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特異能力犯罪課捜査ファイル  作者: 楓
第一章 出会いの春

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File.14 緊急事案<3>

 今回の緊急事案と爆発火災事件、全く関係ない二つの事件が繋がる可能性が出てきた。大祐はセンターから持ち帰ったデータをスクリーンに映し出す。


 「これがセンターで調べてきた事件の一覧です。確かに最初の爆破未遂事件が起こってから都内でいくつか同様の事故が確認が取れてます」


 「まだ、推測の域から出ないけれど、確かに沙紀君の見立てに当てはまるね。能力者を使ってまで事件を起こすつもりなら依頼主は相当この船の出向を止めたいんだね。ただのクルーズ船だろうに」


 「特に後ろ暗いところがある企業でもないですしね。乗船するお客様にVIPがいるとかかしら?」


 前回の事件の際に公安が調べた資料はかなり念入りに調査されて作成されていた。企業の内部情報も多くみられたが特に脅されるような項目もなかった。確かに当日乗船する客にはVIPもみられたが政治的に狙われるような人物はいなかったと報告されている。


 「田丸達が確認した能力者は?」


 「現在、こっちで監視している発火能力者は、五名。全員、真面目に働いてたよ」


 「えぇ、私も確認したけれど嘘はなかったわね。でもあくまでこちらで監視しているのは前歴者のみだから、国に登録している能力者全てを確認するには時間がかかるわね。そもそも彼らは力を使用せずに普通に暮らしているから迂闊にこちらから接触をするわけにもいかないわ」


 能力を使用せず、他者に悟られないように生きている彼等の平穏な生活を壊すことは躊躇われた。


 「そうなると、重要なのは唯一の爆発火災事件の目撃者の証言から調べるしかないか。沙紀君、鈴木警部から何か情報はきているかな?」


 「はい。最初は証言が二転三転していたみたいですけど、鈴木警部が聴取したところ素直に話してくれたらしいです。これが鈴木警部からの報告書です」


 スクリーンに映った鈴木警部からの報告書を各自目を通す。どうやら被害者の最初の証言自体が嘘だったようだ。知り合いに会って遅くなったのは本当だが、あのビルに入ったのは別の知り合いがその中から出てくるところを見たからだと証言が取れたとある。


 「炊き出しの会場で何度か顔を合わせた少年か」


 「はい。最近、廃ビルの爆発火災事件が起きていたことを把握していたらしく、何か変なことに巻き込まれていないか心配だったと。偶然、彼が能力者であることを知っていたから警察には言えなかったそうです」


 「少年ということはホームの子かしら?」


 「いいえ、十八歳は超えているので成人はしている。けど、大分童顔らしくて自分の亡くなった息子さんとダブってしまったらしい。いくつか炊き出しが開催される場所があるけど、彼を見かけるのは一ヵ所。ここから割と近いところにある教会ね」


 沙紀さんはスクリーンに該当の教会の写真と地図を映し出した。その教会のホームページには月二回の炊き出しの開催が記されていた。


 「とりあえず、教会に行ってみましょう。問題の少年について証言が取れるかもしれない」

 


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