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特異能力犯罪課捜査ファイル  作者: 楓
第二章 嵐は突然に

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File.18 侵入<1>

 『九重刑事が犯人との合流地点へ向かいました。行内から武装した男が二人出てきて待ち構えています。それと同時に結界が解かれました』


 「了解。こちらも侵入を開始する。お前ら行くぞ、走れ!」


 「了解」


 三人は待機場所から侵入ポイントへ向かって全速力で走り出す。田丸は先頭で走り抜けると息を整える間もなく空間跳躍の準備を開始する。


 空間跳躍―簡単に言えば、テレポーテーションと呼ばれるものだ。しかし、それは個人が跳ぶもの。田丸の場合、対象物に触れることにより扉を作成し、他人をも跳躍させることが可能なとても貴重な能力である。


 「はっ!!」


 田丸は片手を壁につき能力を発動させる。その手から光の粒子が創製され、その粒子が扉を作成する。

何で見てもすごいと大祐は、感嘆の溜息ををつき、その光景に見入っていた。そんな大祐の頭に田丸は、拳骨を落とす。


 ――――ガン!!


 「いってー。ひどいっすよ、田丸さん」


 「いいから、とっとと入りやがれ!」


 田丸は大祐を蹴り飛ばし、無理やり扉に押し込む。


 「姐さん! 早く!」


 「分ってるわよ!」


 何とか辿りついた皐月の腕を掴むと田丸は、その体を自分に引き寄せ急いで扉に滑り込んだ。飛び込んだというのが正しかったようで、その勢いで先に入った大祐を押し潰す。田丸はとっさに体を捻り皐月が上に来るように倒れ込んだ。


 (姐さんに怪我させたら、あとでさっちゃんにどやされる)


 「おーい、生きてるか新人?」


 「……………………何とか。すいません、早く上からどいて下さい」


 「だってよ、姐さん?」


 「ごめんなさいね、大祐君」


 そう言って皐月は、そそくさと大祐と田丸の上から体をどけた。田丸もそれに続くと大祐の手を引っ張り立ち上がらせる。


 「まぁ、何とかすべりこみセーフってやつか」


 「そうね、でもこれからが本番って感じかしらね」


 「別に普通の建物って感じですけど………………」


  そんな大祐の言葉が気に食わなかった皐月は、にっこり笑いながら大祐の両頬を思い切りつかんでのばす。


 「いっ、いひゃい」


 「よーく周りを見てごらんなさい? どう考えてもこの空間と元々の銀行の設計図が合わないでしょ?」


 皐月は、最後に思い切り引っ張りつまんでいた頬を離す。大祐は、頬をさすりながらもう一度周囲の状況確認を行う。そして、目を疑った。大祐達の目の前に広がっていたのは、広い部屋だった。部屋としては作りは簡単だろう、ただ本当に広く尚且つ、壁にはにはいくつもの扉がある。



 「何だこりゃ? 姐さん、もしかしてこれ扉の選択間違えばどうなると思う?」


 「うーん、その先々でトラップが待ち受けてるんじゃないかしら?」


 「例えば?」


 「さぁ?それはこの困った空間の作り主のユーモア次第かしら?」


 「はははっ。………………笑えねー冗談」


 田丸の乾いた笑いが響く。


 「でも、まぁさっちゃんが待っているもの。指示通り、迅速に辿り着かなきゃね?」


 「……………了解」


 田丸と大祐は、何とか了承の意を伝える。果たしてこのいくつも並ぶ扉から正解を引き当て沙紀の元へたどり着くのにどれだけの時間がかかるのか不安がつのる。


 (それにしても、俺は役にたてるんですか? 沙紀さん……………)


 大祐は、一人隠れて溜息をつくしかなかった。




 

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