイーバンはもうこの街にはいないだろう」
「それはありえません!!!!!!」
アリスは必死にその答えを拒んでいるようだった。
おそらく、アリス自身もあの時にイーバンの表情を見て、何かしら思ったのだろうが、信じたくはなかった。
アリス血相を変えは急いで王の間を出て行った。
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イーバンが消えてから丸2日経った。アリスは休まずイ
ーバンを探し続けたが、どこにもおらず、目は真っ赤に腫
れ、重く鋭い悲しみがアリスを襲っていた。
アリスはご飯が喉に通らず、髪の毛もボサボサ。気高く
美しい剣姫の姿はどこにもなかった。
「旦那、、様.......。どうして、どうして....。」
アリスはずっとイーバンのことを呼び、イーバンと一緒
に居た部屋に1週間籠っている。
ゲイオスも剣姫のために、また街を救った英雄に礼をし
たいがために国家のあらゆる情報網を使ってイーバンを探
した。 そして、
「アクエリアス様!ゲイオス様がお呼びです!!旦那様が
見つかったそうです」
屋敷のメイドが言った言葉にアリスは驚きに近い喜びの
表情をし、身支度もせず、王城へと走っていった。
「ア、アクエリアスなのか!?」
変わり果てた姿に驚きを隠せていないゲイオスであったが、すぐに本題へと移った。
「で、旦那様はどこに!!??」
アリスはゲイオスとキスしそうなくらい近づいて問うてきた。
「お、落ち着け」
ゲイオスは少し困った顔をして言ってきた。
「申し訳ございません......」
アリスは、そう言うとゲイオスと距離をとり再び問うてきた。
「それで、旦那様はどこに?」
その答えは誰もが予想していなかった国である。
それは人嫌いで有名である国。
「エルフ国じゃ」