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特異能力犯罪課捜査ファイル  作者: 楓
第一章 出会いの春

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File.13 学園

 「二人ともお疲れ!」


 特異研から戻ると事務所には田丸が出勤していた。自分の席に着き、PCのキーボードをせわしなく打ち込んでいる。多分、昨日確認した件の報告書を作成しているのだろう。


 「田丸もお疲れ様。皐月ちゃんは?」


 沙紀はキョロキョロと室内を見渡して田丸と一緒にいたであろう皐月の姿を探す。そんな沙紀の姿に田丸は笑いながら地下を指差した。


 「別件の取り調べで地下にいる。相手が能力者だから下の部屋を使ってるぜ」


 「そうなの。じゃあ、課長も下かしら?」


 「あぁ。上からのお達しで急いでいるらしい。もしかしたら、一旦この事件はステイで別件を優先させるかもな」


 「上からの。また、面倒そうね。課長に報告がてら下を確認してくるわ。大熊は、今日の報告書を作っておいて」


 「了解しました」


 沙紀は大祐に指示を出すと部屋を出て地下へと向かって行った。大祐は返事を返すと装備をロッカーに戻し自分のデスクへと戻る。


 「センターはどうだった?」


 「まぁ、驚きました。歴史的建造物が今や研究施設ですからね」


 「俺もまさか自分があそこへ出入りするようになるとは思わなかったよ。で、今日の成果は?」


 田丸に聞かれざっと今日の出来事や先日の現場検証の報告をする。その報告を聞きながら田丸は、事務所内のコーヒーメーカーから二人分のコーヒーをカップに注ぐと大祐へ手渡した。


 「……お前、案外デリカシーないよな。いや、馬鹿正直なのか」


 「そうですか?」


 「あぁ、普通聞くか? 発火能力者に火をつけたいとか、ホームにいたかどうかとか。さっちゃんに怒られなかったか」


 「いえ、特に怒鳴られたりとかはなく淡々と自分の考えとか教えてくれました。……確かにデリカシーないですね。仕事に関する質問に何でも答えてくれるのでその感覚で聞いてしまいました」


 田丸にここ数日の自分の言動の指摘を受けて大祐は、落ち込む。項垂れてしょんぼりと落ち込む大祐に田丸は苦笑する。


 (意外にさっちゃんは、こいつのこと気に入っているよな。まぁ、裏表がなくて分かりやすいからだろうけど)


 「さっちゃんが、何も言わないなら気にしてないってことだから、あんまり落ち込むな?」


 「今後は発言に気を付けます」


 「やめろ、それでお前が変に取り繕ったら俺が怒られるだろ」


 「……じゃあ、発言内容がまずかったら注意してください」


 「はいはい。そう言えば報告書の書き方大丈夫か?」


 「はい、最近は実習がてら自分が報告関係の書面を作成してますので。内容は後で確認してもらいますけど」


 「ふーん。じゃあ、さっさと作って俺らも下に確認に行こうぜ。上から落とされるであろう厄介事の確認にな。あー、一つだけ言っとくわ。学園についてはさっちゃんが話すまで詳細な確認はするな」


 「学園ですか。何でですか? もう存在しないとは教えてくれてますけど」


 「学園は事件がおきて、その存在ごと抹消されたんだよ」


 「事件ですか?」


 一転して真剣な声音になった田丸に視線を向けると眉間に皺を寄せて呟いた。


 「演習に出かけていたさっちゃん達を除いた生徒と職員全員が殺された。発見したのは、演習から戻ったさっちゃん達だったらしい」

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