表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特異能力犯罪課捜査ファイル  作者: 楓
第二章 嵐は突然に

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

123/166

File.19 口を閉ざす理由

 大祐はフラフラとした足取りながらも何とか本部に帰り着いた。左京との会話にはいつも以上に神経を使うし、自分の中を探られている感覚がしてとても疲れた。普段は感じない疲労感で珍しく身体的にもダメージが表に出ている。しかし、左京からするとあの程度のやり取りでダメージを受ける人間は自分の顧客ではないと笑うし、何より大祐はとても分かりやすいので彼には特に何もしていないので言いがかりだと主張するだろう。ただ、自分達の妹の負担軽減の為に事実を指摘しただけだと。


 「只今戻りました」


 (…………疲れた。あの人は苦手かもしれない)


 「あら、お帰りなさい」


 そんな彼を迎えてくれたのは、眼鏡をかけてパソコンと向き合う皐月だった。


 「あれ? 眼鏡をかけているなんて、めずらしいですね」


 「ええ、何か目の調子が良くなくて」


 大祐は、キョロキョロと室内を見渡す。皐月以外部屋にはおらず、室内は閑散としている。


 「沙紀さん達は?」


 「さっきまで訓練室にいたけど、課長のドクターストップがかかって今は仮眠室」


 ドクターストップという言葉を聞いて大祐は、大きな声を上げる。


 「どうかしたんですか!!」


 「力の使い過ぎでオーバーヒートって感じかしら。何か思いつめた感じがするから気をつけて見てたんだけど」


 確かに最近の沙紀さんは、時々思いつめたような表情を浮かべることが増えてきていた。本人は悟られていないと思っているようだが、日に日に増えていく訓練の頻度に大祐も違和感を覚えたので最近はそれとなく沙紀の様子を見守っていた。


 大祐は大きなため息一つつくと皐月へ提案をする。


 「そうですか。なら報告は止めておいたほうがいいですね。今報告するとすぐに動こうとするでしょうし。今日貰った情報は先に自分が下調べを進めます」


 「そうね。私ももう少し調べたいし。田丸の調査もまだ終わってないみたい。だから、そっちが終了してから一斉に報告しましょう」


 「はい」


 結局、その日沙紀さんは課長に連れられて病院へ行った後、帰宅。軽い過労との診断が出た為、数日休養を取ることになった。翌日その事を自分達に報告する課長の顔を見て状況が悪いことを察する。


 課長の端では、過労で倒れる程までの訓練を自分に課すことなんてことは、今まで無かったらしい。いつもなら、きちんとプログラムを立てて訓練をしていたそうだ。どこか焦っているように見える沙紀さんを見て皆心配していたけど、その理由を沙紀さんが話すことは無かった。


 課長もとても心配していたが、何も話してくれないんだと少し淋しそうな表情を浮かべていた。


 (沙紀さんを焦らせているものは一体何なんだろう)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ