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特異能力犯罪課捜査ファイル  作者: 楓
第二章 嵐は突然に

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File.8 相談<2>

 「それでも今までは、いつか捜査することが出来ればいいなって資料を請求するだけだった。だけど、あの事件で家族を失った人の時間はきっと止まってしまっている。だからこそ、この手紙が来るんだと思う」


 「さっちゃんがこうやって話してくれるってことは、何かを決めたのね?」


 皐月の問いかけに沙紀は、大きく頷いた。


 「うん。刑事という立場に着いて、国にも能力者として役に立っていると示せた。だから、仕事の合間に過去に関わった事件の捜査をしてもいいと思う。皆には、迷惑をかけるつもりはないけどちゃんと話しておこうと思って。…………あの人達の時間を誰かが動かしてあげないといけない」


 「もう! 違うでしょう? 手伝ってお願いしてくれればいいのよ!!」


 「うわっ!」


 後ろから皐月にいきなりギュッと抱きしめられた沙紀は声を上げる。そんな沙紀の反応は無視して皐月は、更にギュッと抱きしめ続ける。そんな二人を見て田丸と大祐は苦笑する。


 「そうですよ、沙紀さん。自分もお手伝いします。継続捜査のいい研修になります」


 「まぁ、俺の力はどっちかというと現場向きだけど、潜入捜査には使えるぜ」


 「ありがとう。まぁ、時間はかかるだろうからいざとなったらお願いする」


 沙紀のどこかスッキリとした表情に、三人は安堵する。特異課の中で一番優秀だが一番重いものを背負っている少女。少しでも仲間としてその重荷を減らす手伝いが出来るなら嬉しいというのが共通の認識だった。


 「じゃあ、この話は終わり! 大熊は今日の報告書は出来た?」


 「はい! 確認をお願いします」


 「そう言えば、大祐君達は昼間に例の一族の人間達と接触したんでしょう? どうだった?」


 沙紀に報告書を手渡した大祐は、昼間に会った少年達を思い出す。沙紀よりも幼い少年達。公園内から感じた能力は、自分達が使う能力とは似て異なるものだと感じた。


 「直接話したわけではありませんが、大変そうではあります。彼等の使命というものは、我々には分かりませんが相当キツイものではなかろうかと。現場にいて思ったのは、確かに我々とは能力の系統が全く違うものなのかもしれません。時枝さんが張っていた結界については、我々と似たものだと思いますけど」


 「そうね、結界については我々と同じ類のもの。もちろん、術式が違うでしょうから全く同じという訳にはいかない。ただ、彼等が事件解決時に使用した力はどちらかというと神域に近い」


 「げっ、神でも降ろしているってか?」


 「神ではないでしょうね。ただ、時枝さんも言ってたけど人外の者の力を使用しているという点では本当に全く異なる力ね」


 あの時、少年達の後ろに立っていた青年達の姿を思い出す。姿形は人間だったが彼等から発せられた気は穢れのない清廉な気でありながら恐怖を覚えた。一つでも対処を間違えば一瞬で消されてしまうだろういう本能的な恐怖。あんな者を連れている時点で、彼等もまた普通ではないと警戒するには充分だった。


 (まぁ、大熊はそこまで考えてないでしょうけど…………)


 「これから現場で会うこともあるでしょうけど、基本的には関わらないようにするのがお互いの為よ」


 「さっちゃんの言う通りね。私達は私達の役目を果たしましょう」



 


 

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