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特異能力犯罪課捜査ファイル  作者: 楓
第二章 嵐は突然に

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File11.学園<3>

 校舎内へ足を踏み入れると薄っすらと焦げた匂いがした。タブレットで地図を確認しながら大祐と田丸が先に進み危険がないかを確認する。国の最先端の技術で作られているせいか、建物自体にヒビなどはなく、燃えやすい物だけが燃えたという感じだ。一応、内部は片付けられているせいでガラスの破片などもなく問題なく進むことが出来る。


 「沙紀さん、大丈夫でしょうか」


 自分達と少し距離を空けて皐月と手を繋ぎ歩いている沙紀は、顔色も悪く当然のことながら元気はなさそうだ。


 「まぁ、仕方ねぇだろう。誰だって同じ目に合えば平気でいられるわけがない。本当ならこんなところ二度と足を踏み入れたくはないさ。それでもさっちゃんは、進むと決めたんだから俺らはそれをサポートするだけだ」


 「そうですね。あっ、この先の階段を降りたところが問題の実習室兼シェルターですね」


 「姐さん、この先だ」


 「分かった。行けそう?」


 「行く」


 「この先は暗そうなので、ヘッドライトと懐中電灯を…………」


 大祐が装備の準備を提案しようとしたその時、自分達の周りにいくつもの青い火の玉が現れ浮遊し始めた。


 「ごめん、力が不安定だから少し使わせて」


 「そうね、無理に抑えつけるより少し使っていたほうが楽よね」


 「では行きましょうか」


 青い火に照らされながらゆっくりと階段を降りていくとそこには破壊された分厚い防火扉の外枠だけが残されていた。階段を進むにつれて更に焼け焦げた匂いが強くなっていく。


 「この扉の先の廊下の一番奥がシェルターになっている大教室がありました。生徒達は左右にある教室を起点にしながら徹底抗戦を行ったそうです」


 真っ暗な廊下の先に多くの生徒達が最後を迎えた場所がある。


 「不思議。あれだけの惨劇があった場所なのに空気が澄んでる。幽霊になった生徒や教師が一人や二人いてもおかしくないと思ってた」


 「えぇ、だから一応弔い用の術具を用意してきたんだけれど。そんな必要が全くないなんてね」


 「課長が伝手を使って手に入れた情報で、事件から毎月例の一族が清めの儀式を行っていたそうです」


 「あいつらが? ここは能力者の学校で奴らは関係ないだろう?」


 「学園の生徒の中に一族の子がいたのではないかと課長は予測を立ててます。彼等の一族の中にも少ないですが能力を持たずに生まれる子達がいるそうです。なのでその中には後天的に能力者としての力が目覚めていてもおかしくはないと。そもそも能力に目覚める人間の条件なんて分かってはいませんからね」


 「そうなんだ、生徒の中にそんな子が」


 沙紀は記憶に残っている生徒を思い出す。中には過去に色々あったのか全く心を開かない生徒もいたし、能力にすぐに順応して戸惑う他の生徒の世話をしている生徒もいた。もしかしたら、その中に一族の血をひく子供達がいたのかもしれない。


 「あぁ、だから入口に焼香台があるのね。みんな、入る前に手を合わせましょう」


 皐月は焼香台にあるロウソク立てに持ってきたロウソクを立てると火をつける。そして持ってきた線香を台に置くと一番最初に火をつけて手を合わせる。大祐達も順番に線香に火をつけ香炉へ供えて手を合わせた。最後に沙紀が手を合わせ心に誓う。


 (絶対に犯人を捕まえるから)


 


 

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