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特異能力犯罪課捜査ファイル  作者: 楓
第二章 嵐は突然に

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File.4 パトロール<5>

 車へと戻った沙紀達は、残りのパトロール区域へ車を走らせた。先ほどの警報が解除されたのか、一気に街中へ人が戻ってくる。東京に住む人々にとって警報は日常になっているせいか、特に混乱は起きていないようだった。


 「それにしても面倒なことになりそうね」


 「彼等ですか? 確かにどの事件が彼等の仕事でどれが我々の仕事なのか境界線が自分達には分かりませんからね」


 いざ出動したら警察には介入出来ないということが今後頻繁に起こりそうだ。大祐は遠目に見た彼等を思い出す。まだ幼さを残す顔立ちの少年達と少女の姿に自分の弟妹の姿が重なる。


 「あんな年齢から命をかける仕事に着かなければいけないなんて。年齢でいったら沙紀さんもですけど」


 「私と彼等じゃ違うわよ。私はあくまで自分の意志で覚悟を持ってこの仕事についてる。でも彼等はどうかしら。だって、最初から彼等に選択肢はない。それこそ幼少期から教育を受けて自分達の生き方は、決まっている。自分の意志のようで決まった道を流されて生きているという印象を受ける。早く覚悟を決めないと危うい」


 「心配ですか?」


 「うーん、難しいわね。警察官としては、さっさと覚悟を決めろとしか言えない。同年代としては…………可哀想かしら。ただ、この東京でも否応なしに生き方を決められている人々がいるから」


 「ですね」


 その否応なしに生き方を決められた一人である大祐は、彼等がどうか無事に使命とやらを全う出来ることを祈るしかなかった。沙紀の言う通り、本当は持って欲しくはないが彼等にも覚悟が必要だ。それが彼等自身を守ることにつながる。


 (本当なら、危険なことは警察に任せなさいと言いたいところだろうけど無理だろうな)


 初めて彼等の能力を感じる距離に身を置いたが、確かに彼等は自分達と違うと思った。感覚的なものなので説明が難しいが自分達の能力とそもそも根本的な種類が違う気がしたのだ。


 「まぁ、今後のことは対策を講じていくしかないわね。とりあえず…………」


 二人は今後の対策を含めて彼等が関わった事件の詳細把握とマッピングを行って共通点を探していくことを決めた。沙紀は、タブレット端末で特異研のライブラリーに申請を進めているなかである事を思い出す。


 「ねぇ、あなたは彼等の姿は見えた? 着物姿の人外と思わしき男性達」


 「人外ですか? いいえ、自分には少年達と少女しか見えませんでした」


 「…………そう」


 沈黙した沙紀に大祐が声をかけようとしたところへ無線に事件に一報がはいる。特異能力者らしき人間によるコンビニ立てこもり発生の報だった。


 「今日は、よく事件が起きる。大熊、次の角を左折」


 「了解です」


 沙紀は窓を開けて赤色灯を車へ取り付け、マイクで道を開けるように一般車両へ指示を出す。車が路肩へ寄るのを確認すると大祐はアクセルを踏み込んだ。一番現場に近いのは自分達だが少し距離がある為、少し飛ばす必要がある。


 「九重、大熊の両名で現場に向かいます。事件の詳細データと付近の人々の避難警報をお願いします」


 「沙紀さん、飛ばしますのでつかまってください」


 「ほどほどにね」


 今日のパトロールは、まだまだ終わりそうにないと思う二人だった。

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