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特異能力犯罪課捜査ファイル  作者: 楓
第一章 出会いの春

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File.17 記憶喪失<2>

 想定外のカミングアウトを沙紀からされた大祐は、かなり動揺していた。養子の話は、地震もあったのでそうなのかと直ぐに理解出来るが記憶喪失になるとどれだけの外的又は心的傷害を負ってしまったのか。


 「保護されたというのは……」


 「あぁ、地震があった数日後に街中に立っていたの。パジャマ姿で泣いている私を最初に保護したのが鈴木警部と課長だった。色々と手を尽くしてくれたらしいけど、本人が名前も何もかも覚えてないから結局身元は判明しなかった。で、子供のいなかった課長夫婦が養子として引き取ってくれたのよ」


 街中で青い炎を周囲に浮かべて通報された結果だということはさすがに伏せておく。夜な夜な青い人魂を浮かべた少女がいると噂話が広まり、今も怪談話として残っているなんて黒歴史でしかない。


 「特に怪我とかも負ってなかったから、地震のストレスかもしれないってことで最初は施設にいたんだけどその頃は能力者の存在は世間一般では認知されていなかったから大分気味悪がれて。課長の奥さんは特異研のメンバーだったから自分達が引き取るって言ってくれたの。だから、別に不幸でもないわよ。心配してくれるのはありがたいけど」


 「……はい。あぁ、だから鈴木警部とは仲が良いんですね」


 「まぁ、その頃からの付き合いだし休みのたびに遊んでくれたから。特異課の刑事になる時は反対されたけど」


 「反対ですか?」


 「危険だとか、能力者としていいように使われるだけだとかね。娘の将来を心配する父親みたいにね。パパさんとママさんはちゃんと考えたならいいよって言ってくれたんだけどね。逆にお前達は親として心配じゃないのかって二人をお説教してたわ」


 当時のやり取りを思い出してクスクスと笑う沙紀に大祐はホッとした。沙紀はきちんと過去を受け止めた上で前に進んでいるのだから他人である自分達が必要以上に同情したりするのは逆に失礼にあたる。刑事として真剣に事件に向き合う彼女の同僚として自分も同じくらいの気概を持たなければ。


 (一般的にあんなに他人を警戒をするとしたら相手が信用出来ない時とかか。いや、能力者として考えると……)


 「沙紀さんは、子供の頃に能力者の大人とあった時はどうでしたか?」


 「うーん、能力のレベルの差によるけど自分と同等の大人には安心したかしら。もし能力がコントロール出来なくても怪我はしないだろうって」


 「では、自分より能力が強い大人はどうです?」


 「当時、私より上の能力の大人っていなかったから。……もしいたとしたら警戒くらいはした?」


 「はい。単純に考えて能力の優劣で明らかに自分よりも勝っている人間が能力を隠して近づいてきたら警戒はしませんか?」


 「するわね。自分より上の能力者がいなかったから盲点だった。そもそも能力を隠している人間って能力を使用したくない人間って思い込みがあったから。能力を利用してやるって気概がある人間はだいたい自己顕示欲が強くって隠すことを一切しないのよ」


 普通の犯罪組織は、頭も使うし武力行使もバレないように行うのが普通だ。だから、特異課の過去の捜査資料を読んでいると正直、いつの時代の犯罪組織だと大祐は思った。


 「はい。自分も資料で見る能力者達は一切自分達の能力を隠すことをしてませんでした。だいたい、最後は能力対能力で特異課の面々が制圧して終了が通常です。ただ、年々能力者の犯罪組織も拡大してきてますし、力で組織を統制するのではなく頭を使う人間が上に立って他の一般的な犯罪組織と同様の動きをするようになったのではないかと」


 大祐の言葉に沙紀は若干カチンときたが自分達が力で制圧をしてきたことは事実なので言葉を飲み込む。あの牧師の正体が分かればきっと答えが分かるだろうと。


 「とにかく情報を集めようじゃない。あの牧師のね」

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