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特異能力犯罪課捜査ファイル  作者: 楓
第二章 嵐は突然に

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File.11 学園<2>

 皐月と手をつなぎながら門の内側へと入った沙紀は、自分の記憶にある景色と今目の前に広がる景色の差に悲しみと寂しさを感じる。今は、駐車場になってしまったこの場所は昔は噴水を中心に置いた広場になっていた。校舎へと続く道は、レンガで舗装された遊歩道でまるでテーマパークのような作りで所々に可愛らしい石像が立っていた。何故そんな様式になったのか聞いたところ子供達の情操教育の為だったらしい。少しでも不安を与えないように、自分達が過ごすこの場所は、楽しい場所なのだと認識してもらう為に大人達が頭を悩ませて作られた場所。


 「本当に何もなくなったんだ」


 「さっちゃんは、事件以降この場所に来たことはあるの?」


 「ううん、来たことない。追悼式も門の外から映像で見た。入ろうとするとどうしても足がすくむから」


 「大丈夫そう?」


 「うん、行けると思う。……………手繋いでていい?」


 「もちろんよ。じゃあ、まずは校舎へ行ってみましょうか。田丸、大祐君行くわよ」


 「了解です。門の施錠も完了です」


 「一応、トラップは仕掛けたから誰かが来れば反応するさ。姐さんも仕掛けたんだろ?」


 「えぇ、昔の結界の名残があったからそれを使わせてもらったわ。さぁ、校舎はこの道の先よ」


 門から10分程歩いた場所に三階建ての校舎だったらしきコンクリート造りの建物があった。外観はよくある学校の校舎でただ事件のせいで中は全焼、外観が残るのみ。敷地内に人が入れないようにしてあるせいかよくある廃墟のように落書き等は見当たらない。


 「どこにでもある公立校の校舎って感じだな」


 「うん、昔は他の建物とかとの違和感が際立ってた。ヨーロピアンテイストのテーマパークの中にどーんとある現実的な建物ってどうなの?って」


 「そうですね。資料に残ってた昔の写真を見ましたが、違和感が半端なかったです」


 「まぁ、国の作った教育施設だもの。教育施設という性質と能力者の子供達が学ぶ場所だから相当頑丈にする必要があったからデザインにまでこだわっていられなかったのかもしれないわね」


 「事件の現場はここではないんですよね」


 「最初の現場は寮。寮での惨劇から逃れた教師と生徒達が逃げ込んだのが、学校の地下にある実習室兼シェルター。ただ、最後は扉を破られて…………」


 「すみません、沙紀さん」


 「気にしないで、報告書で何度も読んだ。まだ戦えない子供や能力的に戦いに向かない子供と教師が室内に逃げて、私の友達みたいに戦える年長の子供や教師達で応戦したみたい」


 報告書ではほとんどの生徒や教師は一撃で命を落としていた。緋奈だけが抵抗したのか体中が傷だらけだったらしい。それでも最後は背後から刺殺された。不思議なのは燃え盛る炎の中にいたのに遺体は全く炎のダメージを受けておらず穏やかな笑みを浮かべて亡くなっていたこと。残された遺品の写真を見ると服は所々破れたり血で汚れていたが確かに燃えてはいなかった。ただ、彼女がいつも着けていたお守りのネックレスの朱い石が砕け散っていた。


 「結局のところ犯人の目的は何だったんでしょうか。国に対するテロならば犯行声明の一つや二つ出ていてもおかしくないですよね?」


 「いくつか出てたみたいだが全部偽物だったらしいぜ。本当に何がしたかったんだか、胸くそわりぃ」


 「同感です」


 この事件の一番の問題点は、犯行動機が不明。ただ、人を殺したいだけの快楽殺人者が集団で現れるなんてことは普通はない。彼等ようなタイプの犯罪者は大体単独犯だ。


 「さっちゃん、どうする? 地下に行ってみる? 無理そうなら私達だけで行くけど」


 「ううん、行く。途中で駄目そうだったら、映像だけ送ってもらってその場で確認する」


 

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