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特異能力犯罪課捜査ファイル  作者: 楓
第一章 出会いの春

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File.12 特異研<1>

 「おはようございます」


 事務所に入ると部屋の中には、課長と沙紀がそれぞれのデスクにいた。課長は電話中なのかニコニコと笑いながら手を振っている。沙紀は机に向かいPCで何かを確認している。


 「今日は、A装備でいいから」


 「了解です」


 沙紀から指定された装備を取りにロッカーと向かう。上着の下に銃を装備する際のホルスターを装着する。今回は銃の代わりに特殊警棒と手錠を取り付ける。今日はスーツではなくTシャツの上にジャケットとジーンズ。街中で溶け込み安く、動きやすさを重視した。


 「はい、これが車のキーよ。地下の駐車場に置いてあるわ」


 自分のデスクに戻ると沙紀が待っていた。今日は沙紀も白のワイシャツに紺のジャケット、それにジーンズにスニーカーという動きやすい服装で、唯一変わらないのがポニーテールにした髪に飾られた朱と銀の組紐だった。目の前にスッと伸ばされた手に車のキーが握られていた。大祐が黙ってそれを受け取ると沙紀はそのまま地下へ向かうべく部屋を出てしまう。急いで後を追うと階段の途中で追いついた。


 「沙紀さん、今日はまず何処へ向かいますか?」


 「時枝さんに連絡を入れたけれど、先方はお忙しくてアポイントは無理とのことで後日調査結果を頂けるらしいわ。まぁ、最初から期待してないけど。今日はまず特異能力研究所、通称センターに行く」


 「相手は大企業の代表に近い人物ですからね。センターで何をするんですか?」


 「あそこにはライブラリーがあって過去・現在で起こった特異能力者関連の事件の記録と我々が検証したけれど通常事件として扱った事件の情報もあるの。そこでここ最近起きた爆発火災事件を調べる。本当はここからでも調べられるけど、研修も兼ねて連れて行くわ」


 歩きながら今日の予定を確認している内に駐車場へと着く。鍵に取り付けられているキーホルダーに書かれたナンバープレートの車を探して二人は車に乗り込んだ。


 「了解です。で、センターの場所はどこですか?」


 大祐はナビに住所を入力しようと沙紀に確認を取る。すると沙紀の口から出た住所は誰もが知っている有名な建物だった。


 「え、マジですか?」


 「ふふっ、マジよ。まぁ、首都が変更された今では国が所有する重要文化財の一つね。地震で半壊したけれど、補修して今では研究所よ。まぁ、誰も思わないでしょ。あんなところが研究所なんて」


 (確かに元国会議事堂が研究所なんて、誰も思わないよな)


 入力を終えると車を発車させる。沙紀は黙って外を眺めている。沈黙に耐えられず、大祐は何か話そうと話題を探いた。


 「そう言えば、沙紀さん。最近、行方不明者が増えているは知っていますか?」


 「知っているわ。でもほとんどが成年で訳ありが多いらしくて何か被害が出ているわけでもないから通常の家出人捜索の範囲でしか動いてないんじゃない? それがどうかしたの?」


 「いえ、昨日帰りに近所のスーパーに行ったら子供達が店員に詰め寄ってまして。それが行方不明者のポスターの件だったんです」


 「子供? 流石に未成年が行方不明なら警察が動いているでしょう? 私達の出る幕じゃないわ」


 「やっぱり、そうですよね。ただ、気になったんですよ」


 「…………あなたが気になるねぇ。揉めてたのが子供達か」


 「はい。ただ、店員も気の毒には思っていても彼等とは関わりたくないと。ポスターも貰ったので鈴木警部にチラッと聞いてみようかなと考えているんですけど」


 「彼らに関わりたくないか。ねぇ、そのポスターは?」


 「これです」


 ちょうど赤信号で停車したので、内ポケットにしまっていたポスターを沙紀に手渡す。すると沙紀は、行方不明者の情報に目を通す。そして最後に連絡先を見て溜息をついた。


 「……これはうちの事件かもしれないわね。センターで情報を取り寄せましょう」


 大祐は沙紀の言葉に驚く。思わず隣の沙紀に顔を向けると後ろの車がクラクションを鳴らしてきた。


 「信号変ったわよ。理由はセンターに着いてから説明するから」


 「了解です」


 大祐は慌ててアクセルを踏むと車を走らせる。沈黙に困って出した話題がまさか事件に繋がるなんて思ってもいなかった。ただ、気になっていた事件ではあったのでこちらで動くことが出来るなら喜ばしかった。しかし、そのせいで沙紀が漏らした言葉を聞きのがしてしまう。


 「…………時間が立ちすぎてる。間に合うかしら」


 


 

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